今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年5月24日(水) 「ドル円反発し111円台後半に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はしっかり。経済指標は良くなかったものの長期金利が上昇したことや、株価も堅調だったことからリスクをとる流れが円売りにつながった。111円86銭までドル高が進み、高値圏で引ける。
  • ユーロドルは反落。ドル高が進んだことで1.11を割り込み、1.10台後半中心の動きに。
  • 株式市場は4日続伸。欧州市場での株高を好感し、ダウは43ドル高と、先週急落した際の下げ幅をほぼ埋める。
  • 債券相場は続落。財務省短期証券入札が軟調だったことで売りものが先行する展開に。長期金利は2.28%台へ上昇。
  • 金は3日ぶりに反落。原油価格は続伸し51ドル台に乗せる。
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 4月新築住宅販売件数 → 56.9万件
 5月リッチモンド連銀製造業指数 → 1
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ドル/円 110.98 〜 111.86
ユーロ/ドル 1.1176 〜 1.1250
ユーロ/円 124.59 〜 125.27
NYダウ +43.08 → 20,937.91
GOLD −5.90 → 1,255.50ドル
WTI +0.34 → 51.47ドル
米10年国債 +0.026 → 2.280%

本日の注目イベント

  • 欧 ドラギ・ECB総裁講演
  • 米 3月FHFA住宅価格指数
  • 米 4月中古住宅販売件数
  • 米 FOMC議事録(5月2、3日分)
  • 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
  • 米 トランプ大統領、ローマ法王と会談
  • 加 カナダ中銀政策金利発表

昨日の東京時間からNYまでの動きを見ると、ドル円は111円台を何度か割り込んだものの、直ぐに111円台に戻し底堅い展開でした。北朝鮮との間で緊張の高まりが継続されていることと、トランプ大統領自身の疑惑が強まっているため、市場関係者の間には円の先高感が根強く残っていることで、110円台を試しにいったものと思われます。それでも昨日のNY市場では長期金利の上昇からドル円は111円台後半までドル高が進みました。

トランプ大統領が就任後初となる予算教書が公表されました。歳出を今後10年間で3兆6000億ドル(約400兆円)減らすとしており、低所得者向け医療保険制度や食料配給券(フードスタンプ)、さらには低所得者向け住宅の補助など、貧困層や障害者、農家などへのセーフティーネットを削減し、トランプ氏を大統領へと導いた地方労働者の多くに打撃を与える内容になりました、(ブルームバーグ)

今回も予算教書について、米行政管理予算局(OMB)のマルバニー局長は「これは納税者第一の予算だ」と述べていますが、一方でこの予算は議会で承認される必要があり、共和党のマコネル上院院内総務は、初期の予算案が「必ずしも共和党のもの」ではない優先事項を反映していると発言しています。果たして今後10年間でプライマリーバランスを均衡させることが出来るのかという見方が既に出ていますが、トランプ政権の公約である法人税減税や大規模なインフラ投資などの具体的な内容はまだ分かっていません。GDP3%達成に向けた工程表はまだまだ不透明です。

ドル円は111円台後半まで上昇してきましたが、これで112円台に乗せるようだと、110−115円、もしくは110−113円のレンジ取引の可能性が強まってきます。NY株式市場が一時の「ロシアゲート」ショックから立ち直りを見せてきたことで、日本株にもやや安心感が出てきそうです。米株高と円安から日経平均株価は上昇すると見られますが、その際にドル円が112円台を回復するかどうかが焦点になります。「1時間足」では「120時間線」にしっかりと支えられている形になっていますが、この上にある「200時間線」を抜けることができるかどうかにも注目です。このレベルは112円25銭近辺で、現在の値位置からするとそれほど遠くはありませんが、市場のセンチメントからすると、「近いようで遠い」気もします。

本日の予想レンジは111円30銭〜112円30銭程度と見ます。NY市場ではFOMC議事録が公表されますが、今回の声明文では「1−3月期の景気鈍化は一時的な可能性が高い」との判断を下しただけに米景気の先行きに予想を上回るような強い自信が明記されているようだと、ドル高に振れる可能性もあります。反対に政治的リスクにも言及があれば、ドルには弱い材料とみなされることになるかもしれません。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
4/5 FOMC議事録 「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる可能性が高いと判断した」 ドル円111円台半ばから110円台半ばへ。NYダウ高値から200ドルを超える下落。
4/10 イエレン・FRB議長 「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏むほどではない」講演で。 --------
4/12 トランプ大統領 「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」「中国は為替操作国ではない」 ドル円109円台後半から108円台後半へ。
4/17 ムニューチン・財務長官 「長期的に見てド強いドルは良いことだ」FT紙とのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円台に
4/17 ペンス・米副大統領 「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」韓国での記者会見で。 --------
4/27 ドラギ・ECB総裁 「成長が改善しているのは事実で、状況はますます良くなっている」「基調的な物価上昇圧力は依然として弱く、確信できるような上昇トレンドが見られていない」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロドル下落
5/4 FOMC声明文 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 ドル円112円台から113円台に
5/8 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
5/10 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 ドル円上昇し、114円台に
5/11 コンスタンシオ・ECB副総裁 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 --------
5/22 メルケル・独首相 「ユーロは弱すぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている。従って、ドイツ製品はよく売れている」 ユーロドル1.11台後半から1.1264まで上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和