2017年7月25日(火) 「ドル円110円台半ばから切り返す」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 上値の重いドル円は欧州市場でもジリ安が続き、110円62銭まで売られた。NY市場でも110円78銭の安値をつけたが、その後金利が上昇したこともあり111円台に戻して引ける。
- ユーロドルは上値がやや重くなってきたものの下げる気配はなく、終始1.16台で推移。
- 株式市場は材料のない中、セクター別で強弱まちまち。ダウは3日続落したが、ナスダックは23ポイント上昇し、最高値を更新。
- 債券相場は終日軟調な展開。3カ月物の財務省短期証券(Tビル)の入札が不調だったことが響いた。長期金利は2.25%台へと小幅に上昇。
- 金は小幅に反落、原油価格は前日の大幅下落から反発。
| ドル/円 | 110.78 〜 111.32 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1626 〜 1.1657 |
| ユーロ/円 | 129.01 〜 129.49 |
| NYダウ | −66.90 → 21,513.17 |
| GOLD | −0.60 → 1254.30ドル |
| WTI | +0.57 → 46.34ドル |
| 米10年国債 | +0.018 → 2.255% |
本日の注目イベント
- 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(6月15日、16日分)
- 独 独7月ifo景況感指数
- 米 FOMC(26日まで)
- 米 5月FHFA住宅価格指数
- 米 5月ケース・シラ−住宅価格指数
- 米 7月消費者信頼感指数
- 米 7月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 企業決算 → マクドナルド、キャタピラー、GM、AT&T、デュポン、3M
ドル円は昨日の朝方日経平均株価の下落とともに110円77銭まで売られたが、その後111円台に戻す展開でした。欧州市場では再び下落し、110円62銭までドル安が進みました。NY市場でも引き続き上値は重かったものの、長期金利が上昇したことを手掛かりにドルを買う動きも出て、111円台で戻って来ました。
今月11日に114円49銭の高値をつけてからは一貫して下げて来ました。約4円ほど下げたことになりますが、足元ではレンジの下方である110円を試している展開です。今日の動きで111円台半ばを超える場面があれば、短期的には110円台半ばで下げ止まった印象も出ており、若干値を戻すことも考えられます。
本日から始まるFOMCの内容が明日声明文として発表されますが、労働市場が好調の割には、その他の経済データがよくありません。特に消費者物価指数など、インフレ指標が伸びず、これが利上げ観測にブレイキをかけています。イエレン議長も、先の議会証言で「FOMCは向こう数カ月インフレ動向に注視していく」と述べています。直近のインフレ率の鈍化を受けても、利上げの道筋に変化はないのかどうかを確認したいと思います。今回のFOMCでは、声明文発表後にイエレン議長の会見は予定されていません。そのためサプライズはないと思われますが、それでも上述のように、声明文の内容次第では為替に影響を与えます。
今回のFOMCが「無風」に終わると、8月はFOMCが開催されないので、次の注目は8月24〜26日に行われる「ジャクソンホール」です。これはカンザスシティー連銀が毎年開催する「経済シンポジューム」です。既にECBのドラギ総裁の講演が予定されており注目を集めていますが、イエレン議長も参加することになっています。現時点では講演があるかどうかは定かではありませんが、近いうちに同連銀からアジェンダが公表されることになっています。9月のFOMCを前にイエレン議長の胸のうちを探る良い機会になるかもしれません。
ここまでのドル円下落の要因は、長期金利の低下とトランプ政権への不透明感がメインでした。引き続きこの2つが重要な鍵を握っていますが、トランプ氏の娘婿であるクシュナー上級顧問は昨日、上院情報特別委員会から2時間半に及ぶ聴取を受けました。氏はその後の会見で「私はロシアと共謀しなかったし、トランプ陣営の他の誰かが共謀したとも関知していない」とホワイトハウスで述べています。一方で、期間中にロシア人と4回接触したことは認めているようで、(ブルームバーグ)まだ不透明さは拭いきれません。
本日は110円台半ばが維持されたことで、戻り上値を確認する展開を予想しています。レンジは110円70銭〜111円70銭程度をみています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/8 | ドラギ・ECB総裁 | 「忍耐が必要だ。引き続き、われわれの金融政策で回復を支えていかなければならない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.125近辺から1.12割れに |
| 6/14 | FOMC声明文 | 「委員会は現在、経済が概ね予想通りに進展するとの想定で、バランスシート正常化プログラムの年内開始を見込んでいる」 | ドル円108円台から109円台に |
| 6/14 | イエレン・FRB議長 | 「経済が予想通り進展すれば、年内のプロセス開始に向けた環境は整うはずだ」利上げ後の記者会見で。 | ドル円108円台から109円台に |
| 6/19 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「(米景気は)実際のところまだ長く継続すると強く確信している」講演で。 | ドル円111円から111円台半ばまで上昇 |
| 6/20 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「長期にわたる低金利は将来の金融ショックやリセッションへの金融政策の対応能力を低下させる」講演で。 | -------- |
| 6/27 | イエレン・FRB議長 | 「金利は非常にゆっくりと引き上げるのが目標達で適切になるとの考えは、これまでに極めて明確にしている。(一部の資産については)高くみえるが、確信はない」ロンドンでの講演で。 | ドル円111円台後半からから112円台半ばへ。株価は急落。 |
| 6/27 | ドラギ・ECB総裁 | 「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さ増し、裾野が広がっていることを示している。デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」年次総会で。 | ユーロドル1.12台から1.1350に。米独の債券は急落。 |
| 7/6 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「景気回復の持続が金融政策正常化の展望を開く」 | ユーロドル1.13台から1.1425に。米独の債券は下落。 |
| 7/8 | メルケル・ドイツ首相 | 「不一致の分野があったことを隠すべきではない。首脳宣言に合意が成立しなかった分野を反映させる必要がある」G20後の記者会見で。 | -------- |
| 7/12 | イエレン・FRB議長 | 「経済見通しは常に、相当な不確実性が伴う。例として、インフレがいつ、そしてどの程度、リソース活用の引き締まりに反応するかを巡る不確実性が挙げられる」「向こう数年間に2%のインフレ率を達成する軌道にないという判断を下すのは時期尚早だ。FOMCは向こう数ヶ月、インフレの動向を注視していく」下院での議会証言で。 | ドル売り円買いが強まり、株価と債券価格は急上昇。 |
| 7/20 | ドラギ・ECB総裁 | 「しっかりとした景気回復がついに訪れた。あとは賃金と物価がこれに追随するのを待つばかりだ」「粘り強さと忍耐、慎重さが必要だ。まだそこまでに至っていないからだ」理事会後の記者会見で | ユーロドル1.14台から1.1659に。 |
| 7/23 | シューマー・民主党上院院内総務 | トランプ大統領が特別検察官を解任したり、自身に恩赦した場合、極めて重要な法律違反の一つになると同時に、民主主義の本質に関する伝統的な民主的規範にも反することになる。ワシントンは激震に見舞われるだろう。 | -------- |



