今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年8月8日(火) 「NYダウ上昇止まらず」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は110円台で小動き。株価の上昇で110円92銭まで上昇したものの、111円には届かず。この日の下値も110円70銭と値幅も22銭と小幅に終える。
  • ユーロドルは1.18を挟んでもみ合い。ドル円同様、方向感もなく値幅も20ポイント強に収まる。
  • 株式市場は続伸。テクノロジー株が買われ、ダウとS&P500は最高値を更新。ダウはこれで、9営業日連続で最高値を更新する。
  • 債券は朝方売られたものの、その後は切り返し堅調に推移。長期金利はやや低下し、2.25%台に。
  • 金は反落し、原油価格も小幅に安い。
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 6月消費者信用残高 → 123.97億ドル
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ドル/円 110.70 〜 110.92
ユーロ/ドル 1.1782 〜 1.1804
ユーロ/円 130.50 〜 130.83
NYダウ +25.61 → 22,118.42
GOLD +0.10 → 1264.70ドル
WTI −0.19 → 49.39ドル
米10年国債 −0.009 → 2.253%

本日の注目イベント

  • 日 6月貿易収支
  • 日 7月景気ウオッチャー調査
  • 独 独9月貿易収支
  • 独 独3月経常収支

ドル円は110円台半ばから後半でもみ合い、110円92銭まで買われる場面もありましたが、111円には届いていません。先週まで110円割れを試し、当面のドルの底値を試そうとする動きは、先週末に発表された良好な雇用統計を材料に、やや後退した印象です。それでも依然として上値は重く、このままでいくと、相場も「夏休み入り」する可能性も出て来ました。

昨日のNY市場ではドル円だけではなく、ユーロドルなど主要通貨の値動きも小幅に留まり、すでに夏相場の兆候も見え始めています。連銀総裁の講演もありましたが、こちらへの反応も限定的でした。セントルイス連銀のブラード総裁は、バランスシート縮小開始について「9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない」と発言し、利上げについては「政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」と、利上げには否定的な見方を示しています。(フルームバーグ)

またミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「インフレ率は当局の2%目標に届いてはおらず、やや低い。実際これは重要だ」と述べ、ブラード総裁と同じように、「ハト派」的な立場を示しています。もっともカシュカリ総裁については、前回利上げの際にも反対しており、現在のFOMCメンバーの中では「最もハト派」と見られています。9月のFOMCではバランスシート縮小のアウトラインが示され、12月のFOMCで、今年3回目となる利上げ、というのが市場が予想するメインシナリオですが、利下げに関してはまだ予断を許しません。その意味では今月24−26日に行われるジャクソンホールでの会合で何かヒントが得られるのではないかと期待が膨らみます。

ドル円は先週、110円割れを試し、109円台後半を2回テストして反発して来ました。「日足」チャートでは、4月には108円13銭を底値に反発し、6月には108円82銭を底値に、これも反発しています。そして今回は109円86銭を底値に反転しています。上値が重いのも事実ですが、逆な見方をすれば「下値が切りあがっている」のも確認できます。結局、日足では「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を形成している途中だと見ることができます。

引き続き低調なインフレ率の行方が今後のドル円の鍵を握ることになりますが、今週末には7月の消費者物価指数(CPI)が発表されます。今週最も重要な経済指標として注目されますが、その結果を見るまでは動きにくい展開が続きそうです。気になるのはNY株式市場です。特にダウは7月26日以来連日最高値を更新しており、昨日も25ドル上昇し、異次元の上昇力を見せています。もし何かのきっかけで大きく下げる場面があれば、一日で300−500ドル程下げることも考えられます。警戒感は維持したいところです。本日のレンジは110円40銭〜111円10銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
7/6 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「景気回復の持続が金融政策正常化の展望を開く」 ユーロドル1.13台から1.1425に。米独の債券は下落。
7/8 メルケル・ドイツ首相 「不一致の分野があったことを隠すべきではない。首脳宣言に合意が成立しなかった分野を反映させる必要がある」G20後の記者会見で。 --------
7/12 イエレン・FRB議長 「経済見通しは常に、相当な不確実性が伴う。例として、インフレがいつ、そしてどの程度、リソース活用の引き締まりに反応するかを巡る不確実性が挙げられる」「向こう数年間に2%のインフレ率を達成する軌道にないという判断を下すのは時期尚早だ。FOMCは向こう数ヶ月、インフレの動向を注視していく」下院での議会証言で。 ドル売り円買いが強まり、株価と債券価格は急上昇。
7/20 ドラギ・ECB総裁 「しっかりとした景気回復がついに訪れた。あとは賃金と物価がこれに追随するのを待つばかりだ」「粘り強さと忍耐、慎重さが必要だ。まだそこまでに至っていないからだ」理事会後の記者会見で ユーロドル1.14台から1.1659に。
7/23 シューマー・民主党上院院内総務 トランプ大統領が特別検察官を解任したり、自身に恩赦した場合、極めて重要な法律違反の一つになると同時に、民主主義の本質に関する伝統的な民主的規範にも反することになる。ワシントンは激震に見舞われるだろう。 --------
7/25 IMF 「インフレの道筋がECBの物価安定目標に向けて持続的な上昇を見せるまで、金融政策はしっかりと緩和的な状態を維持すべきだ」レポートで。 ユーロドル1.1712から1.1645まで急落。
7/31 フィッシャー・FRB副議長 「ヘルスケアや規制、税制、貿易の政策に先行き不透明感がある。政治的な不透明感は経済成長を損なう」 --------
8/2 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 --------
8/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 ドル円下落。
8/2 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 ドル円下落。
8/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和