今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年5月16日(火) 「ユーロ円1年ぶりに125円に迫る」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は小幅に上昇し113円85銭までドル高に。米金利の上昇や株高から円売りがやや強まった。
  • ユーロドルは続伸。ドイツの州議会選挙で、メルケル首相率いるキリスト教民同盟(CDU)が勝利したことを好感し、1.0989まで買われる。
  • 株式市場は揃って上昇。金融やエネルギー株が買われ、ダウは5日ぶりに上昇し2万1000ドルに迫る。
  • 債券相場は続落。株価が上昇したことで債券には売りものが増える。長期金利は2.34%台へと小幅に上昇。
  • 金は続伸。原油価格はサウジとロシアが減産延長で合意したことから大幅に続伸し、一時は49ドル台まで買われる。
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 5月NY連銀製造業景気指数 → −1.00
 5月NAHB住宅市場指数 → 70
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ドル/円 113.26 〜 113.85
ユーロ/ドル 1.0966 〜 1.0989
ユーロ/円 124.33 〜 124.92
NYダウ +85.33 → 20,981.94ドル
GOLD +2.30 → 1,230.00ドル
WTI +1.01 → 48.85ドル
米10年国債 +0.018 → 2.343%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA議事録
  • 独 独5月ZEW景況感指数
  • 欧 ユーロ圏1−3月期GDP(改定値)
  • 欧 ユーロ圏3月貿易収支
  • 英 英4月消費者物価指数
  • 米 4月住宅着工件数
  • 米 4月建設許可件数
  • 米 4月設備稼働率
  • 米 4月鉱工業生産

ユーロドルが再び上昇力を強め、昨日の海外市場では1.0990に迫る水準まで買われ、ユーロ買い・ドル売りの流れが加速しました。一方ドル円では、上値が重そうに見えていたものの上昇し、113円85銭までドル高・円安が進んでいます。この結果、明らかにユーロ円の買いが大きく市場に持ち込まれたものと判断できます。

ドルに対する方向感がはっきりしない中、量的緩和の縮小が近い上に、政治的安定が強まったユーロと、引き続き出口戦略は時期尚早と口をそろえる日銀執行部との、金融政策に対するスタンスの差に着目した取引が相場を動かした形でした。ユーロ円は一時124円92銭近辺まで上昇し、実に昨年4月28日以来となるユーロ高を記録しています。

米経済指標の明るい兆候はまだ見えて来ません。昨日発表された5月のNY連銀製造業景況指数は「−1.0」と、市場予想の「7.5」を大きく下回る結果になりました。同指数がマイナスに沈むのは昨年10月以来7カ月ぶりのことになります。今年第一四半期の景気の低迷は一時的な可能性が高いとFOMC声明文で強気のコメントが出されましたが、それを検証する意味でNY連銀製造業景況指数は注目されていましたが、出だしから出鼻をくじかれた格好になりました。

ドル円は上昇したものの、「1時間足」では雲の出口に上昇を抑えられています。チャートを見ると、昨日のNY市場の後場は、ほぼこの雲抜けをテストして押し戻された格好です。もっとも、現在雲の中で推移しているため、今後どちらに抜けるかは判断できません。敢えて言えば、MACDではプラス圏に入っているため、上昇目線で見て置いた方がいいのかもしれません。さらに言えば、下値は113円20銭前後でサポートされ、上値は113円80−90銭近辺で押さえられる展開になっています。ドル円がこのように方向感が掴めないため、上述のようにユーロ円を手がける投資家も出てきたのではないかと思います。

因みにユーロ円は「週足」までのチャートでは全て強気のサインが点灯しています。上値のメドは「120週移動平均線」がある、125円70銭辺りかと思われますが、もしこの水準を達成すれば、2015年8月以来と言うことになります。6月のECB理事会で何らかの政策変更があると、市場が読んでいることを物語っています。本日のドル円は113−114円程度と予想しますが、このところの東京タイムは値幅も少なく、目立った動きがありません。変動の多くは海外市場で見られることから「主戦場」は17時以降と言うことになります。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
4/17 ムニューチン・財務長官 「長期的に見てド強いドルは良いことだ」FT紙とのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円台に
4/17 ペンス・米副大統領 「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」韓国での記者会見で。 --------
4/27 ドラギ・ECB総裁 「成長が改善しているのは事実で、状況はますます良くなっている」「基調的な物価上昇圧力は依然として弱く、確信できるような上昇トレンドが見られていない」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロドル下落
5/4 FOMC声明文 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 ドル円112円台から113円台に
5/8 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
5/10 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 ドル円上昇し、114円台に
5/11 コンスタンシオ・ECB副総裁 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和