2017年5月23日(火) 「ユーロドル、メルケル発言を受け1.12台半ばへ」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小動きに終始。上値は重く、111円40銭で抑えられたが、下値も111円割れがあったものの限定的。
- ユーロドルは続伸し、連日で高値を切り上げる。メルケル独首相がユーロは弱すぎると発言したこともユーロ買いにつながり、1.1264までユーロ高が進む。
- 株式市場は3日続伸。サウジと米企業が投資合意に達したことや、原油価格が1カ月ぶりに高値を記録したことが背景。ダウは87ドル上昇し、先週の大幅安の9割程度を埋める。
- 債券相場はやや軟調となり続落。値動きも小幅なレンジで推移し、長期金利はやや上昇し、2.25%台で引ける。
- 金は続伸。原油価格は9カ月の減産延長観測から続伸。
| ドル/円 | 110.93 〜 111.40 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1229 〜 1.1264 |
| ユーロ/円 | 124.72 〜 125.26 |
| NYダウ | +89.99 → 20,894.83 |
| GOLD | +7.80 → 1,261.40ドル |
| WTI | +0.40 → 50.73ドル |
| 米10年国債 | +0.019 → 2.254% |
本日の注目イベント
- 独 独5月製造業PMI(速報値)
- 独 独5月サービス業PMI(速報値)
- 独 独1−3月期GDP(改定値)
- 独 独5月ifo景況感指数
- 欧 ユーロ圏5月総合PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏5月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏5月サービス業PMI(速報値)
- 英 英4月財政収支
- 米 4月新築住宅販売件数
- 米 下院歳入委員会、税制改革で公聴会
- 米 予算教書発表
- 米 5月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
ユーロドルが1.1264まで上昇し、半年ぶりの高値をつけました。金融緩和縮小が予想される中、昨日はドイツのメルケル首相が「ユーロは弱すぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている。従って、ドイツ製品はよく売れている」と述べたことが上昇に弾みを付けました。
メルケル首相はユーロ安が同国の貿易収支を黒字にしている一因だと指摘しました。また、フランスとの関係については「政権の成功に向けて支援しなければならない」とも語っており、さらにフランスに対する貿易黒字を減らす方法について「フォルクスワーゲンではなく、ルノーを買うよう国民に強制することはできない」とも語っています。(ブルーバーグ)この認識はブンデスバンク(ドイツ連銀)と足並みを揃えており、ECBのドラギ総裁にもじわじわと政策変更を促す圧力となっています。
ドル円はやや上値を切り下げています。トランプ大統領の「ロシアゲート」問題が不透明な上、北朝鮮との緊張も依然として高まったままです。加えて、このところのユーロ高による影響もあるもしれません。ユーロドルの上昇は、「ドル売り・ユーロ買い」であることから、ドル円でも「ドル売り・円買い」につながり易いという状況になります。ユーロドルだけ上昇し、ドル円が動かないとすると、ユーロ円が大きく上昇することになります。
このようにドル円の上値は重くなっていますが、現時点では下値のほうも限定的です。先週大幅な下落を見せた株価がその後安定していることと、堅調な原油価格が相場を支えている形です。WTI原油価格は4日続伸し、51ドルに迫る水準まで買われています。25日からウイーンで始まるOPEC総会を前に昨日サウジアラビアが、減産に参加している全産油国が2018年第1四半期末までの減産延長で合意したと発表したことで、供給過剰シナリオの修正に向けて減産が何らかの影響を及ぼすとの楽観的な見方が強まったことが相場を押し上げました。
米長期金利が低位安定していることもドル円の上値を抑えていますが、この背景も上述のように、トランプリスクと北朝鮮リスクを意識したものです。従って、短期的なドル円の動きはやや下値目線で見て置くほうがよさそうな気がします。メドとしては、110円台半ばから、先週記録した110円24銭辺りが意識されます。大きくは110円という大台が維持できるかどうかでしょう。本日の予想レンジは110円50銭〜111円50銭程度と見ます。

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What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/3 | マクロン・前経済相 | 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 | -------- |
| 4/5 | FOMC議事録 | 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 | ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。 |
| 4/10 | イエレン・FRB議長 | 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 | -------- |
| 4/12 | トランプ大統領 | 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 | ドル円109円台後半から108円台後半へ。 |
| 4/17 | ムニューチン・財務長官 | 「長期的に見てド強いドルは良いことだ」FT紙とのインタビューで。 | ドル円108円台半ばから109円台に |
| 4/17 | ペンス・米副大統領 | 「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」韓国での記者会見で。 | -------- |
| 4/27 | ドラギ・ECB総裁 | 「成長が改善しているのは事実で、状況はますます良くなっている」「基調的な物価上昇圧力は依然として弱く、確信できるような上昇トレンドが見られていない」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 | ユーロドル下落 |
| 5/4 | FOMC声明文 | 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 | ドル円112円台から113円台に |
| 5/8 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 5/10 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 | ドル円上昇し、114円台に |
| 5/11 | コンスタンシオ・ECB副総裁 | 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 | -------- |
| 5/22 | メルケル・独首相 | 「ユーロは弱すぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている。従って、ドイツ製品はよく売れている」 | ユーロドル1.11台後半から1.1264まで上昇 |



