2017年6月2日(金) 「ADP雇用者数25.3万人」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はADP雇用者数が市場予想を大きく上回ったことで上昇。長期金利が上昇したこともあり、111円48銭までドル高が進む。
- ユーロドルは、ドル高が進んだ割には1.12台で堅調に推移。1.1202までユーロ売りが進んだが1.12台は維持。
- 株式市場は大幅に反発。雇用者数の上振れを好感しダウは135ドル上昇。3カ月ぶりに最高値を更新。ナスダックとS&P500も揃って大幅に上昇。
- 債券市場は小幅に反落。良好な経済指標に売りが優勢となったが、下げ幅は限定的。長期金利は2.21%台へとやや上昇。
- 金は反落し、原油価格は3日ぶりに反発。
5月ADP雇用者数 → 25.3万人
新規失業保険申請件数 → 24.8万件
5月ISM製造業景況指数 → 54.9
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| ドル/円 | 111.11 〜 111.48 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1202 〜 1.1235 |
| ユーロ/円 | 124.61 〜 125.09 |
| NYダウ | +135.53 → 21,144.18 |
| GOLD | −5.30 → 1,270.10ドル |
| WTI | +0.04 → 48.36ドル |
| 米10年国債 | +0.090 → 2.211% |
本日の注目イベント
- 日 5月マネタリーベース
- 欧 ユーロ圏4月生産者物価指数
- 米 5月雇用統計
- 米 4月貿易収支
- 加 カナダ4月貿易収支
5月の民間雇用統計である、ADP雇用者数の結果が市場の雰囲気を好転させ、リスクオンの流れが強まりドル円は111円台半ばに。株価も上昇し、低下傾向にあった米長期金利も上昇に転じています。
5月のADP雇用者数は予想の18万人に対して25.3万人と大きく上振れ、昨日のこの欄でも述べた様に、本日の雇用統計への上振れ期待が高まり、ドルが買われる結果になりました。ただ注意しなければならないのは、ADPの結果と雇用統計は必ずしも関連しておらず、過去5年間の両指数の動きを調べても、その相関性はほぼ五分五分でした。つまり、ADP雇用者数が大きく上振れしても雇用統計が予想を下回ることもあり得るということです。もちろん、同様に上振れすることもあり得ますが、それは開けてみなければ分からないということで、先入観だけでポジションを構築するのは危険です。
確かに昨日のADPはややポジィティブ・サプライズでしたが、その他の経済指標を見てみると、失業保険申請件数は予想を下回る24.8万件で、ISM製造業景況指数はほぼ予想と変わらず、手放しで米景気が好調だと言えるわけではありません。この傾向は今年に入っても変わらず、FRBが言う、第一四半期の経済指標の鈍化が「一時的なもの」なのかどうかはまだ判断できず、もうしばらくは経済データを確認する必要があります。同時に、このデータと今夜のデータで、9月と12月の利上げ観測が高まるのかどうかも見ていかなければならず、結局今後の利上げ回数の増減が相場の行方を決めることになるわけです。
経済データはまずまずでしたが、トランプ大統領の周辺は相変わらずあわただしいようです。大統領はパリ協定からの離脱を発表し、昨日は「離脱をし、新たな交渉を始め、それができなくても、それはそれでかまわない」と述べています。TPPからの離脱に次ぐ、『アメリカファースト』です。
ブルームバーグニュースによると、コミー前FBI長官が6月8日に上院情報特別委員会で証言すると報じています。大統領選挙中のトランプ陣営とロシアとの接点を調査していたFBIに対して、圧力があったのかどうか。また、コミー長官の解任劇との関係について公聴会で証言する模様です。日本の国会でも似たような事件が起きていますが、国の「最高レベル」からの政治的圧力があったのかどうか、日米でその行方が注目されています。
このように見ると、まだ安心してドルを買うわけには行かない状況が続いています。110−113円のレンジ内取り引きが継続していると見られますが、これは「日足」チャートでも確認でき、現在は「雲の中でもみ合っている」ことが見てとれます。この雲を上抜けするのか、あるいは下へ抜けるのかで目先のトレンドの変化が読み取れると思われます。今夜の雇用統計がどちらかに大きくぶれれば、その可能性は高まるでしょう。予想レンジは110円50銭〜112円程度と見ています。
先週イタリアで行われたG7。初参加のトランプ大統領は終始不機嫌な顔して、他の首脳ともほとんど言葉も交わさず、孤立しているようにも見えましたが、やはり氏にまつわる話題は豊富なようです。主催国イタリアの首相が待つ会場には最後に現れ、格の違いを見せつけたと思えば、合同写真撮影には遅れ、G7首脳陣を待たせたようです。一部のメディアはこの遅刻を「適度な遅れ」(fashonably late)と伝えたとか。便利な言葉があったものです。良い週末を・・・・・。

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What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/4 | FOMC声明文 | 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 | ドル円112円台から113円台に |
| 5/8 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 5/10 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 | ドル円上昇し、114円台に |
| 5/11 | コンスタンシオ・ECB副総裁 | 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 | -------- |
| 5/22 | メルケル・独首相 | 「ユーロは弱すぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている。従って、ドイツ製品はよく売れている」 | ユーロドル1.11台後半から1.1264まで上昇 |
| 5/29 | ドラギ・ECB総裁 | 「ユーロ圏はフォワードガイダンスを含め金融政策による異例な規模の支援がなお必要だ」 | -------- |
| 5/30 | ブレーナード・FRB理事 | 「インフレ率の進展不足が続けば、私としては将来のFF金利に関して予想される道筋を見直すことになる可能性があるが、現時点でその判断を下すのは時期尚早だ」 | -------- |
| 5/31 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「現在の景気見通しとリスクバランスの改善は、ECBのフォワードガイダンスを調整すべきなのかどうか、その時期はいつかについて政策委員会で議論が始まることを示唆している」 | ユーロドル1.11台から1.1252まで上昇 |



