今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年4月21日(金) 「ドル円米財務長官発言で上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ムニューチン財務長官が、税制改革は近く発表できると発言したことで株価と金利が上昇。ドル円はこれを手がかりに、109円台を回復し、109円49銭までドル高が進む。
  • ユーロドルは続伸。1.07台で推移し、1.0777まで買われたが、ドル高が進み1.0711まで売られる場面も。
  • 株式市場は大幅に反発。ムニューチン財務長官の発言を受け、多くの銘柄が買い物を集める。ダウは一時200ドルを超える上昇を見せたが、引けでは前日比174ドル高。
  • 債券相場は続落。米財務長官発言やフランス大統領選でマクロン氏の支持率が上昇したとの報道が手がかり。長期金利は2.23%台に上昇。
  • 金は小幅に反発し、原油価格も続落。
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 新規失業保険申請件数 → 24.4万件
 3月景気先行指標総合指数 → 0.4%
 4月フィラデルフィア連銀景況指数 → 22.0
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ドル/円 108.99 〜 109.49
ユーロ/ドル 1.0715 〜 1.0777
ユーロ/円 117.11 〜 117.82
NYダウ +174.22 → 20,578.71ドル
GOLD +0.41 → 1,283.80ドル
WTI −0.17 → 50.27ドル
米10年国債 +0.018 → 2.232%

本日の注目イベント

  • 独 独4月製造業PMI(速報値)
  • 独 独4月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏4月総合PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏4月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏4月サービス業PMI(速報値)
  • 英 英3月小売売上高
  • 米 3月中古住宅販売件数
  • 米 企業決算 → GE
  • 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 加 カナダ3月消費者物価指数

今週前半には108円13銭近辺まで売られ、108円割れもあろうかという状況だったドル円は、昨日のNY市場では109円台半ばまで値を戻しやや安心感も広がっています。地政学的リスクや政治的リスクに加え、トランプ大統領の政策実行力にも疑問符が付くようになったことで、ドル売り円買いが活発になったことが背景でした。昨日はトランプ大統領の政策の柱の一つである「税制改革」に実現の見通しが出て、これが市場の雰囲気を好転させました。

ムニューチン米財務長官は昨日ワシントンの会合で、「ヘルスケア問題が片付くかどうかにかかわらず、われわれは税制改革をやり遂げるつもりだ。かなり早期に大規模な税制改革を打ち出せるだろう」と述べました。(ブルームバーグ)市場はこの発言に飛びついたところがありますが、気をつけなければいけないのが、英文では「by year’s end 」と記されていることで、「年末までには」と読めることです。今朝のこのニュースに関する記事では、かなり早期に発表されるとの印象ですが、年末までずれ込むこともあり得るということは頭に入れて置きたいところです。

ドル円は109円台半ばまで上昇したことで「1時間足」では200時間の移動平均線を越えて来ました。この移動平均線が今度は「サポート」になるとすれば、109円15−17銭あたりが下値のメドとなり、それほど下げないとう見方もできますが、日曜日にはフランス大統領選を控えているだけに、予断は許しません。世論調査では、マクロン候補の支持率が24%に上昇し、決戦投票ではルペン候補に勝利するとの予想ですが、一方ではシャンゼリゼ通りで発砲があり、警察官一人が亡くなっているなど、不穏な中での大統領選です。何が起きるか分からないと言う意味では、われわれは昨年「2度も経験」しているわけです。無理をせずに、高みの見物でもいいと思います。「ブラックスワン」を観ることがないとしても、ドル円は110円台後半からは上値が重いと見ていますが、どうでしょう。本日のレンジは108円80銭〜109円80銭程度と予想します。


今度の日曜日にはフランスで第一回大統領選が行われます。マクロン氏かルペン氏が注目されていますが、メランション氏の支持率も上昇中との情報もあります。パリの高級ホテル「リッツ」の近くでレストランを経営するフィリップ・マルケ氏は「メランション氏が勝利するならフランスから出て行くという客はいるし、私もいずれか考えなくてはならないだとう」と、ブルムバーグのインタビューで答えています。「BREXIT」に続く、「FREXIT」はあるのか?月曜日の午前中にはその答えが分かります。良い週末を・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
3/24 ダドリー・NY連銀総裁 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 --------
3/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 --------
3/28 フィッシャー・FRB副議長 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台前半から111円台に上昇
3/30 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「経済データ次第では、もしかしたら今年4回の利上げか適切となるかもしれない」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円上昇の一因に
3/30 ダドリー・NY連銀総裁 「中長期的に経済成長とインフレ率へのリスクは上振れしている公算があると見られる」講演で。 ドル円上昇の一因に
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
4/17 ムニューチン・財務長官 「長期的に見てド強いドルは良いことだ」FT紙とのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円台に
4/17 ペンス・米副大統領 「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」韓国での記者会見で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和