今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年7月4日(火) 「ドル円113円台半ばまで続伸」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は113円台を回復し、113円48銭まで上昇。米金利高に加え、ISM製造業景況指数が2年10カ月ぶりに高水準だったことでドル買いが強まった。
  • ユーロドルは小動き。1.13台半ばから後半でもみ合いながらも、上値が徐々に重くなる。
  • 株式市場は指数で明暗が分かれる。ダウは129ドルと、大幅高だったものの、ナスダックは30ポイント安。
  • 債券相場は続落。良好な経済指標に反応し売りが先行。長期金利は2.35%台に乗せ、直近底値から20bpを超える上昇。
  • ドルが大幅に上昇したことで金は20ドルを超える下落。一方原油価格は米国のリグ稼動数が減少したことで8日続伸し、47ドル台まで上昇。
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 6月ISM製造業景況指数  → 57.8
 6月自動車販売台数     → 16.41M台
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ドル/円 112.85 〜 113.48
ユーロ/ドル 1.1355 〜 1.1375
ユーロ/円 128.32 〜 128.95
NYダウ +129.64 → 21,479.27
GOLD −23.10 → 1,219.20ドル
WTI +1.03 → 47.07ドル
米10年国債 +0.046 → 2.350%

本日の注目イベント

  • 豪   RBA、キャッシュターゲット
  • 豪   豪5月小売売上高
  • 欧   ユーロ圏5月生産者物価指数
  • 米   NY休場(独立記念日)

ドル円が5月中旬以来となる113円台中半ばまで上昇してきました。ここ最近の大きな値動きはほぼ全てNY市場で起きていますが、昨日も6月のISM製造業景況指数が2014年10月以来となる高水準だったことを好感しドルが買われ、一気に113円48銭までドル高が進みました。さすがにNY市場での値動きはエキサイティングです。

筆者が毎週出演させていただいている「ラジオ日経」の番組で先週、112円台をしっかり超えてきたドル円相場を「ドル高トレンドの始まりの始まり」と表現しましたが、昨日のNY市場での動きはこれを裏付けるものでした。長い間続いた110−112円のレンジを超え、113円台に突入して来ました。115円台までドル高が進むには、米長期金利のサポートが必要であることもこの欄で述べてきましたが、こちらも昨日は2.35%台まで上昇し、ドルを押し上げる一因になっています。115円と2.5%の金利水準が似合いそうな雰囲気になってきました。

チャートでは、「日足」の雲は完全に上抜けし、重要な「200日線」もクリアしています。この先の上値のメドは「週足」の200日線にある113円80−90銭辺りと、その水準を抜けば、5月中旬に記録した114円35−40銭辺りと見ます。113円台をしっかりと回復したことで市場関係者の相場観も徐々に変化しているはずです。輸出企業の為替担当者も、112−113円台では予約を済ませ、次はもう一段の円安水準を狙っているはずです。予約を持ち込むスタンスにもかなり余裕が出たものと思われます。

ユーロ円は129円に届く水準まで上昇し、ポンド円も147円に近く、豪ドル円も3カ月半ぶりに87円を伺う水準です。こうなると、「ドル高」ではなく「円安」です。円が主要通貨に対して全面安の展開になっているということです。言うまでもなく、FRBに続いてECBも年内に金融緩和策の変更に踏み切るとの観測が強まり、金利差による円売りが強まってきたことが背景です。上記両中銀に加え、カナダ中銀やイングランド銀行も利上げを視野に入れており、昨日はオーストラリア中銀も利上げに踏み切るのではとの観測も出ていました。まさに日銀だけが「量的緩和のジレンマ」から抜け出せない状況と言えます。

本日も輸出銘柄を中心に日本株は堅調でしょう。ドル円は112円80銭〜113円80銭程度と予想します。NY市場は「独立記念日」で休場のため、動きが見られるのは欧州時間までかもしれません。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
5/4 FOMC声明文 「1−3月の減速は一時的な可能性が高い」 ドル円112円台から113円台に
5/8 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局が目標に向かって前進し続けている今の環境では、金利を引き上げる必要がある。そうしなければ後れをとることになり、その結果は決して良いとはいえないものとなる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
5/10 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が私の予測通りに進展するとの想定で、バランスシートの規模は緩やかな縮小とともに、年内残り3回政策金利を引き上げるのはなお妥当だ」講演で。 ドル円上昇し、114円台に
5/11 コンスタンシオ・ECB副総裁 「拙速な金融緩和の縮小よりも、緩和的な政策を長く続ける方がリスクが少ない」インタビューで。 --------
5/22 メルケル・独首相 「ユーロは弱すぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている。従って、ドイツ製品はよく売れている」 ユーロドル1.11台後半から1.1264まで上昇
5/29 ドラギ・ECB総裁 「ユーロ圏はフォワードガイダンスを含め金融政策による異例な規模の支援がなお必要だ」 --------
5/30 ブレーナード・FRB理事 「インフレ率の進展不足が続けば、私としては将来のFF金利に関して予想される道筋を見直すことになる可能性があるが、現時点でその判断を下すのは時期尚早だ」 --------
5/31 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「現在の景気見通しとリスクバランスの改善は、ECBのフォワードガイダンスを調整すべきなのかどうか、その時期はいつかについて政策委員会で議論が始まることを示唆している」 ユーロドル1.11台から1.1252まで上昇
6/8 ドラギ・ECB総裁 「忍耐が必要だ。引き続き、われわれの金融政策で回復を支えていかなければならない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.125近辺から1.12割れに
6/14 FOMC声明文 「委員会は現在、経済が概ね予想通りに進展するとの想定で、バランスシート正常化プログラムの年内開始を見込んでいる」 ドル円108円台から109円台に
6/14 イエレン・FRB議長 「経済が予想通り進展すれば、年内のプロセス開始に向けた環境は整うはずだ」利上げ後の記者会見で。 ドル円108円台から109円台に
6/19 ダドリー・NY連銀総裁 「(米景気は)実際のところまだ長く継続すると強く確信している」講演で。 ドル円111円から111円台半ばまで上昇
6/20 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「長期にわたる低金利は将来の金融ショックやリセッションへの金融政策の対応能力を低下させる」講演で。 --------
6/27 イエレン・FRB議長 「金利は非常にゆっくりと引き上げるのが目標達で適切になるとの考えは、これまでに極めて明確にしている。(一部の資産については)高くみえるが、確信はない」ロンドンでの講演で。 ドル円111円台後半からから112円台半ばへ。株価は急落。
6/27 ドラギ・ECB総裁 「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さ増し、裾野が広がっていることを示している。デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」年次総会で。 ユーロドル1.12台から1.1350に。米独の債券は急落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和