2017年6月30日(金) 「ドル円113円手前から反落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は順調に上昇を続け、NY市場では112円92銭までドル高が進んだがそこから急落。株価の大幅安と長期金利が上昇した後、徐々に低下してきたことで利益確定のドル売りに押された。ドル円は111円81銭まで売られ、112円台に戻して引ける。
- ユーロドルはドイツの消費者物価指数(CPI)が伸びたことからユーロ買いが強まり、1.1445まで上昇。CPIの伸びがECBによる金融緩和縮小を早めるとの連想につながった。
- 株式市場は大幅に反落。テクノロジー株が売り浴びせられ、ダウは前日の上昇分を吐き出す167ドル安。ただ、金融株はストレステストを無事通過したことで逆行高。
- 債券相場は朝方には売られたものの、午後にはやや切り返す。引けは小幅安で、長期金利も2.26%台へと小幅に上昇。
- 金は反落。原油価格は在庫の減少を手掛かりに6日続伸。
新規失業保険申請件数 → 24.4万件
1−3月GDP(確定値) → +1.4%
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| ドル/円 | 111.81 〜 112.92 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1388 〜 1.1445 |
| ユーロ/円 | 127.87 〜 128.82 |
| NYダウ | −167.58 → 21,287.03 |
| GOLD | −3.30 → 1,245.80ドル |
| WTI | +0.19 → 44.93ドル |
| 米10年国債 | +0.039 → 2.267% |
本日の注目イベント
- 日 5月失業率
- 日 5月消費者物価指数
- 日 5月鉱工業生産
- 中 中国 6月製造業PMI(速報値)
- 中 中国 6月非製造業PMI(速報値)
- 独 独6月雇用統計
- 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(速報値)
- 英 英1−3月期経常収支
- 英 英1−3月期GDP(改定値)
- 米 5月個人所得
- 米 5月個人支出
- 米 5月PCEコアデフレータ
- 米 6月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 6月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
- 加 カナダ4月GDP
ドル円はいつものように東京タイムでは上値が重かったものの、海外市場に入るとドル買いが強まり順調に上昇し、112円92銭までドル高が進みました。しかしその後ドルは急落し、驚くほど下落スピードも速く112円を割り込む水準までドル安が進みました。それほど明確なドル売り材料があったわけではなかったものの、上値から1円以上売られ、まさに「下げスピードは上昇スピードよりもはるかに速い」ことを見せつけられた印象です。ダウが167ドル下げるなど、米株式市場が大幅安となり、10年債利回りも一時2.28%台まで上昇した後低下してきたことをその理由としていますが、やや説得力に欠けます。113円台に届かなかったことで、利益確定の売りが引き金を引いたというところでしょうか。
ドル円は高値をつけた後111円81銭まで売られ、上昇トレンドを示すチャートも崩れかけましたが、ひとまず「1時間足」の120時間線では下げ止まっています。「日足」では120日線をしっかりと上抜けしましたが、先週から続いたドル上昇にひとまず利益を確定する動きが出たと見られます。昨日の高値からの急落で、ここから再び113円に向かうには時間が必要かと思われます。再び113円に近付く水準ではドル売りが集まりやすくなると見られますが、ドル円を見る上では極めて重要な米長期金利は2.26%台で引けており、ここから判断すれば、ドルの大幅な下げは見込みにくいと言えます。
米長期金利は先週2.13%台まで低下しましたが、そこから切り替えし昨日は一時2.28%台まで上昇する局面もありました。ECBの金融緩和縮小観測を背景に、ドイツ国債の利回りの上昇に引っ張られた面もありますが、今後も米金利が緩やかに上昇していくと想定すれば、ドル円も緩やかにドル高が進むと考えるのも無理ではないと思われます。
それでも昨日の動きを見ると、米株式市場のボラティリティの高さは気になるところです。ハイテク株などは買われすぎとの指摘もある中、ダウなどの指数は高値でのもみ合いを続けている状況です。ダウが再び2万1000ドルを割り込むようだと、ドル円もこちらに引っ張られ110円方向に舵を切り直すことも考えられます。株価の恐怖度を示す「VIX指数」も昨日は「11」近辺と、まだ危険水域の「20」からは低位ですが、最近にしては高水準に振れて来ました。注意したいところです。本日の予想レンジは111円50銭〜112円50銭程度と見ます。
