2017年7月20日(木) 「ドル円上値が重く111円台で推移」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はトランプ政権の政策の不透明感や、日欧の金融会合を控え上値の重い展開が続く。ユーロ円でも利益確定の動きも作用し、ドル円は前日の安値をやや下回る111円53銭まで下落。その後111円80−90銭近辺まで小幅に戻して引ける。
- ユーロドルはECB会合を控え、利益確定の売りが先行。1.1510までユーロ安が進むが、下落も限定的。
- 株式市場は続伸し、主要3指数ともに最高値を更新。企業決算が好調だったことや、住宅関連指標も上振れしたことを好感した。ダウは66ドル上昇し、2万1640ドルで引ける。
- 債券相場は株価の上昇にやや軟調な展開。朝方は一時上昇したものの、前日比マイナスで引ける。長期金利は2.270%台へと小幅に上昇。
- 金は続伸。原油価格は在庫が減少していたことを手掛かりに買われ、7営業日続伸。47ドル台を回復。
6月住宅着工件数 → 121.5万件
6月建設許可件数 → 125.4万件
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| ドル/円 | 111.53 〜 112.00 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1510 〜 1.1538 |
| ユーロ/円 | 128.57 〜 129.13 |
| NYダウ | +66.02 → 21,640.75 |
| GOLD | +0.10 → 1242.00ドル |
| WTI | +0.72 → 47.12ドル |
| 米10年国債 | +0.011 → 2.270% |
本日の注目イベント
- 豪 豪6月雇用統計
- 日 6月貿易収支
- 日 日銀金融政策決定会合
- 日 黒田日銀総裁記者会見
- 独 独6月生産者物価指数
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧ドラギ・ECB総裁記者会見
- 欧 ユーロ圏7月消費者信頼感(速報値)
- 英 英6月小売売上高
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 7月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 6月景気先行指標総合指数
- 米 企業決算 → VISA、マイクロソフト、ブラックストーン
ドル円はやや上値の重い展開が強まってきました。昨日の東京市場では111円台では底堅く推移したものの、海外市場ではむしろ112円台から上値が重く、NY市場ではドル円を動かすドライバーである米長期金利が小幅に上昇したにもかかわらず112円を超えられない展開でした。一方NY株式市場では企業決算が好調だったことや、住宅着工件数などが市場予想を上回ったことを好感し、ダウなど主要3指数は揃って最高値を更新しています。急速な金利上昇はないという市場の見方を表している証左だと考えられます。
もっともドル円が下押しした理由の一つがユーロの動きの影響との見方もできます。ECBの理事会が今夜開催され、ドラギ総裁の発言が注目されています。総裁は先月27日、ポルトガルで行われた年次総会で「デフレ圧力がインフレ圧力に変わった」と述べました。この発言をきっかけに市場は、金融緩和縮小が近いと読み、ユーロドルを中心に買い戻しに舵を切り替え、ユーロ高につながった経緯があります。本日の理事会で緩和政策の変更はないとしても、その実施タイミングについてのヒントが得られる可能性があります。
ユーロ円の売りもNY時間の朝方には目立っており、これがドル円を押し下げたとも言えそうです。ユーロが主要通貨に対して買われており、その額も積み上がっているものと思われます。ドラギ総裁の一言で上にも下にも行く可能性があるため、ここはひとまず利益を確保しておきたいと思うのはごく自然の流れです。ただ現時点ではドル円の下落に対してそれほど心配はしていません。
WTI原油価格が44ドル台まで下げた後戻り調子であることや、米長期金利も4月のドル円が108円台前半まで下げた時には2.18%台まで低下していました。昨日の住宅関連指標のように、今後も経済指標は強弱まちまちであるとの前提に立てば、米長期金利が一方的に下げ続ける展開が想定しにくいと思われます。良好な経済指標が続けば金利上昇につながり、今回のように低調な経済指標が続けば金利が下がる。そのような波の揺り戻しが続いているのが、足元の相場展開かと思います。
本日はECBに加え、日銀も政策決定会合を開きます。政策変更はないとしても、現行の緩和策の継続を強調するような発言が黒田総裁の口から出てくるようだと、ドル円反転のきっかけになるかもしれません。予想レンジは111円30銭〜112円30銭程度とします。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/8 | ドラギ・ECB総裁 | 「忍耐が必要だ。引き続き、われわれの金融政策で回復を支えていかなければならない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.125近辺から1.12割れに |
| 6/14 | FOMC声明文 | 「委員会は現在、経済が概ね予想通りに進展するとの想定で、バランスシート正常化プログラムの年内開始を見込んでいる」 | ドル円108円台から109円台に |
| 6/14 | イエレン・FRB議長 | 「経済が予想通り進展すれば、年内のプロセス開始に向けた環境は整うはずだ」利上げ後の記者会見で。 | ドル円108円台から109円台に |
| 6/19 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「(米景気は)実際のところまだ長く継続すると強く確信している」講演で。 | ドル円111円から111円台半ばまで上昇 |
| 6/20 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「長期にわたる低金利は将来の金融ショックやリセッションへの金融政策の対応能力を低下させる」講演で。 | -------- |
| 6/27 | イエレン・FRB議長 | 「金利は非常にゆっくりと引き上げるのが目標達で適切になるとの考えは、これまでに極めて明確にしている。(一部の資産については)高くみえるが、確信はない」ロンドンでの講演で。 | ドル円111円台後半からから112円台半ばへ。株価は急落。 |
| 6/27 | ドラギ・ECB総裁 | 「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さ増し、裾野が広がっていることを示している。デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」年次総会で。 | ユーロドル1.12台から1.1350に。米独の債券は急落。 |
| 7/6 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「景気回復の持続が金融政策正常化の展望を開く」 | ユーロドル1.13台から1.1425に。米独の債券は下落。 |
| 7/8 | メルケル・ドイツ首相 | 「不一致の分野があったことを隠すべきではない。首脳宣言に合意が成立しなかった分野を反映させる必要がある」G20後の記者会見で。 | -------- |
| 7/12 | イエレン・FRB議長 | 「経済見通しは常に、相当な不確実性が伴う。例として、インフレがいつ、そしてどの程度、リソース活用の引き締まりに反応するかを巡る不確実性が挙げられる」「向こう数年間に2%のインフレ率を達成する軌道にないという判断を下すのは時期尚早だ。FOMCは向こう数ヶ月、インフレの動向を注視していく」下院での議会証言で。 | ドル売り円買いが強まり、株価と債券価格は急上昇。 |



