2017年6月1日(木) 「ユーロドル再び1.12台半ばに」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 全般的にドルが売られる中、ドル円は111円台を回復することも出来ず、110円46銭まで下落。長期金利の低下が続き、トランプ政権への期待も徐々に剥落。
- ユーロは反発。ドイツ連銀総裁の発言もあり、金融政策変更への思惑から1.1252までユーロ高が進む。
- 株式市場は下落。JPモルガンがトレーディングでの減収を発表したことで銀行株が下落。ダウは20ドル下げ、その他主要指数も揃って下落。
- 債券相場は小幅に上昇したものの、ほぼ変わらず。長期金利は緩やかな下落が続き、2.20%台まで低下。
- ドルが売られたことで金は反発。原油価格はリビアの増産が伝えられ大幅に続落。
5月シカゴ購買部協会景気指数 → 59.4
4月中古住宅販売成約指数 → −1.3%
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| ドル/円 | 110.49 〜 110.91 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1211 〜 1.1252 |
| ユーロ/円 | 124.16 〜 124.59 |
| NYダウ | −20.82 → 21,008.65 |
| GOLD | +9.70 → 1,272.00ドル |
| WTI | −1.34 → 48.32ドル |
| 米10年国債 | −0.007 → 2.203% |
本日の注目イベント
- 豪 豪4月小売売上高
- 中 中国 5月財新製造業PMI
- 欧 ユーロ圏5月製造業PMI(改定値)
- 米 5月ADP雇用者数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 5月ISM製造業景況指数
- 米 パウエル・FRB理事講演
- 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
ドル安が緩やかに進んでいる印象です。NY市場では、ドル円は終始110円台で推移し、111円台に乗せることはありませんでした。ユーロドルも買われ、直近高値に迫る水準までドル安、ユーロ高が進んでいます。経済指標は強弱まちまちの結果が示され、トランプ大統領に解任されたコミー前FBI長官が議会公聴会で、大統領とロシアとの疑惑調査で圧力を掛けられたかどうか証言する可能性も出てくるなど、政権への期待も徐々に低下しています。
米長期金利の緩やかな低下傾向もドルの上値を重くしています。米長期金利は3月中旬には2.6%台まで上昇しましたが、その後低下に転じ、昨日のNY市場では2.20%台の水準をつけています。北朝鮮との緊張が続いていることや、トランプ政権の先行きの不透明さが背景にあるとしても、今月のFOMCでは利上げが確実視されている状況下でも金利が下がっています。
ドル円は緩やかに上値を切り下げており、昨日のNYでは110円46銭までドル安が進み、110−113円のレンジの下限を試す動きになっています。上値が切り下がっている状況は「1時間足」の雲の形を見ても明らかで、雲が「抵抗帯」としてローソク足においかぶさっています。現時点での動きは緩やかで、ドルが急落する気配はありませんが、昨日も述べたように、110円―110円10銭辺りにある重要なサポートを割り込むと、ストップのドル売りなどを巻き込み下落スピードを速めることも想定できます。この水準は相当硬いサポートと見ていますが、それだけに仮に割り込むと市場参加者の相場観にも影響を与えることにもなります。
ドルが売られる中、ユーロドルが再び1.12台半ばまで上昇し、直近の高値水準に迫っています。ドイツ連銀のバイトマン総裁は「現在の景気見通しとリスクバランスの改善は、ECBのフォワードガイダンスを調整すべきなのかどうか、その時期はいつかについて政策委員会で議論が始まることを示唆している」と述べ、ユーロ圏には依然として金融緩和策が必要だとするドラギECB総裁とは異なる認識を示しています。ECBが現行の非伝統的金融政策を変更すれば、これまで長く続いた「ユーロ安の終わりの始まり」と理解することができます。
本日のドル円は110円30銭〜111円30銭程度を予想しますが、本日は5月のADP雇用者数が発表されます。予想は18万人の増加ですが、これが上振れると、週末の雇用統計にも上振れ期待が高まりドル円も111円台半ばまでの上昇があるかもしれません。一方で予想を大きく下回った場合、上記重要なサポートである110−110円台前半を試しに行くことも想定されます。緩慢な値動きが続いていますが、今日明日の重要指標の発表をきっかけに動きが変わるかもしれません。注目したいと思います。

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What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/4 | FOMC声明文 | 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 | ドル円112円台から113円台に |
| 5/8 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 5/10 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 | ドル円上昇し、114円台に |
| 5/11 | コンスタンシオ・ECB副総裁 | 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 | -------- |
| 5/22 | メルケル・独首相 | 「ユーロは弱すぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている。従って、ドイツ製品はよく売れている」 | ユーロドル1.11台後半から1.1264まで上昇 |
| 5/29 | ドラギ・ECB総裁 | 「ユーロ圏はフォワードガイダンスを含め金融政策による異例な規模の支援がなお必要だ」 | -------- |
| 5/30 | ブレーナード・FRB理事 | 「インフレ率の進展不足が続けば、私としては将来のFF金利に関して予想される道筋を見直すことになる可能性があるが、現時点でその判断を下すのは時期尚早だ」 | -------- |
| 5/31 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「現在の景気見通しとリスクバランスの改善は、ECBのフォワードガイダンスを調整すべきなのかどうか、その時期はいつかについて政策委員会で議論が始まることを示唆している」 | ユーロドル1.11台から1.1252まで上昇 |



