2017年6月7日(水) 「ドル円レンジを下抜けし109円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京時間に110円を割り込んだドル円は、NY市場でも続落。米金利が低下し、英総選挙など重要イベントを控えていることで円買いが強まった。ドル円は一時109円23銭まで売られ、約1カ月半ぶりの円高水準をつける。
- ユーロドルはドル円に比べ小動き。1.1284まで上昇したが、直近の高値であることも意識され伸び悩む。
- 株式市場は続落。コミー前FBI長官の証言を控え、利益確定の出やすい状況から売りが優勢に。ダウは47ドル下落。
- 債券相場は続伸。FBI前長官の証言が予定されている上に、中国が米国債を買い増すとの報道が相場を支える。長期金利は今年最低水準に近い2.14%台で引ける。
- ドルが売られたことで金は14ドル上昇。約7カ月ぶりの高値を記録。原油も反発。
| ドル/円 | 109.23 〜 109.64 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1248 〜 1.1284 |
| ユーロ/円 | 123.02 〜 123.55 |
| NYダウ | −47.81 → 21,136.23 |
| GOLD | +14.80 → 1,297.50ドル |
| WTI | +0.79 → 48.19ドル |
| 米10年国債 | −0.037 → 2.145% |
本日の注目イベント
- 豪 豪1−3月期GDP
- 日 4月景気動向指数
- 中 中国 5月外貨準備高
- 欧 ユーロ圏1−3月GDP(確定値)
- 欧 OECD、2017年の世界経済見通し発表
- 米 4月消費者信用残高
- 加 カナダ4月建設許可件数
昨日の東京時間にドル円は110円を割り込み、そのままじり安の展開となり、NY市場では109円23銭まで一気に円高が進みました。110円前後は強いサポートであるが、抜けると意外に簡単に下げるとこの欄で述べましたが、まさにそんな展開でした。
110−112円のレンジを完全に下抜けしたことで、新しいレンジを形成する動きになっていますが、108円台まで円高が進むと、105−110円の動きが定着し、これまで下値のメドだった110円が、今度は相場の天井のイメージを作ることになります。まだ、そこまで相場観がドルベアには傾いていませんが、今日を含め今週末までの動きが新しいレンジ形成と、それが定着するかどうかを決めるような気がします。
とりわけ重要なのが明日の動きです。明日は「スーパー・サーズデー」とも言えるほど重要イベントが目白押しです。イギリスでは総選挙が実施され、メイ首相率いる保守党が勝利すれば、政権の安定につながりますが、野党労働党が激しく追い上げており、その差は確実に縮まっているようです。また、この日にはECBの理事会があり、政策変更を示唆するフォワードガイダンスがあるかどうかも注目されています。ドラギ総裁は金融緩和の縮小に依然として慎重な姿勢を見せていますが、良好な経済状態が続くドイツでは、バイトマン・ドイツ連銀総裁などが政策変更を行うべきだとの主張を繰り返しています。緩和政策の変更を先取りした形でユーロドルは、1.12台後半まで買われていますが、ここからさらに続伸するかどうかは政策次第というところです。
そして最後は米上院情報特別委員会でのコミー証言です。今朝のブルームバーグ・ニュースでは、コミー前長官はトランプ大統領と交わした会話の詳細は明らかにするが、ロシア疑惑に対するFBIの捜査を大統領が妨害しようとしたと考えるかどうかについては発言しない、と関係者の意見を伝えています。コミー氏はすでに、モラー特別検査官との間で証言内容の調整を済ませていると報じています。
このように、明日は相場を動かす材料が盛りだくさんです。それぞれ無風の結果に終わる可能性もありますが、予断は許しません。ドル円は下値のサポートを割り込み再び108円を目指す動きなってきました。今年のドルの最安値は4月17日につけた108円13銭です。もし109円を割り込むようなら、下値のメドはこの水準になろうかと思います。日米ともに株価が大崩れしていないことから、ドル円がこの水準から105円に向かう可能性は低いと見ますが一方で、米長期金利は今年の最低水準を記録しており、さらにドル安の受け皿としての役割がある金価格は1300ドルに迫り、こちらも昨年11月以来の高値をつけており、ドル安を示唆していると考えられます。状況から判断すると、ドルの先安観の方が優勢と言えるかもしれません。
本日のレンジは108円80銭〜109円80銭程度を予想します。

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What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/4 | FOMC声明文 | 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 | ドル円112円台から113円台に |
| 5/8 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 5/10 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 | ドル円上昇し、114円台に |
| 5/11 | コンスタンシオ・ECB副総裁 | 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 | -------- |
| 5/22 | メルケル・独首相 | 「ユーロは弱すぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている。従って、ドイツ製品はよく売れている」 | ユーロドル1.11台後半から1.1264まで上昇 |
| 5/29 | ドラギ・ECB総裁 | 「ユーロ圏はフォワードガイダンスを含め金融政策による異例な規模の支援がなお必要だ」 | -------- |
| 5/30 | ブレーナード・FRB理事 | 「インフレ率の進展不足が続けば、私としては将来のFF金利に関して予想される道筋を見直すことになる可能性があるが、現時点でその判断を下すのは時期尚早だ」 | -------- |
| 5/31 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「現在の景気見通しとリスクバランスの改善は、ECBのフォワードガイダンスを調整すべきなのかどうか、その時期はいつかについて政策委員会で議論が始まることを示唆している」 | ユーロドル1.11台から1.1252まで上昇 |



