今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年4月13日(木) 「ドル円トランプ発言で108円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は一段と下落し、一時108円96銭まで円高が進む。トランプ氏がWSJ紙とのインタビューで、「ドルは強すぎる」と発言したことが伝わるとドルは109円台後半から急落。
  • ユーロドルは反発。1.05台では底堅く推移し、トランプ氏の発言で1.0675までユーロ高が進行。
  • 地政学的リスクを背景に株式市場は揃って続落。ダウは59ドル下げ、2万600ドルを割り込む。
  • 債券相場は続伸。トランプ氏の「低金利が望ましい」との発言に反応して買われる。長期金利は2.23%台へとさらに低下。
  • 金は続伸。原油は8営業日ぶりに反落。
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 3月財政収支 → −1762億ドル
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ドル/円 108.96 〜 109.86
ユーロ/ドル 1.0589 〜 1.0675
ユーロ/円 116.06 〜 116.45
NYダウ −59.44 → 20,591.86ドル
GOLD +3.90 → 1,278.10ドル
WTI −0.29 → 53.11ドル
米10年国債 −0.057 → 2.239%

本日の注目イベント

  • 豪 豪3月雇用統計
  • 中 中国 3月貿易統計
  • 米 3月生産者物価指数
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

米国による北朝鮮への「攻撃」の可能性が高まり、地政学的リスクの上昇を背景に円が買われる展開が続いていますが、それに加え昨日はトランプ大統領による「口撃」に一段と円高が進み、108円台に入って来ました。

昨日の東京時間にドル円は、一時109円35銭まで売られる場面はあったものの、その後は株価の大幅下落の割には底堅く、NY市場では109円台後半まで反発しましたが、トランプ氏のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙とのインタビューが伝えられるとドル円は急落し、108円台後半まで円高が進んで来ました。

トランプ大統領は「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」と語っています。支持率が40%を切る中で、「トランプ氏への信頼」と述べることは、やや滑稽にも聞こえますが、市場は素直にドル売りで反応しています。トランプ氏はさらに「中国は為替操作国ではない」とも発言し、「ドルが強く、他国が自国通貨を切り下げている状況で競争するのは極めて難しい」とも述べています。また、イエレンFRB議長の再指名に含みを持たせるとともに、「低金利政策が望ましい」と語っています。(ブルームバーグ)同氏は、昨年の大統領選の最中から、「大統領に就任したら、その日に中国を為替操作国に認定する」と豪語し、イエレン議長も「交代させる」と言い放っていました。米国の大統領ともあろう人が、こうも軽々と自分の信念を変えるのはいかがなものかと言いたくなりますが、それで市場が動いたのも事実です。

ドル円は早朝に108円92銭までドル安が進み、昨日も述べましたが、いよいよ200日線のある108円62銭近辺が意識される展開になって来ました。日足で200日線を下回るようなことがあれば、昨年11月10日以来ということになり、あの大統領選の翌日以来ということになります。そのような状況になると、市場参加者の相場観もさらに下落を予想するようになり、105円と言う数字が聞こえてくることになります。

市場を取り巻く環境が「円買い一辺倒」に傾きつつある中、忘れてはならないのは米景気の好調さです。年内さらに2回の利上げの可能性も消えたわけではありません。目先円が買われ易い状況であることは事実ですが、このような時こそ冷静に状況を見極める必要があります。本日も円高を理由に日本株は軟調でしょう。既に年初来安値を更新していますが、本日も売り先行で始まると思われ、株価反発のきっかけは見つかりません。結局、NY株式市場が反発するのを待つしかないようです。予想レンジは108円50銭〜109円80銭程度と見ています。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
3/24 ダドリー・NY連銀総裁 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 --------
3/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 --------
3/28 フィッシャー・FRB副議長 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台前半から111円台に上昇
3/30 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「経済データ次第では、もしかしたら今年4回の利上げか適切となるかもしれない」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円上昇の一因に
3/30 ダドリー・NY連銀総裁 「中長期的に経済成長とインフレ率へのリスクは上振れしている公算があると見られる」講演で。 ドル円上昇の一因に
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和