今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年4月28日(金) 「ECBフォワードガイダンス示さず」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は111円台でもみ合い。日銀会合では緩和政策の長期化が確認されたことで111円60銭までドル高が進む。ただ、経済指標が不調だったことから111円05銭まで売られたが、こちらも勢いはなく、111円20−30銭で引ける。
  • ドラギ総裁は経済成長の改善は認めたものの、物価上昇力が弱いとの認識を示したため、ユーロドルは下落。1.0852まで小幅にドル高ユーロ安が進行。
  • 株式市場は小動き。ダウはほぼ変わらず、ナスダックは続伸。
  • 債券市場は続伸。暫定予算の期限切れが意識され、債券に資金が流れる。長期金利は2.3%をわずかに割り込む水準に。
  • 金は続伸し、原油は49ドル台を割り込む。
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 3月耐久財受注 → 0.7%
 新規失業保険申請件数 → 25.7万件
 3月中古住宅販売成約指数 → −0.8%
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ドル/円 111.05 〜 111.60
ユーロ/ドル 1.0852 〜 1.0933
ユーロ/円 120.61 〜 121.89
NYダウ +6.24 → 20,981.33ドル
GOLD +1.70 → 1,265.90ドル
WTI −0.65 → 48.97ドル
米10年国債 −0.009 → 2.295%

本日の注目イベント

  • 豪 豪第1四半期生産者物価指数
  • 日 3月消費者物価指数
  • 日 3月失業率
  • 日 3月鉱工業生産
  • 欧 ユーロ圏4月消費者物価指数(速報値)
  • 英 英1−3月期GDP(速報値
  • 米 1−3月雇用コスト指数
  • 米 1−3月GDP(速報値)
  • 米 4月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 4月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
  • 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米 トランプ大統領、全米ライフル協会の年次総会で演説
  • 加 カナダ2月GDP

ドル円は111円台でしっかりとした動きを見せ、昨日は終日111円台を割り込む場面も見られませんでした。注目度の低くなっている日銀会合では、政策変更は当然なく、「展望リポート」では9年ぶりに景気判断を「緩やかな拡大に転じつつある」と上方修正しました。

大手コンビニ各社が商品の値下げに踏み切り、イオンも多くの生活用品を値下げしています。デフレからの脱却どころか、デフレへの回帰といった印象があります。実際の生活面からして景気の「拡大」を感じる人はそう多くはないと思われますが、どうでしょうか。

ECBは理事会で政策据え置きを決め、記者会見の席でドラギ総裁は「成長が改善しているのは事実で、状況はますます良くなっている」としながらも「基調的な物価上昇圧力は依然として弱く、確信できるような上昇トレンドが見られていない」との認識を示しました。市場の一部には今回の会合で、将来のテーパリングを示唆する「フォワードガイダンス」があるのではないかといった見方もありました。今週、ユーロドルが1.09台半ばまで急伸したのは、フランスの大統領選で安心感が広がったこともありますが、ECBの政策スタンスの変化を先読みした部分もあったものと思われます。

今週はフランス大統領選をきっかけに、月曜日から「窓あけ」を見せ、円は主要通貨に対して大きく売られました。ドル円も111円台後半まで円安が進み、前の週とは市場センチメントが大きく異なります。ただ、それでもリスクという観点から見た状況はそれほど変わってはいないと思います。フランス大統領選ではマクロン候補が決戦投票では圧勝するとの見方でしたが、同候補が、有名レストランで「祝勝会」を開いたことに批判の声が上がっており、一方のルペン候補は国民戦線の代表を辞任すると共に、支持率を伸ばすため精力的に選挙運動を行っていると報じられています。マクロン候補が勝利する確立は高いと思われますが、最後まで分かりません。

北朝鮮問題に関しては言うまでもありません。米国の戦力が朝鮮半島付近に集結し、一触即発の状況です。昨日はホワイトハウスに上院議員100名を集め、北朝鮮への圧力をさらに強めた格好です。米国から先制攻撃を仕掛けることはないと思いますが、一方で北朝鮮が何らかの軍事行動を起こせば、米国は直ちに応酬する準備は整っています。もちろん、中国を仲介役とした外交的な解決の可能性もあると思いますが、果たして、キム・ジョンウン政権がそのような柔軟な姿勢を見せるでしょうか。懐疑的にならざるを得ません。

本日のドル円は110円70銭〜111円70銭程度を予想しますが、米GDPの結果次第ではどちらにも抜ける可能性はあります。ただ上記レンジを抜けても上値は112円台前半程度ではないかと思います。やはり下方リスクの方が大きいと予想します。


世界で最もチーズの生産量が多い国はどこでしょう?フランス、イタリア・・・それともオランダ?答えは、米国です。米国はフランスの2.6倍、イタリアの4.3倍のチーズを生産しています。(いずれも2015年度データ)では、米国ではどこの州でそれだけのチーズが生産されているのでしょう。2位はカリフォルニア州で、1位はウィスコンシン州です。ウィスコンシン州の生産量だけでもイタリアより上です。米国は、意外にもかなりの「酪農国」だったわけです。なるほど、だからトランプ大統領は今月25日にツイッターで「カナダは米ウィスコンシン州など国境に接する各州で酪農農家のビジネスを非常に難しくしてきた。これを容認するわけにはいかない。見ていろ!」とつぶやいたのですね。よい週末を・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
3/24 ダドリー・NY連銀総裁 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 --------
3/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 --------
3/28 フィッシャー・FRB副議長 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台前半から111円台に上昇
3/30 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「経済データ次第では、もしかしたら今年4回の利上げか適切となるかもしれない」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円上昇の一因に
3/30 ダドリー・NY連銀総裁 「中長期的に経済成長とインフレ率へのリスクは上振れしている公算があると見られる」講演で。 ドル円上昇の一因に
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
4/17 ムニューチン・財務長官 「長期的に見てド強いドルは良いことだ」FT紙とのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円台に
4/17 ペンス・米副大統領 「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」韓国での記者会見で。 --------
4/27 ドラギ・ECB総裁 「成長が改善しているのは事実で、状況はますます良くなっている」「基調的な物価上昇圧力は依然として弱く、確信できるような上昇トレンドが見られていない」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロドル下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和