今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年4月20日(木) 「ドル円108円台後半でもみ合い」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 米長期金利の低下が一服したことで、ドル円は109円台まで上昇。ただ前日と同様に、109円台は維持できず108円90銭近辺で取引を終える。
  • ユーロドルは1.07台で小動き。フランス大統領選を見極めたいとする姿勢がさらに強まり、値幅も30ポイント以下に留まる。
  • 株式市場は大幅に続落。原油価格が急落したことからエネルギー株を中心に売られる。ダウは118ドル下落し、2カ月ぶりの安値を記録。一方ナスダックは13ポイント上昇。
  • 債券相場は反落。10年債利回りも今年最低水準から上昇。ドイツ国債の利回りが上昇したことや、利益確定の買いが金利を押し上げた。
  • 金は反落。原油価格は在庫が予想外に増加していたことを手がかりに大きく売られる。前日比2ドル近い下落幅を記録し、引け値では50ドル台まで売られる。
ドル/円 108.69 〜 109.18
ユーロ/ドル 1.0700 〜 1.0728
ユーロ/円 116.52 〜 116.97
NYダウ −118.79 → 20,404.49ドル
GOLD −10.70 → 1,283.40ドル
WTI −1.97 → 50.44ドル
米10年国債 +0.046 → 2.214%

本日の注目イベント

  • 日 4月貿易収支
  • 独 独3月生産者物価指数
  • 欧 ユーロ圏4月消費者信頼感(速報値)
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 3月景気先行指標総合指数
  • 米 4月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米 G20(ワシントン)
  • 米 パウエル・FRB理事講演
  • 米 企業決算 → ビザ、ブラックストーン

108円台前半では底堅い動きを見せるドル円ですが、109円台定着にはいたっていません。米長期金利がひとまず下げ止まったことを材料に、NY市場では109円18銭まで上昇したものの、前日の東京市場でもこの水準で上昇を抑えられたこともあり、108円台後半まで押し戻されて取引を終えました。

昨日は経済指標の発表もなく、ベージュブックの内容に注目が集まりましたが、ここでも足元の米景気は強弱入り混じっているとの内容に、特段材料にはなっていません。ベージュブックでは、全12地区連銀が景気は拡大しているものの、そのペースは「緩慢と緩やかで等しく分かれている」と記述され、「将来の支出に回す所得が増えているにもかかわらず、自動車以外の個人消費は軟調だった」と述べられていました。(ブルームバーグ)

108円台前半から109円台前半で、新たなレンジを形成しつつあるドル円ですが、依然として上値の重い値動きが予想されます。ペンス副大統領と麻生財務大臣との日米経済対話は、貿易不均衡や為替問題では懸念されたほど米側からの圧力もなく、具体的な問題については今後に持ち越されました。それでも引き続き朝鮮半島での緊張と、欧州の政治的リスクが市場を覆っており、いずれも、今後の展開次第では為替がどちらにも大きく動く可能性を秘めています。来週月曜日の午前中にはフランスの大統領選の結果は判明すると見られますが、北朝鮮を巡る問題は、にらみ合いが続きそうです。

ドル円は日足の「200日移動平均線」をザラ場では下抜けしたものの、引け値ベースではまだ抜け切れていません。このまま上昇し109円台を固める動きになれば、結果的に「200日線」にサポートされたことになりますが、現時点ではまだ判断できません。本日はそれほど重要な経済指標もなく、朝鮮半島の動きと、フランス大統領選の支持率の変化に目を向けることになります。ユーロが対ドルでも、対円でもやや反転の兆しを見せている一方、豪ドルは軟調な動きになっています。オーストラリアの労働市場の不透明さが豪ドル売りを誘っていると見られます。本日のドル円は108円30銭〜109円30銭程度と予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
3/24 ダドリー・NY連銀総裁 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 --------
3/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 --------
3/28 フィッシャー・FRB副議長 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台前半から111円台に上昇
3/30 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「経済データ次第では、もしかしたら今年4回の利上げか適切となるかもしれない」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円上昇の一因に
3/30 ダドリー・NY連銀総裁 「中長期的に経済成長とインフレ率へのリスクは上振れしている公算があると見られる」講演で。 ドル円上昇の一因に
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
4/17 ムニューチン・財務長官 「長期的に見てド強いドルは良いことだ」FT紙とのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円台に
4/17 ペンス・米副大統領 「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」韓国での記者会見で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和