今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年5月19日(金) 「ドル円111円台後半まで反発」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京市場では110円台半ばが底堅かったものの、欧州市場では110円24銭までドル安が進む。NY市場に入ると、良好な経済指標が支援材料となり、111円74銭までドルが反発し、111円台半ばで取引を終える。
  • ユーロドルは1.1138まで買われたものの、ドルが上昇したことで、1.11台を割り込む。
  • 株式市場は反発。政治的リスクは存在するものの、フィラデルフィア連銀製造業景況指数などの経済データが上振れしたことで下値不安が後退。ダウは一時150ドルを超えたものの、引け値では56ドル高。
  • 債券相場は上昇したものの引けでは小幅安。長期金利もほぼ変わらずの2.22%台に。
  • 金は反落し、原油は小幅高。
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 新規失業保険申請件数 → 23.2万件
 5月フィラデルフィア連銀景況指数 → 38.8
 4月景気先行指標総合指数 → 0.3%
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ドル/円 110.48 〜 111.74
ユーロ/ドル 1.1075 〜 1.1138
ユーロ/円 122.94 〜 123.88
NYダウ +56.09 → 20,663.02
GOLD −5.90 → 1,252.80ドル
WTI +0.28 → 49.35ドル
米10年国債 +0.005 → 2.229%

本日の注目イベント

  • 独 独4月生産者物価指数
  • 欧 ユーロ圏5月消費者信頼感(速報値)
  • 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
  • 加 カナダ4月消費者物価指数
  • 加 カナダ3月小売売上高

前日、NYダウが372ドル下落という大幅安に終わったことから、昨日は日経平均がどこまで下げるのかに注目していました。ザラ場では300円を大きく上回る下げを見せたものの、引け値では前日比261円安と、比較的軽めの下げで取引を終えました。そのこともあり、ドル円は110円台半ばを試したものの底堅く、株価が下落幅を縮めると、111円台前半までドルが買われる場面もありました。

しかし欧州市場に入ると、トランプ大統領の「弾劾」や「辞任」が意識され、再びドル売りが強まり、110円24銭近辺までドル安が進みましたが、NYではフィラデルフィア連銀製造業景況指数が「18.5」の予想に対して、「38.8」と大きく上振れたことからドル買いが強まり、111円74銭まで上昇する荒っぽい動きでした。またクリーブランド連銀のメスター総裁が、金融緩和縮小に触れたこともドルの支援材料になったようです。

政権の維持そのものが不透明になってきたトランプ大統領はツイッターで「史上最大の魔女狩りだ」とつぶやくと同時に、声明では「何回も述べたように、私の陣営と外国機関による共謀はなかったという既知の事実が、徹底的な捜査によって確認されるだろう」と述べています。米司法省は、この捜査を監督する特別検査官にミューラー元FBI長官を任命しています。(ブルームバーグ)

ドル円は110円割れをひとまず回避できたことで、110−115円のレンジもしくは、110−113円のレンジが形成されると予想しています。昨日発表された失業保険申請件数も良好でしたが、まだ全体的には良い指標と悪い指標が混在している状況です。引き続き今後の経済データを確認していく必要がありますが、トランプ政権に大きな衝撃がなければ6月利上げは動かないと思われ、注意すべきは利上げ後の「次の利上げのタイミング」です。今年3回目の利上げが9月と見込まれるようだと、ドル高材料になることも予想されます。

111円74銭まで反発したドル円は、「1時間足」の雲の入り口で上昇を抑えられた形になっています。本日の日本株が堅調な動きを見せるようだと、再び111円70−80銭レベルを試す可能性があります。その雲を上抜けするには112円台にしっかりと乗せる必要がありますが、昨日110円台の前半を試した後だけに、一気に112円台回復は簡単ではないと思われます。予想レンジは110円90銭−112円程度でしょうか。引き続き「トランプリスク」が強まるのか、弱まるのかを意識しながらのトレードになります。


世界中で前例のない規模のサイバー攻撃が発生しています。身代金を要求する「ランサムウエア」という種類の攻撃ですが、驚いたことに、その身代金を「ビットコイン」で要求しています。「ビットコイン」もここまで認知されたのかと、ある意味驚きです。72時間以内にビットコインで要求された金額を支払わないと、コンピューターは永久にロックされるとのことです。ただ、ハッカーが身代金にビットコインを要求した理由は、従来型の支払いよりも追跡が困難なためとの見方もあるようですが。将来は、給料を円かビットコインのどちらかで受け取ることができるようになるかもしれません。良い週末を・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
4/17 ムニューチン・財務長官 「長期的に見てド強いドルは良いことだ」FT紙とのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円台に
4/17 ペンス・米副大統領 「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」韓国での記者会見で。 --------
4/27 ドラギ・ECB総裁 「成長が改善しているのは事実で、状況はますます良くなっている」「基調的な物価上昇圧力は依然として弱く、確信できるような上昇トレンドが見られていない」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロドル下落
5/4 FOMC声明文 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 ドル円112円台から113円台に
5/8 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
5/10 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 ドル円上昇し、114円台に
5/11 コンスタンシオ・ECB副総裁 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和