今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年4月14日(金) 「ドル円反発するも限定的」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は109円台を回復し、109円39銭近辺まで買われたものの、米国がアフガニスタンの「イスラム国」の施設を攻撃したとの報道から反落。109円割れまでドルが売られ、109円10銭前後で取引を終える。
  • ユーロドルは1.06台前半で小動き。対円では115円台まで売られ、直近安値を更新。
  • 株式市場は朝方には前日比プラス圏で推移していたが、米国の「イスラム国」施設への攻撃が伝わると急落。ダウは115ドル下落し、2万500ドル台を割り込む。
  • 債券相場は地政学的リスクがさらに高まってきたことから続伸。長期金利は2.23%台まで低下。
  • 金は続伸し、一時5カ月ぶりとなる1290ドル台まで買われる。原油価格も小幅に反発。
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 3月生産者物価指数 → −0.1%
 新規失業保険申請件数 → 23.4万件
 4月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 98.0
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ドル/円 108.96 〜 109.39
ユーロ/ドル 1.0609 〜 1.0635
ユーロ/円 115.75 〜 116.15
NYダウ −138.61 → 20453.25ドル
GOLD +10.40 → 1,288.50ドル
WTI +0.07 → 53.18ドル
米10年国債 −0.020 → 2.237%

本日の注目イベント

  • 米 3月消費者物価指数
  • 米 3月小売売上高
  • 米 グッドフライデーのため債券、株式市場は休場

ドル円は昨日の朝方、株価の下落に伴い108円73銭近辺まで売られたが、その後はもみ合いを続け、夕方には109円台を回復。NY市場では109円39銭あたりまで反発しました。ただ、その後は米国がアフガニスタンにある「イスラム国」の施設を攻撃したことが伝わり、株安、金利低下、と再び地政学的リスクが高まり円が買われています。

この日は、ミシガン大学消費者マインドなど、経済指標は良好で、さらに、JPモルガンの好決算があったにもかかわらず、米国が「イスラム国」施設を攻撃したことで、北朝鮮への攻撃もあるのではないかとの観測も高まって来ました。今回米国が使用した爆弾は、核以外では米軍最大の破壊力を持つ大規模爆風爆弾兵器(MOAB)を使ったと伝えられ、このあたりにも、トランプ大統領の「あせり」のようなものを感じます。大統領就任時には演説で、「米国はもはや、世界の警察ではない」と述べましたが、どうやら、米国は再び世界の警察の任務に戻ったようです。

ドル円は注目されていた日足の「200日移動平均線」がある、108円60−70銭の手前で反発しており、この水準が意識されていたことが窺えます。また「月足」でも現在雲の上限に差し掛かっており、この雲の中に入るのかどうかも意識されています。この雲は昨年6月の「BREXIT」に伴い急激な円高が進んだ際にも、しっかりサポートされた「実績」があります。今回も再びこの雲入りを試しており、上記「日足」の200日線と考えると、重要なレベルと言えます。

それにしても、トランプ氏が大統領に就任してからは、予想はしていましたが、円高圧力が強まっています。もともとドル高を受け入れるとは思っていませんでしたが、それでも財務長官のムニューチン氏が「長期的にはドル高は有益だ」と発言するなど、110−120円の水準なら許容範囲なのではないかとの見方もありました。地政学的なリスクの高まりに加えて、「ドルは強すぎる」といった発言で短期的なドル円のレンジは105−110円に下方修正された可能性もあります。

本日は再び軟調な株価の動向が気になります。NYタイムは株式、債券市場が休みのため、ドル円の値動きも限られると思われますが、米空母は15日にも朝鮮半島付近に到着するとの報道もあり、依然として緊張が続きます。予想レンジは108円50銭〜109円80銭程度とみます。


ウェスチングハウス(WH)。不正決算で大揺れに揺れた東芝が2006年に買収した原子炉メーカーですが、今や、その名門企業東芝の運命を左右するほどの「重荷」になっています。このウェスチング社をどこに売却するのかを巡って連日紙面をにぎわせています。一方、朝鮮半島に向け航行中の米原子力空母「カールビンソン」も、いつ目的地に到着するのか、こちらも話題に事欠きません。なにしろ映画「トップガン」にも登場した世界最強の空母です。空母には5000人ほどの人が働いており、さながら「動く小さな街」のようだそうです。この「カールビンソン」、動力は原子力です。しかもその原子炉がウェスチング社製というのは、何か奇妙なめぐり合わせです。良い週末を・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
3/24 ダドリー・NY連銀総裁 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 --------
3/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 --------
3/28 フィッシャー・FRB副議長 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台前半から111円台に上昇
3/30 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「経済データ次第では、もしかしたら今年4回の利上げか適切となるかもしれない」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円上昇の一因に
3/30 ダドリー・NY連銀総裁 「中長期的に経済成長とインフレ率へのリスクは上振れしている公算があると見られる」講演で。 ドル円上昇の一因に
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和