今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年6月14日(水) 「FOMC待ち」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は引き続き110円前後で小動き。株式市場は活況を呈しているものの、ドル円は売り買いとも盛り上がらず110円00―05銭で取引を終える。
  • ユーロドルも値動きは低調。1.12を中心にもみ合いが続き、今夜のFOMCの結果を待つ姿勢が強まる。
  • 株式市場は大きく反発。懸念されたアップルなどIT株も急反発しナスダックは44ポイント上昇。一方ダウも92ドル上昇し、最高値を更新。
  • 債券市場では30年債入札が好調だったものの、10年債は小動き。長期金利も前日とほとんど変わらず。
  • 金は小幅ながら続落。原油価格は続伸。
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 5月生産者物価指数 → 0.0%
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ドル/円 109.90 〜 110.22
ユーロ/ドル 1.1192 〜 1.1220
ユーロ/円 123.18 〜 123.54
NYダウ +92.80 → 21,328.47
GOLD −0.30 → 1,268.60ドル
WTI +0.38 → 46.46ドル
米10年国債 −0.004 → 2.210%

本日の注目イベント

  • 中 中国 5月小売売上高
  • 中 中国 5月鉱工業生産
  • 独 独5月消費者物価指数(改定値)
  • 欧 ユーロ圏4月鉱工業生産
  • 英 英5月雇用統計
  • 米 FOMC 政策金利発表
  • 米 イエレン議長記者会見
  • 米 5月消費者物価指数
  • 米 5月小売売上高

NYダウは先週末に最高値を更新したのに続き、昨日も92ドル上昇し、再び最高値を更新しています。株式市場では取引は活況を呈していますが、為替市場と、債券市場では「微妙な均衡」が続いており、売り買いとも盛り上がりに欠けた展開です。ドル円は110円前後で膠着し、居心地がいいのか、上も下も攻め手に苦労している状況です。特に昨日は、今夜のFOMCでの利上げ以外のヒントを待つ状況が続いており、このまま水準を変えずに明日朝の金融政策会合まで推移する公算が高いと見られます。

政策金利の発表は明日の朝3時ですが、焦点は今回の利上げ後の次の利上げがいつになるのかということと、FRBの資産縮小がどのタイミングで行われるのかという点です。この2つのポイントを巡って、イエレン議長の発言からヒントを読み取ろうとすることになります。

今回の会合での利上げはほぼ確実と見られますが、残り年内1回はあると見られている利上げ見通しに変化があるのかという点と、現在約500兆円あるFRBのバランスシートをどのタイミングで縮小していくのかという点です。バランスシートの縮小は利上げと同じ効果が見込まれ、仮に具体的な言及があれば、市場はドル買いで反応すると見られます。一方で雇用や自動車販売などのデータでは先行きの不安を映し出しており、インフレ率も、PCEコアデフレーターでは1.5%と、目安の2.0%には届いていません。イエレン議長をはじめ、FOMCメンバーがこの状況でも景気の先行きに自信を持っているのかどうかがポイントになりそうです。

また5月のFOMC声明文では、第1四半期の景気の鈍化は一時的な可能性が高いと判断しましたが、もしこのスタンスが維持できるのなら、今年3回の利上げも可能で、バランスシートの縮小にも言及してくるかもしれません。その場合にはドル円は111円台回復も十分あり得ると予想しますが、ハト派的な内容に終わると109円テストも考えられます。

トランプ政権への期待も徐々に低下し、景気刺激策の遅れも最早明らかです。この辺りのリスクもFOMCメンバーの判断材料になるかもしれません。いずれにしても膠着状態が続き、為替のパフォーマンスがいまいちとみられるヘッジファンドなどが、この機会に積極的に相場に関わってくる可能性も指摘されています。明日朝方の値動きには注意が必要です。以上の状況から、本日のレンジ予想はややワイドに、109円〜110円80銭程度にしたいと思います。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
5/4 FOMC声明文 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 ドル円112円台から113円台に
5/8 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
5/10 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 ドル円上昇し、114円台に
5/11 コンスタンシオ・ECB副総裁 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 --------
5/22 メルケル・独首相 「ユーロは弱すぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている。従って、ドイツ製品はよく売れている」 ユーロドル1.11台後半から1.1264まで上昇
5/29 ドラギ・ECB総裁 「ユーロ圏はフォワードガイダンスを含め金融政策による異例な規模の支援がなお必要だ」 --------
5/30 ブレーナード・FRB理事 「インフレ率の進展不足が続けば、私としては将来のFF金利に関して予想される道筋を見直すことになる可能性があるが、現時点でその判断を下すのは時期尚早だ」 --------
5/31 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「現在の景気見通しとリスクバランスの改善は、ECBのフォワードガイダンスを調整すべきなのかどうか、その時期はいつかについて政策委員会で議論が始まることを示唆している」 ユーロドル1.11台から1.1252まで上昇
6/8 ドラギ・ECB総裁 「忍耐が必要だ。引き続き、われわれの金融政策で回復を支えていかなければならない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.125近辺から1.12割れに
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和