今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年4月18日(火) 「ドル円108円割れはひとまず回避」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は一時109円台を回復。株価の大幅上昇や金利高に加え、ムニューチン米財務長官が「長期的なドル高は望ましい」と発言したことが背景。
  • ユーロドルは1.06台後半から売られたが動きは限定的。日曜日の仏大統領選を見極めたいとする姿勢が強まる。
  • 株式市場は大幅に反発。過去3日で大きく売られたことの反動もあり、ダウは183ドル高で2万600ドル台を回復。
  • 株価の上昇に債券は反落。北朝鮮問題が不透明なことから下落幅は小幅に留まる。
  • 金は続伸し1291ドル台に。原油は小幅に売られる。
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 4月NY連銀製造業景気指数 → 5.20
 4月NAHB住宅市場指数  → 68
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ドル/円 108.32 〜 109.05
ユーロ/ドル 1.0636 〜 1.0671
ユーロ/円 115.40 〜 116.11
NYダウ +183.67 → 20,636.92ドル
GOLD +3.40 → 1,291.90ドル
WTI −0.53 → 52.65ドル
米10年国債 +0.012 → 2.250%

本日の注目イベント

  • 日   ペンス米副大統領が来日、麻生財務大臣と経済対話
  • 米   3月住宅着工件数
  • 米   3月建設許可件数
  • 米   3月鉱工業生産
  • 米   3月設備稼働率
  • 米   IMF、世界経済見通し
  • 米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
  • 米   企業決算 → BOA、ゴールドマン

朝鮮半島の緊張が高まる中、昨日の東京時間にドル円は一時108円13銭近辺まで売られ、108円割れも視野に入った印象でしたが、NY市場では何とか持ちこたえ、米財務長官の発言などで109円台までドルが買い戻されています。「リスクオフ」の流れが一旦止まったことで、為替、債券、株式で巻き戻しの動きが出たものと思われます。ただ引き続きペンス副大統領が過激な発言を行っており、そのペンス氏と本日は、日米経済対話が始まることで、まだ円高リスクは依然として残っていると見られます。

ムニューチン財務長官は英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙とのインタビューで、「長期的に見て強いドルは良いことだ」と再び言及しました。これは就任直後に示した認識と同じものでしたが、「準備通貨」としてのドルの価値について述べたものと思われ、先週のトランプ氏の「ドルは強すぎる」との発言とは全く相反するものです。ただその真意は、「トランプ大統領は短期的なドルの強さについて事実に基づく発言を行った」とムニューチン氏は説明しています。

ドル円はこの発言に反応し一時は109円台まで反発しましたが、まだドルの上値の重さが感じられることに変わりはありません。北朝鮮問題では米国、北朝鮮がともに強硬姿勢を崩してはおらず、「一触即発」の状況は変わっていません。とりわけ訪韓中のペンス副大統領の発言は注目されます。

ペンス氏は昨日韓国で記者会見を行い「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」と発言し、「北朝鮮は大統領の力と決意を試すべきではない」と述べています。さらに中国へも一段と圧力を加え「中国が北朝鮮に適切に対応すると信じているが、中国が問題に対処しなければ米国と同盟国が行動する」とも述べています。副大統領であるペンス氏の言葉は、ある意味トランプ氏の言葉を代弁しているともとれ、米国が北朝鮮に対して依然として強い態度で臨んでいることが窺えます。

そのペンス氏が本日来日し、麻生財務大臣と日米経済対話に臨むことになっています。今朝のブルームバーグの報道によると、会合は本日の午後都内で行われ、日米とも他の閣僚は参加せず、両者で合意した議題を両国に持ち帰り、各省庁が検討することになっているようです。

本日はさすがに日本株も上昇するものと見られますが、109円台でどこまでドルが買われるのかに注目しています。109円20―25銭には「雲の上限」と「120日線」(1時間足)が集まっており、先ずはこの水準をクリアできるかどうかです。予想レンジは108円50銭〜109円50銭程度と見ます。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
3/24 ダドリー・NY連銀総裁 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 --------
3/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 --------
3/28 フィッシャー・FRB副議長 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台前半から111円台に上昇
3/30 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「経済データ次第では、もしかしたら今年4回の利上げか適切となるかもしれない」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円上昇の一因に
3/30 ダドリー・NY連銀総裁 「中長期的に経済成長とインフレ率へのリスクは上振れしている公算があると見られる」講演で。 ドル円上昇の一因に
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
4/17 ムニューチン・財務長官 「長期的に見て強いドルは良いことだ」FT紙とのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円台に
4/17 ペンス・米副大統領 「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」韓国での記者会見で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和