今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年7月26日(水) 「ユーロドルIMFのレポート受け急落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は反発。良好な経済指標に長期金利が上昇したことで、円売りが強まった。ドル円は111円95銭まで買われ、高値圏で引ける。株高もドル円を押し上げた。
  • ユーロドルも一時は1.1712までユーロ高が進み、2015年8月の高値と並ぶ。ただその後IMFがECBに対して、緩和策の解除に慎重になるよう求めたことで急落。上昇分を吐き出す結果に。
  • 株式市場は反発。キャタピラーやマクドナルドの好決算を好感し、ダウは100ドルを超える上昇。S&P500は最高値を更新。
  • 債券相場は大幅に続落。消費者マインドなど良好な経済指標に反応し、売りが強まる。長期金利は2.33%台まで上昇。
  • 金は続落。原油価格はOPECなど産油国が減産の追加策を発表したことで大幅に買われる。
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 5月FHFA住宅価格指数 → +0.4%
 5月ケース・シラ−住宅価格指数 → +5.69%
 7月消費者信頼感指数 → 121.1
 7月リッチモンド連銀製造業指数 → 14
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ドル/円 111.31 〜 111.95
ユーロ/ドル 1.1643 〜 1.1712
ユーロ/円 129.97 〜 130.59
NYダウ +100.26 → 21,613.43
GOLD −2.20 → 1252.10ドル
WTI +1.55 → 47.89ドル
米10年国債 +0.080 → 2.335%

本日の注目イベント

  • 豪 豪第2四半期消費者物価指数
  • 英 英4−6月期GDP(速報値)
  • 米 FOMC 声明発表
  • 米 6月新築住宅販売件数
  • 米 企業決算 → コカコーラ、ボーイング、フェイスブック

昨日のこの欄で、ドル円は111円台半ばを越えれば、上昇のきっかをつかむことができるかもしれないと述べましたが、NY市場でドル円は111円95銭まで反発し、110円台半ばが目先の底値の可能性が出て来ました。あくまでも「目先の」という形容詞をつけなければなりませんが、110−115円のレンジ内での動きが継続し、まだメインのトレンドの発生は確認されていないということです。

ドル円上昇のきっかけは、カギを握っている米長期金利の急騰(価格は下落)でした。昨日発表されたコンファレンスボードの消費者マインドなどの経済データが事前予想を上回っていたことで、米景気の先行きに対する懸念が後退し、これが米国債の売りにつながりました。やはり、米長期金利とドル円との強い相関関係が続いていることになります。

本日も、米国株が上昇し円安傾向に振れたことで、日本株の上昇も見込めると思います。それに伴って、ドル円も上値を試しそうな雰囲気ですが、「1時間足」では112円に乗せた直ぐ上に「120時間線」があり、先ずはこのレベルを抜けることできるかどうかに注目しています。また、仮に上抜けに成功しても「4時間足」では112円20銭より上に雲の下限があり、ここから112円台半ばまでドル高が進むには、かなりのドル買い材料が必要と言えます。一般的な相場観からしても、前日に110円62銭まで売られた後であることを考えると、上記水準からはドル売りも出そうな水準ではあります。

興味深いのはユーロドルの動きです。ECBによる量的緩和縮小観測を材料にユーロ高が続いていますが、昨日はついに1.17台に乗せ、1.1712までユーロ高が進みました。この欄でも何度か触れましたが、この水準は2015年8月24日に記録した直近高値です。「ユーロドルの1.7台からは慎重になるべき」という言葉も残しましたが、昨日はIMFから冷や水を浴びせられ、上昇分を一気に吐き出す荒っぽい動きでした。

IMFはこの日のレポートで、「インフレの道筋がECBの物価安定目標に向けて持続的な上昇を見せるまで、金融政策はしっかりと緩和的な状態を維持すべきだ」と言明しました。(ブルームバーグ)このレポートをきっかけにユーロ売りが強まりましたが、IMFが安易な政策変更は市場の混乱を招くと、異例の警告を発信した格好です。

FOMCは明日の朝方3時に発表されます。110円台半ばからようやく反転の兆しを見せたドル円ですが、声明文の内容次第ではまた、元の鞘に押し戻されることになるかもしれません。また反対に、再び114円台への踏み台になる可能性もあります。声明文では米景気の見方に変化はないのかどうかに注目しています。本日のレンジはややワイドに、111円〜112円50銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
6/8 ドラギ・ECB総裁 「忍耐が必要だ。引き続き、われわれの金融政策で回復を支えていかなければならない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.125近辺から1.12割れに
6/14 FOMC声明文 「委員会は現在、経済が概ね予想通りに進展するとの想定で、バランスシート正常化プログラムの年内開始を見込んでいる」 ドル円108円台から109円台に
6/14 イエレン・FRB議長 「経済が予想通り進展すれば、年内のプロセス開始に向けた環境は整うはずだ」利上げ後の記者会見で。 ドル円108円台から109円台に
6/19 ダドリー・NY連銀総裁 「(米景気は)実際のところまだ長く継続すると強く確信している」講演で。 ドル円111円から111円台半ばまで上昇
6/20 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「長期にわたる低金利は将来の金融ショックやリセッションへの金融政策の対応能力を低下させる」講演で。 --------
6/27 イエレン・FRB議長 「金利は非常にゆっくりと引き上げるのが目標達で適切になるとの考えは、これまでに極めて明確にしている。(一部の資産については)高くみえるが、確信はない」ロンドンでの講演で。 ドル円111円台後半からから112円台半ばへ。株価は急落。
6/27 ドラギ・ECB総裁 「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さ増し、裾野が広がっていることを示している。デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」年次総会で。 ユーロドル1.12台から1.1350に。米独の債券は急落。
7/6 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「景気回復の持続が金融政策正常化の展望を開く」 ユーロドル1.13台から1.1425に。米独の債券は下落。
7/8 メルケル・ドイツ首相 「不一致の分野があったことを隠すべきではない。首脳宣言に合意が成立しなかった分野を反映させる必要がある」G20後の記者会見で。 --------
7/12 イエレン・FRB議長 「経済見通しは常に、相当な不確実性が伴う。例として、インフレがいつ、そしてどの程度、リソース活用の引き締まりに反応するかを巡る不確実性が挙げられる」「向こう数年間に2%のインフレ率を達成する軌道にないという判断を下すのは時期尚早だ。FOMCは向こう数ヶ月、インフレの動向を注視していく」下院での議会証言で。 ドル売り円買いが強まり、株価と債券価格は急上昇。
7/20 ドラギ・ECB総裁 「しっかりとした景気回復がついに訪れた。あとは賃金と物価がこれに追随するのを待つばかりだ」「粘り強さと忍耐、慎重さが必要だ。まだそこまでに至っていないからだ」理事会後の記者会見で ユーロドル1.14台から1.1659に。
7/23 シューマー・民主党上院院内総務 トランプ大統領が特別検察官を解任したり、自身に恩赦した場合、極めて重要な法律違反の一つになると同時に、民主主義の本質に関する伝統的な民主的規範にも反することになる。ワシントンは激震に見舞われるだろう。 --------
7/25 IMF 「インフレの道筋がECBの物価安定目標に向けて持続的な上昇を見せるまで、金融政策はしっかりと緩和的な状態を維持すべきだ」レポートで。 ユーロドル1.1712から1.1645まで急落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和