私が個人的にも私淑している投資家、ウオーレンバフェット氏。氏は株式市場に巨額の投資を行い、すばらしいパフォーマンスを上げていることはご承知の通りですが、昨年12月から急騰した米株式市場についておもしろい発言をしています。トランプ氏が大統領に当選した後の株価の上昇が、大統領の功績かとの質問に対し、「トランプ氏ではなく米国の功績だ」と述べています。また26日のTV番組でも「もし私が大統領に選ばれたとすれば、市場のいかなる動きも自分の功績だとは決して主張しないだろう。なぜかと言えば、市場が反対の方向に動いた時にとがめられたくないからだ」とも語っていました。(ブルームバーグ)さらに米国の将来を賞賛しながらも、「われわれは経済のリーダーになるだろう。そしてモラル(倫理)でもリーダーになるべきだ」と、チクリ。よい週末を・・・・・。

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What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/4 | FOMC声明文 | 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 | ドル円112円台から113円台に |
| 5/8 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 5/10 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 | ドル円上昇し、114円台に |
| 5/11 | コンスタンシオ・ECB副総裁 | 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 | -------- |
| 5/22 | メルケル・独首相 | 「ユーロは弱すぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている。従って、ドイツ製品はよく売れている」 | ユーロドル1.11台後半から1.1264まで上昇 |
| 5/29 | ドラギ・ECB総裁 | 「ユーロ圏はフォワードガイダンスを含め金融政策による異例な規模の支援がなお必要だ」 | -------- |
| 5/30 | ブレーナード・FRB理事 | 「インフレ率の進展不足が続けば、私としては将来のFF金利に関して予想される道筋を見直すことになる可能性があるが、現時点でその判断を下すのは時期尚早だ」 | -------- |
| 5/31 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「現在の景気見通しとリスクバランスの改善は、ECBのフォワードガイダンスを調整すべきなのかどうか、その時期はいつかについて政策委員会で議論が始まることを示唆している」 | ユーロドル1.11台から1.1252まで上昇 |
| 6/8 | ドラギ・ECB総裁 | 「忍耐が必要だ。引き続き、われわれの金融政策で回復を支えていかなければならない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.125近辺から1.12割れに |
| 6/14 | FOMC声明文 | 「委員会は現在、経済が概ね予想通りに進展するとの想定で、バランスシート正常化プログラムの年内開始を見込んでいる」 | ドル円108円台から109円台に |
| 6/14 | イエレン・FRB議長 | 「経済が予想通り進展すれば、年内のプロセス開始に向けた環境は整うはずだ」利上げ後の記者会見で。 | ドル円108円台から109円台に |
| 6/19 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「(米景気は)実際のところまだ長く継続すると強く確信している」講演で。 | ドル円111円から111円台半ばまで上昇 |
| 6/20 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「長期にわたる低金利は将来の金融ショックやリセッションへの金融政策の対応能力を低下させる」講演で。 | -------- |
| 6/27 | イエレン・FRB議長 | 「金利は非常にゆっくりと引き上げるのが目標達で適切になるとの考えは、これまでに極めて明確にしている。(一部の資産については)高くみえるが、確信はない」ロンドンでの講演で。 | ドル円111円台後半からから112円台半ばへ。株価は急落。 |
| 6/27 | ドラギ・ECB総裁 | 「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さ増し、裾野が広がっていることを示している。デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」年次総会で。 | ユーロドル1.12台から1.1350に。米独の債券は急落。 |



