2017年4月6日(木) 「ADP雇用者数とFOMC議事録でドル円乱高下」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ADP雇用者数の発表を受けてドル円は111円45銭まで買われたものの、その後に発表されたFOMC議事録の内容に反応し反落。上昇していた株価がマイナスに転じたことや、長期金利の低下もドル円を押し下げ、110円56銭まで売られる。
- ユーロドルは前日と変わらず1.06台半ばを中心にもみ合い。
- 株式市場は乱高下。ADP雇用者数の上振れを受けてダウは200ドル近く上昇したものの、FOMC議事録では株価は高すぎるとも取れる議論があったことから急落。結局ダウはマイナス41ドルで引ける。
- 債券相場は上昇。FOMC議事録では利上げペースが緩やかになると受け止められ買われた。長期金利は2.33%台に低下。
- 金は4日ぶりに下落。原油は小幅に続伸し51ドル台後半まで上昇。
3月ADP雇用者数 → 26.3万人
3月ISM非製造業景況指数 → 55.2
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| ドル/円 | 110.56 〜 111.45 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0635 〜 1.0689 |
| ユーロ/円 | 117.84 〜 118.79 |
| NYダウ | −41.09 → 20,648.15ドル |
| GOLD | −9.90 → 1,248.50ドル |
| WTI | +0.12 → 51.88ドル |
| 米10年国債 | −0.025 → 2.335% |
本日の注目イベント
- 中 中国 3月財新サービス業PMI
- 中 中国 3月財新コンポジットPMI
- 欧 ECB議事要旨
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 習近平主席訪米、トランプ大統領と会談
- 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 加 カナダ2月建設許可件数
3月のADP雇用者数の発表と、FOMC議事録の公表を受けて、ドル円は「往って来い」の展開となり、結局大引けは昨日の東京タイムの水準と変わっていません。明日の雇用統計への期待は膨らんだものの、本日から始まる米中首脳会談の行方や、フランス大統領選、さらにはシリア問題や北朝鮮問題なども目先の課題として迫っており、安全通貨の円は買われやすい状況が続いていると言えます。
3月のADP雇用者数は、事前予想の18.5万人を大きく上回る、26.3万人でした。2月に引き続き大きく上振れしたことで、米労働市場の拡大が続いていることが再確認されると同時に、明日の雇用統計も上振れ期待が高まって来ました。ドル円はこの内容を受けて111円台まで上昇し、一時は111円45銭まで買われましたが、その後に公表された3月のFOMC議事録がドルの失速を促すことになりました。
今回の議事録は3月14−15日に、今年最初の利上げを決めた会合だっただけにどのような議論があったのか注目されていました。議事録では、大部分の当局者は4兆5000億ドル(約500兆円)のバランスシートの縮小開始につながる政策変更の年内実施を支持していました。「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」と記されています。(ブルームバーグ)
また、株価の水準に対する議論も行われており、「一部の参加者は株価に関して、標準的なバリュエーションの指標と比較して、非常に高い水準と捉えた」とも記されていました。ADP雇用者数の上振れを受けて前日比200ドル近く上昇していたNYダウは、議事録公表後には一気に上昇分を吐き出しただけではなく、マイナス41ドルで引けています。
ドル円も株価の動きに呼応するかのように111円45銭まで買われた後、110円台半ばまで売られ、高値から1円ほど下げました。昨日この欄でも述べましたが、111円台に乗せるとすればADP雇用者数の上振れが引き金になり易いし、111円台に乗せたとしても上値が重い展開を予想しましたが、概ね予想に沿った動きでした。ドル円は再び110円台半ばを割りこみ110円をテストする気配が漂っています。110円の大台割れは、今年何度も試して跳ね返されている水準です。テクニカル的に言えば、強いサポートであればあるほど一旦抜けると、その後の勢いは加速する傾向があります。110円割れには注意が必要ですが、トランプラリーの半値戻しが109円93銭であることも頭に入れておいて下さい。
ドル円は再び短期的な下落を示す「雲抜け」を見せています。これまでと同様、粘り腰を見せて110円台は維持するのか、あるいは今回は110円割れを試しに行くのかは、今夜から始まる米中首脳会談の内容や、明日の雇用統計の結果次第ということです。本日のレンジは110−111円程度を予想します。

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What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 3/1 | ブレーナード・FRB理事 | 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 | -------- |
| 3/2 | パウエル・FRB理事 | 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 | ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。 |
| 3/4 | イエレン・FRB議長 | 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 | ドル円114円75銭まで上昇。 |
| 3/9 | ドラギ・ECB総裁 | 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 | ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。 |
| 3/15 | イエレン・FRB議長 | 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 | ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ |
| 3/16 | ムニューチン・財務長官 | 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 | -------- |
| 3/23 | ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 | 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 3/24 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 | -------- |
| 3/24 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 | -------- |
| 3/28 | フィッシャー・FRB副議長 | 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 | ドル円110円台前半から111円台に上昇 |
| 3/30 | ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 | 「経済データ次第では、もしかしたら今年4回の利上げか適切となるかもしれない」FOXテレビとのインタビューで。 | ドル円上昇の一因に |
| 3/30 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「中長期的に経済成長とインフレ率へのリスクは上振れしている公算があると見られる」講演で。 | ドル円上昇の一因に |
| 4/3 | マクロン・前経済相 | 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 | -------- |
| 4/5 | FOMC議事録 | 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 | ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。 |



