今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年6月16日(金) 「ドル円反発し110円台後半に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は110円台を回復しただけでなく、111円にも迫ろうかという水準までドル高が進む。長期金利が上昇し、経済指標も概ね良好だったこともあったが、前日の経済指標にネガティブに反応しすぎた揺り戻しと見られる。
  • ユーロドルは反落。1.1132まで売られ上値も1.1台半ばで限られた。ギリシャの支援問題が再び蒸し返されたとの指摘も。
  • 株式市場は揃って下落。ハイテク株が売られ、ダウは14ドル安。ナスダック、S&P500も続落。
  • 債券市場は反落。欧州債の下落が影響し売り物が優勢に。長期金利は2.16%台まで上昇。
  • ドルが急反発したことで金は21ドルを超える大幅安。原油は小幅ながら続落。
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 新規失業保険申請件数 → 23.7万件
 6月NY連銀製造業景気指数 → 19.80
 6月フィラデルフィア連銀景況指数 → 27.6
 5月鉱工業生産 → 0.0%
 6月NAHB住宅市場指数 → 67
 5月設備稼働率 → 76.6
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ドル/円 110.09 〜 110.98
ユーロ/ドル 1.1132 〜 1.1169
ユーロ/円 122.89 〜 123.71
NYダウ −14.66 → 21,359.90
GOLD −21.30 → 1,254.60ドル
WTI −0.27 → 44.46ドル
米10年国債 +0.038 → 2.164%

本日の注目イベント

  • 日 日銀金融政策決定会合
  • 日 黒田日銀総裁記者会見
  • 欧 ユーロ圏5月消費者物価指数(改定値)
  • 米 5月住宅着工件数
  • 米 5月建設許可件数
  • 米 5月労働市場情勢指数(LMCI)
  • 米 6月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演

前日、FOMCの政策発表前に消費者物価指数などに反応し、108円台までドル安が進んだことには驚きましたが、わずか1日でその水準を回復し、さらに111円近くまでドルが反発したことにも驚きです。結局「往って来い」の展開で、そもそも利上げとFRBのバランスシート縮小プログラムは「ドル買い材料」だったと言うことです。

チャートでは、これで再び110−112円のレンジに戻った形が伺えますが、前日の急落でも108円81銭で下げ止まり、そこから1円ほど戻しており、そこにある「52週移動平均線」が機能していたことが分かります。また、「週足の雲」もしっかりサポートしていたこともあります。108円台はやはり相当硬いサポートゾーンだったと言えます。

昨日は多くの経済指標が発表されましたが概ね良好で、これがドルを支えたわけですが、特にNY連銀製造業景況指数は「19.80」と、市場予想の「5.0」から大きく上振れしました。因みにこの数字は今年最もいい数字で、4月は「マイナス1」でした。また失業保険申請件数も予想を下回り、こちらも良好でした。FOMC声明では「年内のバランスシート縮小」を示唆していましたが、早ければ9月にも開始されるとの見方が強まってきました。

豪ドル円がちょうど1カ月ぶりに84円台前半まで上昇してきています。昨日発表された雇用統計の内容が良かったことで、「利上げ」はまだ先のこととしても、「利下げ」の可能性がほぼなくなったと見られることが背景です。5月の正規雇用者数は5万2100人と、市場予想を大きく上回ったばかりか、失業率も5.5%と、約4年ぶりの低水準です。これまでは消費と労働市場で低迷が続いており、利下げの可能性も残していましたが、一方で、シドニーやメルボルンなどの都市部では住宅価格の上昇が続き、利下げもできない状況でした。もうしばらくはデータを見る必要がありますが、労働市場の安定が見込めるようなら、利上げの可能性も浮上することになります。目先の上値のメドは84円45銭前後と、84円70−80銭あたりかと思われます。上記水準を明確に上抜けできるかどうかが焦点です。

本日は円安が進んだことで、日本株もしっかりでしょう。ただそれでもNY株が下落したことで、上値は限られそうですが、2万円の大台を回復できれば、ドル円の111円台乗せもありそうです。予想レンジは110円30銭〜111円30銭程度とします。


まさかEUからの離脱を決めたこととは関係ないとは思いますが、イギリス、とりわけロンドンでは惨事が多発しています。相次ぐテロの発生に続き、ロンドン市内の高層マンションで火災が発生し、17人が亡くなった模様です。幼児の命を助けるため、10階から子供を投げ下ろした姿も伝えられています。火災が拡大した原因は今後明らかにされると思いますが、防火設備が機能しなかった疑いもあるようです。この映像を見て、今から35年前の「ホテル・ニュージャパン」の火災を思い出しました。この火災もライブでテレビに映し出され、画面に釘付けになったものです。こちらの悲劇はスプリンクラーなどの設備を、経費がかかるとして設置していなかったことが原因でした。都内には高層マンションが雨後の竹の子のように建設されています。悲劇を繰り返えさないためには、いまいちど消防設備がいざという時に機能するかどうか確認する必要がありそうです。良い週末を・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
5/4 FOMC声明文 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 ドル円112円台から113円台に
5/8 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
5/10 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 ドル円上昇し、114円台に
5/11 コンスタンシオ・ECB副総裁 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 --------
5/22 メルケル・独首相 「ユーロは弱すぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている。従って、ドイツ製品はよく売れている」 ユーロドル1.11台後半から1.1264まで上昇
5/29 ドラギ・ECB総裁 「ユーロ圏はフォワードガイダンスを含め金融政策による異例な規模の支援がなお必要だ」 --------
5/30 ブレーナード・FRB理事 「インフレ率の進展不足が続けば、私としては将来のFF金利に関して予想される道筋を見直すことになる可能性があるが、現時点でその判断を下すのは時期尚早だ」 --------
5/31 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「現在の景気見通しとリスクバランスの改善は、ECBのフォワードガイダンスを調整すべきなのかどうか、その時期はいつかについて政策委員会で議論が始まることを示唆している」 ユーロドル1.11台から1.1252まで上昇
6/8 ドラギ・ECB総裁 「忍耐が必要だ。引き続き、われわれの金融政策で回復を支えていかなければならない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.125近辺から1.12割れに
6/14 FOMC声明文 「委員会は現在、経済が概ね予想通りに進展するとの想定で、バランスシート正常化プログラムの年内開始を見込んでいる」 ドル円108円台から109円台に
6/14 イエレン・FRB議長 「経済が予想通り進展すれば、年内のプロセス開始に向けた環境は整うはずだ」利上げ後の記者会見で。 ドル円108円台から109円台に
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和