今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年4月7日(金) 「米中首脳会談と雇用統計待ち」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は111円台を回復したものの維持できず、110円台後半で引ける。株価の上昇やサンフランシスコ連銀総裁の発言を手がかりにドルが買われたが上昇は続かず。
  • ユーロドルは小幅に下落。ドラギECB総裁が金融緩和を継続する姿勢を見せたことで1.0638までユーロ安が進む。
  • 株式市場は揃って反発。失業保険申請件数が予想を大きく下回ったことを好感し、ダウは14ドル高と小幅に上昇。
  • 債券相場はほぼ変わらず。米中首脳会談の行方や雇用統計を待つ姿勢が強まる。
  • 金は反発し、原油は続伸。
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 新規失業保険申請件数  →  23.4万件
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ドル/円 110.67 〜 111.15
ユーロ/ドル 1.0638 〜 1.0669
ユーロ/円 117.84 〜 118.33
NYダウ +14.80 → 20,662.95ドル
GOLD +4.80 → 1,253.30ドル
WTI +0.55 → 51.70ドル
米10年国債 +0.005 → 2.341%

本日の注目イベント

  • 日   2月景気動向指数
  • 中   中国 3月外貨準備高
  • 独   独2月鉱工業生産
  • 独   独2月貿易収支
  • 独   独2月経常収支
  • 英   英2月鉱工業生産
  • 英   英2月貿易収支
  • 米   3月雇用統計
  • 米   2月消費者信用残高
  • 加   カナダ3月失業率
  • 加   カナダ3月就業者数

ドル円は上値が重い一方下値も底堅く、膠着状態が続いています。昨日も朝方、株価の大幅下落を見ながら110円29銭まで下落し、110円割れを意識させられました。日経平均株価が230円ほど下げた時でも、ドル円は110円40銭近辺で推移しており、「株価下落の割には、意外に底堅い」といった印象でした。その後、NY市場では111円15銭近辺まで上昇しましたが、再度110円台に押し戻されています。ドル円ロングの市場参加者には「薄氷を踏む思い」をさせながらも、ショートの投資家には「110円割れは無理なのでは・・」といった印象を残しています。110円台前半でロングを仕込んで、111円台前半で売り逃げる戦略を粛々と実行するしかないような状況です。

それにしても、昨日の日本株の弱さには改めて失望させられました。NYダウは41ドルマイナスにもかかわらず、日経平均は一時300円を超える下げに見舞われ、対岸のボヤがいつの間にか自宅の母屋で大火事になったイメージです。200ドル近くまで上昇したものがマイナスに転じる下げを見せたとはいえ、FOMC議事録で、バリュエーションからすると米国株の割高が議論されたことが背景でした。その影響から日本株が下げ、日経平均株価が年初来安値を記録する動きは、なかなか理解に苦しみます。

米中首脳会談が始まりましたが、現時点ではまだ詳細は入って来ていません。トランプ大統領はFOXニュースとのインタビューで、習近平主席との会談は「非常に面白くなる」とした上で、「米国は中国にボールを投げていく。われわれは非常にうまくできると思う」と語っています。また中国との貿易問題では「貿易はもう何年も公平な扱いを受けていない」と述べ、北朝鮮問題でも「北朝鮮は大きな問題だ」と述べました。(ブルームバーグ)基本的には、このように貿易や北朝鮮、あるいは為替問題について議論されるものと思われます。

本日は3月の雇用統計が発表されます。先日のADP雇用者数の上振れで、雇用統計にも上振れ期待が高まっていますが、実際に、事前予想もこれまでの17.5万人から18万人に上方修正されています。2月の実績がこれと全く同じだったことで、むしろ下振れした際の反応の方が混乱が大きいのではないかと懸念されます。昨日発表された週間失業保険申請件数も23.4万件と予想を大きく下回っていました。労働市場は依然として拡大を続けていると見られます。

本日の予想レンジはワイドに、110円20銭〜111円50銭程度とします。

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大統領に就任して2カ月を経過したトランプ氏。オバマケア代替案の撤廃に追い込まれ、順風満帆というわけには行きません。代替案撤廃に追い込まれた背景には共和党内の「フリーダム・コーカス」と呼ばれる保守強硬派の反対があったからです。その「フリーダム・コーカス」を支援するのは、「コーク兄弟」です。普段余り耳にしない名前ですが、コーク・インダストリーズを経営する、ともに今年2月時点でも全米8位の大富豪です。兄のチャールズ・コーク氏は昨年の大統領選で、「クリントン候補かトランプ候補を選べというのは、がんか心臓発作のどちらかを選べというものだ」と発言したことで話題をさらいました。トランプ政権の一人は「今回は、コーク兄弟にやられた」と述べているとか。今後も折にふれて登場するかもしれません。

良い週末を・・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
3/24 ダドリー・NY連銀総裁 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 --------
3/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 --------
3/28 フィッシャー・FRB副議長 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台前半から111円台に上昇
3/30 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「経済データ次第では、もしかしたら今年4回の利上げか適切となるかもしれない」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円上昇の一因に
3/30 ダドリー・NY連銀総裁 「中長期的に経済成長とインフレ率へのリスクは上振れしている公算があると見られる」講演で。 ドル円上昇の一因に
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和