今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年5月10日(水) 「ドル円114円台前半から反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は連日高値を切り上げ、NY市場では114円32銭までドル高が進む。午後には北朝鮮の核実験計画の情報が伝わり、113円台後半まで下げたが、114円近辺まで値を戻して引ける。
  • ユーロドルでもドル高の流れが進み、一時は1.0864までユーロ安ドル高に。仏大統領選を通過し、ロングポジションの解消が進んでいるとの声も。
  • 株式市場は総じて下落。ダウは反落し36ドル安ながら、ナスダックは17ポイント上昇。
  • 債券相場は小幅に下落。3年債入札がやや不調だったことで売られたが、北朝鮮の核実験報道で小幅に持ち直す。
  • 金は反落し1216ドル台に。原油も売られ45ドル台に。
ドル/円 113.77 〜 114.32
ユーロ/ドル 1.0864 〜 1.0907
ユーロ/円 123.74 〜 124.54
NYダウ −36.50 → 20,975.78ドル
GOLD −11.00 → 1,216.50ドル
WTI −0.55 → 45.88ドル
米10年国債 +0.011 → 2.398%

本日の注目イベント

  • 中 中国 4月消費者物価指数
  • 欧 ドラギ・ECB総裁講演
  • 米 4月財政収支
  • 米 週間原油在庫

今週に入りドル円は112円台から114円台へと、連日大台を切り上げています。昨日のNY市場では114円32銭までドルが買われ、いよいよ115円も視野に入ってきた状況です。ドル円を取り巻く環境はそれほど円売りを強める状況ではないと思えますが、テクニカルでは「週足」までがドル上昇を示唆する形になっています。

仏大統領選では予想通りの結果が出て、北朝鮮問題では軍事衝突は避けられそうな見通しも出ており、これらは円売り材料にはなりますが、NY株式市場や債券市場から見ると、それほどリスクオンに傾いたとは見えません。昨日のNY市場の午後には駐英北朝鮮大使が、北朝鮮は6回目の核実験を実施すると述べたと、英スカイが伝えました。この報道でドル円は50銭ほど円高に振れる場面もありました。

英スカイが伝えた同大使の発言によると「実験が実施される場所と時間は金正恩氏が決める」とし、「米国はわが国を先制攻撃できない。米国が少しでも動けば、われわれは米国のあらゆる利用可能な戦略的資産を灰にする用意がある」と、あいかわらず挑発的な言葉を使っています。これに対して今のところ米国側は特に反応してはいないようですが、トランプ大統領は既にボールを北朝鮮側に投げており、今回の発言がそれに対する公式な回答であれば、トランプ氏が動く可能性もないとは言えません。

上述のように、積極的にドル円を買う理由は見つけにくいものの、115円が見えてくる水準までドル高が進みました。ショートカバーの買いや、6月利上げを見越したドル買いだとの説明もありますが、定かではありません。振り返れば、昨年12月15日のトランプラリーで記録した118円66銭から、先月17日には108円13銭までドル安が進みました。この間の下げ幅の「半値戻し」は既に達成しており、昨日は「61.8%戻し」のレベルを試しに行ったと思われます。この水準は114円64銭ということになり、今回のテストではひとまず失敗しています。

NYでは114円台でクローズしたドル円は、今朝は113円70銭台を下回る水準まで下落しています。再び110−115円のレンジに戻ってきたドル円ですが、このまま上昇するのかという点については、まだ半信半疑です。テクニカルに忠実に動くとすれば、押し目買いということになります。本日のレンジは113円30銭〜114円30銭程度と見ます。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
4/17 ムニューチン・財務長官 「長期的に見てド強いドルは良いことだ」FT紙とのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円台に
4/17 ペンス・米副大統領 「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」韓国での記者会見で。 --------
4/27 ドラギ・ECB総裁 「成長が改善しているのは事実で、状況はますます良くなっている」「基調的な物価上昇圧力は依然として弱く、確信できるような上昇トレンドが見られていない」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロドル下落
5/4 FOMC声明文 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 ドル円112円台から113円台に
5/8 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和