今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年5月12日(金) 「ドル円米金利低下で小反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は底堅い動きを見せたものの114円台前半が抜け切れず反落。NYダウが100ドルを超える下落を演じた中、113円45銭までドル売りが進んだが、113円台後半まで反発して引ける。
  • ユーロドルは方向感もなく、前日と同水準で推移。1.08台半ばを挟む展開で動意も乏しい。
  • 株式市場は揃って下落。ダウは3日続落し、小売セクターの下げが目立った。
  • 債券相場は反発、株安から債券への需要が高まり小幅ながら上昇。長期金利は2.38%台へと低下。
  • ドル安が進み金は続伸。原油価格も続伸し、47ドル台後半に。
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 新規失業保険申請件数 → 23.6万件
 4月生産者物価指数 → +0.5%
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ドル/円 113.45 〜 114.12
ユーロ/ドル 1.0839 〜 1.0875
ユーロ/円 123.31 〜 123.92
NYダウ −23.69 → 20,919.42ドル
GOLD +5.30 → 1,224.20ドル
WTI +0.50 → 47.83ドル
米10年国債 −0.019 → 2.387%

本日の注目イベント

  • 独 独1−3月期GDP(速報値)
  • 欧 ユーロ圏3月鉱工業生産
  • 米 4月消費者物価指数
  • 米 4月小売売上高
  • 米 5月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

前日米長期金利の上昇を手掛かりに114円38銭まで買われたドル円でしたが、昨日は反対に、長期金利が下落したことや軟調なNY株が引き金となって一時は113円45銭までドル売りが進む場面もありました。115円をテストするにはやはり材料不足とみえて、市場は次の材料を模索している状況です。

ドルが売られたと言っても113円台半ばから後半までで、積極的にドル売りを積み上げる様子でもありません。米利上げ回数の上振れ期待がドルを支える構図になっていますが、これも実際のところ、今後の経済データを見極める必要があります。投資家の多くも目先のドルの上昇は115円程度と見て、ある程度利益確定の売りも出し、回転をきかせているように見受けられます。

1.10台まで急騰したユーロドルはその後調整局面が続いています。ドラギ総裁は依然として景気の先行きには慎重な姿勢を崩してはおらず、量的緩和の縮小は時期尚早との立場を維持しています。ECBの政策について、昨日はコンスタンシオ副総裁がコメントしています。副総裁は「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」と述べ、ドラギ総裁と歩調を合わせる発言を行いました。また「われわれは12月まで現在の政策を続ける意思を明らかにしている。これは次の行動を秋までに決定しなければならないことを自動的に意味する」とも発言しており、次回6月の会合での政策変更はないことに言及しました。ただ市場の見方は来月にも、どこかのタイミングで「フォワードガイダンス」的なメッセージがあるのではないかといった観測は根強く残っています。

昨日の日経平均株価は、あと40円から50円で2万円の大台に届くところまで上昇しましたが、結局2万円の大台は達成できませんでした。「近いようで遠い2万円」、「薄いようで厚い壁」ということが言えそうですが、個人的には余程のネガティブな材料が出てこないかぎり、達成は「時間の問題」と考えています。昨日のトヨタは例外でしたが、多くの企業が最高益を更新する決算を発表しているからです。仮に日経平均株価が2万円の大台を越えて、もう少し上値を伸ばすとすればドル円の下値もおのずから限られてきます。NYダウが買われ過ぎとの指摘もありますが、目先のメインシナリオはこのようなものだと考えています。

本日はさすがにドルの上昇は一服かと思われます。予想レンジは113円30銭〜114円30銭程度と見ます。


企業の決算発表が相次ぎ、もうすぐ各社の株主総会も開催されます。世界で最も注目を集める株主総会をご存知ですか?毎年5月に、米国ネブラスカ州で行われる株主総会です。オマハの賢人、ウォーレンバフェット率いるバークシャー・ハザウェー社の株主総会が今年も行われ、18000人がつめかけたそうです。実際には「賢人の声」を聴きたくて、4万人以上の中から抽選で選ばれた株主です。バフェット氏も今年で86歳と高齢で、そのことを意識したこともあり今年はこんなメッセージを贈っています。「私が死んだとしても、明日の株価は上昇するだろう」バフェット氏と副会長のチャールズ・マンガー氏(93歳)が退任後にバークシャー株が下落した場合、同社が自社株買いを行うのかという株主の質問に答えたものだそうです。(出所:ブルームバーグ)因みに、同社の直近のキャッシュポジションは1000億ドル(約11兆円)あるそうです。理論上は、日本で最大の時価総額をほこるトヨタの全株式をほぼ現金で買えることになります。良い週末を・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
4/17 ムニューチン・財務長官 「長期的に見てド強いドルは良いことだ」FT紙とのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円台に
4/17 ペンス・米副大統領 「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」韓国での記者会見で。 --------
4/27 ドラギ・ECB総裁 「成長が改善しているのは事実で、状況はますます良くなっている」「基調的な物価上昇圧力は依然として弱く、確信できるような上昇トレンドが見られていない」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロドル下落
5/4 FOMC声明文 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 ドル円112円台から113円台に
5/8 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
5/10 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 ドル円上昇し、114円台に
5/11 コンスタンシオ・ECB副総裁 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和