2017年7月31日(月) 「ドル円110円台半ばまで下落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米4−6月期のGDP発表を受けドル円は続落。節目の110円台後半を下回り、110円55銭までドル安が進む。
- ユーロドルは1.17台半ばまで反発する。オバマケア廃案が否決されるなど、トランプ政権の先行きが不透明な状況からドル売りが続き、ユーロを押し上げた。
- 株式市場では、アマゾンの業績見通し失望からハイテク株が売られナスダックは7ポイント下落。一方ダウは33ドル上昇し、3日連続で最高値を更新。
- 債券相場は上昇。GDPが市場予想を下回ったことが利上げ観測の後退につながった。長期金利は2.28%台へ低下。
- 金は続伸。原油価格も続伸し、約2カ月ぶりに49ドル台後半に。
4−6月GDP(速報値) → 2.6%
7月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 93.4
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| ドル/円 | 110.55 〜 111.24 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1715 〜 1.1764 |
| ユーロ/円 | 129.99 〜 130.40 |
| NYダウ | +33.76 → 21,830.31 |
| GOLD | +8.80 → 1275.31ドル |
| WTI | +0.67 → 49.71ドル |
| 米10年国債 | −0.021 → 2.289% |
本日の注目イベント
- 日 6月鉱工業生産
- 中 中国 7月製造業PMI(速報値)
- 中 中国 7月非製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ7月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏6月失業率
- 英 英6月消費者信用残高
- 米 7月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 6月中古住宅販売成約指数
米第2四半期のGDP速報値が市場予想の「2.7%」を下回り、「2.6%」だったことで利上げ観測がやや後退し、長期金利が低下したことでドル円は一時110円55銭まで売られました。約1カ月半ぶりのドル安水準を記録しています。
これまでは110円80−90銭近辺ではドルが反発し、上値は重いながらも底堅い動きでしたが、今回、この水準を下回ってきました。110−110円台半ばが次のサポートゾーンと見ていますが、ここを下抜けするようだと、市場にもドルの先安観が一気に台頭してくると予想しています。もっとも、今回のGDPはそもそも上方修正されていて、1週間ほど前までは「2.5%」の予想でした。従って、「2.6%」の結果そのものは決して、悪い数字ではないと言えます。
ただ、GDPが予想に届かなかっただけではなく、ミシガン大学消費者マインドも速報値よりも下方修正され、さらにオバマケアを廃案する法案も否決され、医療改革制度の先行きも怪しくなってきました。それに加え、28日にはトランプ大統領はプリーバス主席補佐官を更迭しました。しかもこの更迭をツイッターだけで公表しており、トランプ氏の対応にも非難の声が上がっています。これで、政権発足以来わずか半年でフリン大統領補佐官、スパイサー報道官に次ぎ3人の重要な側近が更迭され、異常な状況になっています。
政策実施の可能性だけではなく、政権の維持そのものにも不透明さが付きまとうトランプ氏ですが、ロシア問題でも同国に対する制裁強化法案の成立が確実になっており、ロシアとの融合を目指すトランプ氏にとって不利になっており、まさに逆風が吹き荒れている状況と言えます。また北朝鮮問題でも、夜中のミサイル発射に関して「中国は口先だけで、何もしない」と不満を表しています。
ドル円は今朝方のオセアニア市場で、110円49銭までドル安が進んでおり、市場は下値を試す動きを見せています。日本株は相変わらず2万円の攻防で、上昇のきっかけを掴みきれていません。本日、日本株が大きく値を下げるようだと、ドル円も110円を目指す方向に向かうと予想しています。本日のレンジは110円―111円程度を見ますが、朝方10時に発表される中国のPMIにも注意が必要です。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/8 | ドラギ・ECB総裁 | 「忍耐が必要だ。引き続き、われわれの金融政策で回復を支えていかなければならない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.125近辺から1.12割れに |
| 6/14 | FOMC声明文 | 「委員会は現在、経済が概ね予想通りに進展するとの想定で、バランスシート正常化プログラムの年内開始を見込んでいる」 | ドル円108円台から109円台に |
| 6/14 | イエレン・FRB議長 | 「経済が予想通り進展すれば、年内のプロセス開始に向けた環境は整うはずだ」利上げ後の記者会見で。 | ドル円108円台から109円台に |
| 6/19 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「(米景気は)実際のところまだ長く継続すると強く確信している」講演で。 | ドル円111円から111円台半ばまで上昇 |
| 6/20 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「長期にわたる低金利は将来の金融ショックやリセッションへの金融政策の対応能力を低下させる」講演で。 | -------- |
| 6/27 | イエレン・FRB議長 | 「金利は非常にゆっくりと引き上げるのが目標達で適切になるとの考えは、これまでに極めて明確にしている。(一部の資産については)高くみえるが、確信はない」ロンドンでの講演で。 | ドル円111円台後半からから112円台半ばへ。株価は急落。 |
| 6/27 | ドラギ・ECB総裁 | 「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さ増し、裾野が広がっていることを示している。デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」年次総会で。 | ユーロドル1.12台から1.1350に。米独の債券は急落。 |
| 7/6 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「景気回復の持続が金融政策正常化の展望を開く」 | ユーロドル1.13台から1.1425に。米独の債券は下落。 |
| 7/8 | メルケル・ドイツ首相 | 「不一致の分野があったことを隠すべきではない。首脳宣言に合意が成立しなかった分野を反映させる必要がある」G20後の記者会見で。 | -------- |
| 7/12 | イエレン・FRB議長 | 「経済見通しは常に、相当な不確実性が伴う。例として、インフレがいつ、そしてどの程度、リソース活用の引き締まりに反応するかを巡る不確実性が挙げられる」「向こう数年間に2%のインフレ率を達成する軌道にないという判断を下すのは時期尚早だ。FOMCは向こう数ヶ月、インフレの動向を注視していく」下院での議会証言で。 | ドル売り円買いが強まり、株価と債券価格は急上昇。 |
| 7/20 | ドラギ・ECB総裁 | 「しっかりとした景気回復がついに訪れた。あとは賃金と物価がこれに追随するのを待つばかりだ」「粘り強さと忍耐、慎重さが必要だ。まだそこまでに至っていないからだ」理事会後の記者会見で | ユーロドル1.14台から1.1659に。 |
| 7/23 | シューマー・民主党上院院内総務 | トランプ大統領が特別検察官を解任したり、自身に恩赦した場合、極めて重要な法律違反の一つになると同時に、民主主義の本質に関する伝統的な民主的規範にも反することになる。ワシントンは激震に見舞われるだろう。 | -------- |
| 7/25 | IMF | 「インフレの道筋がECBの物価安定目標に向けて持続的な上昇を見せるまで、金融政策はしっかりと緩和的な状態を維持すべきだ」レポートで。 | ユーロドル1.1712から1.1645まで急落。 |



