今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年5月2日(火) 「ドル円112円に迫る」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は続伸し、112円目前までドル高が進む。昨日の東京時間に、歳出法案で暫定合意し、米政府機関閉鎖が回避される見通しとなったことでドル買いが進んだ。
  • ユーロドルは前日とほぼ同じレンジで推移。ドル円が上昇した分、ユーロ円は122円台までユーロ高が進行。
  • 株式市場はまちまち。暫定予算で合意したことで楽観的なムードだったが、ダウは27ドル下落。一方ナスダックは43ポイント上昇し、最高値を更新。
  • 債券相場は反落。ムニューシン財務長官が超長期債への言及を行ったことが売りにつながった。長期金利は2.31%台へ上昇。
  • 金は反落し、原油価格も反落し48ドル台に。
************************
3月個人所得       → +0.2%
3月個人支出       →  0.0%
3月PCEコアデフレータ → +1.6%
4月ISM製造業景況指数 →  54.8
************************
ドル/円 111.43 〜 111.93
ユーロ/ドル 1.0897 〜 1.0923
ユーロ/円 121.69 〜 122.09
NYダウ −27.05 → 20,913.46ドル
GOLD −12.80 → 1,255.50ドル
WTI −0.49 → 48.84ドル
米10年国債 +0.038 → 2.318%

本日の注目イベント

  • 豪   RBA、キャッシュターゲット
  • 日   日銀金融政策決定会合、議事要旨(3月15日、16日分)
  • 英   英4月製造業PMI
  • 中   中国 4月財新製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏4月製造業PMI(改定値)
  • 欧   ユーロ圏3月失業率
  • 米   FOMC(3日まで)
  • 米   企業決算 → ファイザー、マスターカード、アップル

ドル円は111円70銭前後の「ダブルトップ」を抜き、111円93銭辺りまで上昇しました。クロス円が軒並み上昇していることで、「ドル高」というよりも「円安」が進んだと考えられます。ユーロ円は122円台、豪ドル円も再び84円台まで上昇しています。

フランス大統領選で、決戦投票ではマクロン候補が有利と見られていますが、下駄を履くまで分かりません。また、北朝鮮問題では引き続き、にらみ合いが続いており、北朝鮮の出方次第という状況です。ただトランプ大統領も柔軟な姿勢を見せ、「キム・ジョンウンは賢い人だ」と語り、同氏との会談にも前向きだと述べています。この発言で、ボールは北朝鮮側に投げられ、北朝鮮がそのボールをどのように投げ返してくるのかが焦点になります。

このようは柔軟な姿勢がややリスクオフを後退させているとも見られますが、市場は6月の利上げを意識し始めており、これがドル買いにつながっている部分が大きいと考えられます。本日からFOMCは始まりますが、今回の会合は声明文には注目が集まる程度で、利上げに関しては「ノーマーク」と見ていいと思います。一方6月の利上げに関しては、金利先物市場が折り込む確立は、直近で69.7%です。また9月の確率でも84.3%まで上昇しています。

ここから判断できることは、よほど大規模な戦争にならない限り、FRBは粛々と利上げを実施していくと、市場は見ていることになります。米経済データはこのところ弱含んでいます。2月、3月の雇用者数の下振れや、先週のGDP。さらに昨日発表されたISM非製造業景況指数も予想を下回っており、いわゆるハードの部分では景気の減速傾向を示しています。それだけに、今週末の4月の雇用統計が一段と注目されます。

リスクオフの流れがやや後退したことで円売りがじわじわと進んでいますが、早ければ今日の東京タイムにも112円台乗せはあろうかと思います。ただそれでもこの水準から一段とドル高が進む状況ではないと思っていますが、急転直下、トランプ・キム会談でも決まるようなら115円を目指すことになるかもしれません。これまでのキム総書記の言動から考えると、その可能性は低いとは思いますが、市場の流れがリスクオンに傾きつつある中、その可能性を全く排除できないのも事実です。

本日のドル円は111円30銭〜112円30銭程度を予想しますが、仮に112円台に乗せれば、3月末以来の水準となります。連休前ということもあり輸出企業からのドル売り注文も集まり易いレベルであることにも注意が必要です。

私が長年開催しているセミナーを通して発見した、初心者が陥りやすい間違えや、理解しにくいことなどを分かりやすくまとめた、一冊の本が出版されました。
より多くの投資家の方々にFXで成功してもらいたい!そんな思いを込めて書かせていただきました。セミナーに参加された方も、そうでない方もぜひ一度読んでみてください。

●タイトル:チャートがしっかり読めるようになるFX入門 ●出版社: 翔泳社
●著者:佐藤正和 ●160ページフルカラー ●定価:1,300円+税

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
3/24 ダドリー・NY連銀総裁 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 --------
3/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 --------
3/28 フィッシャー・FRB副議長 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台前半から111円台に上昇
3/30 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「経済データ次第では、もしかしたら今年4回の利上げか適切となるかもしれない」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円上昇の一因に
3/30 ダドリー・NY連銀総裁 「中長期的に経済成長とインフレ率へのリスクは上振れしている公算があると見られる」講演で。 ドル円上昇の一因に
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
4/17 ムニューチン・財務長官 「長期的に見てド強いドルは良いことだ」FT紙とのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円台に
4/17 ペンス・米副大統領 「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」韓国での記者会見で。 --------
4/27 ドラギ・ECB総裁 「成長が改善しているのは事実で、状況はますます良くなっている」「基調的な物価上昇圧力は依然として弱く、確信できるような上昇トレンドが見られていない」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロドル下落
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和