今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年7月6日(木) 「ドル円113円台でもみ合い」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は朝方113円を割り込む場面もあったが、FOMC議事録が公開され、予定通り利上げが進むとの見方からドル円は113円64銭まで上昇。その後は米金利の低下や原油価格の下落などから113円台前半まで反落。
  • ユーロドルは反落。ECB理事がギリシャ問題に関して悲観的な見方を示したこともあり、1.1318までユーロ安が進行。
  • 株式市場はFOMC議事録の内容を受け上昇。これまで売られていたハイテク株などが買われ、ナスダックは40ポイント上昇。一方ダウはほぼ変わらず。
  • 債券相場は小幅に反発。長期金利は2.32%台へと低下。
  • 金はやや買われ、原油価格は大幅に売られる。原油価格の下落はロシアが一段の減産に否定的だったことが材料視された。
    ドル/円 112.95 〜 113.64
    ユーロ/ドル 1.1318 〜 1.1359
    ユーロ/円 128.15 〜 128.68
    NYダウ −1.10 → 21,478.17
    GOLD +2.50 → 1,221.70ドル
    WTI −1.94 → 45.13ドル
    米10年国債 −0.027 → 2.323%

    本日の注目イベント

    • 豪 豪5月貿易収支
    • 独 独5月鉱工業生産
    • 欧 ECB議事要旨
    • 米 新規失業保険申請件数
    • 米 6月ADP雇用者数
    • 米 5月貿易収支
    • 米 6月ISM非製造業景況指数
    • 米 パウエル・FRB理事講演
    • 加 カナダ5月建設許可件数
    • 加 カナダ5月貿易収支

    ドル円は北朝鮮の挑発行為が続く中、一部には米国の武力行使を予想する向きもあり、円が買われ易い地合いかと思われます。そのためか、113円割れも何度かあり下値を試す動きが観られたものの、底堅い展開が続いています。

    昨日の東京タイムでも朝方、前日北朝鮮が発射したミサイルが「ICBM」であるとの声明をティラーソン米国務長官が発表すると、ドル円は112円74銭辺りまで売られましたが、直ぐに切り返す展開でした。NY市場でも112円95銭まで売られる局面がありましたがこちらも反発し、FOMC議事録の内容を材料に、113円64銭までドル高が進みました。

    議事録では、当局が段階的に利上げを継続する意向を確認しつつ、保有資産の縮小開始のタイミングについては意見が分かれたことが明らかになりました。その内容は「幾人かは2カ月以内にプロセス開始を発表することを支持した」とした一方、「一部には、年内のより遅い時期まで決定を先送りすることで経済活動やインフレの見通しを精査するさらなる時間が生まれると主張する当局者もいた」と記されていました。(ブルームバーグ)

    足元の経済データは昨年末までのように良い状況ではなく、強弱が混在しており、「景気は悪くもないが、それほど良いというわけでもない」状況を示していることから、メンバーの中から上記意見が出てくるのは当然と言えます。ただ多くのメンバーや執行部の考えは、年内もう一回の利上げと保有資産の縮小開始に傾いていると思われます。

    ドル円は欧州時間に113円69銭まで買われ、「週足」の120日線を試す動きが観られましたが、ブレイクするには至っていません。日銀以外の主要中銀が利上げに前向きな姿勢を示していることで、金利差を材料に円を売る動きが続いています。ドル円もクロス円も、もうしばらく上値を試す余地は残っているとは思いますが、北朝鮮リスクや株価の推移、あるいは米国の長期金利が置かれている状況を考慮すると、ここからの大幅な上昇は予想しにくいと思っています。

    本日はADP雇用者数が発表されます。事前の予想は18.5万人ですが、前月のように予想を大きく上回り、本番の雇用統計への期待が大きく膨らんだ結果、実際の内容が悪くドルが大きく売られました。仮に数字が良くても、過度の期待は禁物です。本日の予想レンジは112円50銭〜113円70銭程度とみます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時     発言者     内容   市場への影響   
    6/8 ドラギ・ECB総裁 「忍耐が必要だ。引き続き、われわれの金融政策で回復を支えていかなければならない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.125近辺から1.12割れに
    6/14 FOMC声明文 「委員会は現在、経済が概ね予想通りに進展するとの想定で、バランスシート正常化プログラムの年内開始を見込んでいる」 ドル円108円台から109円台に
    6/14 イエレン・FRB議長 「経済が予想通り進展すれば、年内のプロセス開始に向けた環境は整うはずだ」利上げ後の記者会見で。 ドル円108円台から109円台に
    6/19 ダドリー・NY連銀総裁 「(米景気は)実際のところまだ長く継続すると強く確信している」講演で。 ドル円111円から111円台半ばまで上昇
    6/20 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「長期にわたる低金利は将来の金融ショックやリセッションへの金融政策の対応能力を低下させる」講演で。 --------
    6/27 イエレン・FRB議長 「金利は非常にゆっくりと引き上げるのが目標達で適切になるとの考えは、これまでに極めて明確にしている。(一部の資産については)高くみえるが、確信はない」ロンドンでの講演で。 ドル円111円台後半からから112円台半ばへ。株価は急落。
    6/27 ドラギ・ECB総裁 「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さ増し、裾野が広がっていることを示している。デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」年次総会で。 ユーロドル1.12台から1.1350に。米独の債券は急落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和