今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年8月17日(木) 「ドル円FOMC議事録で反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は110円台後半から反落。FOMC議事録でインフレ率の2%達成が長期化する可能性があると指摘していたことが材料に。ドル円は110円台半ば近辺から110円近辺まで急落。
  • ユーロドルは1.68台まで売られた後反発。1.1779までドル安ユーロ高が進む。
  • 株式市場は反発。FOMC議事録の内容はややハト派的だったことが買いにつながった。ダウは4日続伸し、2万2000ドル台を回復。
  • 債券相場は反発。2%のインフレ達成が長期化するとの議事録の内容に反応し買い物を集めた。長期金利は2.22%台に低下。
  • 金は続伸したが原油価格は3日続落し、46ドル台に。
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7月住宅着工件数   →   115.5万件
7月建設許可件数   →   122.3万件
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ドル/円 110.03 〜 110.95
ユーロ/ドル 1.1681 〜 1.1779
ユーロ/円 129.53 〜 129.83
NYダウ +25.88 → 22,024.87
GOLD +3.20 → 1,282.90ドル
WTI −0.77 → 46.78ドル
米10年国債 −0.051 → 2.222%

本日の注目イベント

  • 豪   豪7月雇用統計
  • 日   7月貿易収支
  • 欧   ユーロ圏7月消費者物価指数(改定値)
  • 欧   ECB議事要旨
  • 欧   ユーロ圏6月貿易収支
  • 英   英7月小売売上高
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   8月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米   7月鉱工業生産
  • 米   7月設備稼働率
  • 米   7月景気先行総合指数
  • 米   企業決算 →ウォルマート、ギャップ
  • 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演

ドル円は堅調な動きを見せ、昨日の夕方から欧州時間にかけては111円を伺う動きを見せたが、朝方公表されたFOMC議事録の内容を手掛かりにドル売りが強まり、110円03銭近辺まで下げ、この日の安値圏で引けています。結局今回のドルの戻り局面では、111円台までの回復はならず反落した形でした。

FOMC議事録では、大部分のメンバーが9月会合でのバランスシートの縮小計画発表を支持していたことが明らかになりました。これ事体はドル買い材料と見られますがインフレ率については、中期的に緩やかなペースで当局の目標である2%に上昇するとの予想を、過半数のメンバーが維持していたと記されていたが、「多くの参加者」は、インフレ率が現在見込まれているよりも長い期間2%未満に留まる可能性がややあるとの認識を示したとありました。また幾人かは、インフレ見通しへのリスクは下方向に傾斜している可能性があると指摘していたことも明らかになりました。(ブルームバーグ)

このほかにも、FRBスタッフは金融安定へのリスク評価を前回までの「注目に値する」から「高まった」へと上向きに修正したと記されています。全体としては「ハト派的」との印象が残る議事録の内容でした。ドル円はこの発表を契機に110円03銭まで売られ、ドルの上値の重さを確認させられた格好になりましたが、昨日は議事録に加え、トランプ大統領の言動もドル売りにつながったようです。

トランプ氏は白人至上主義団体と反対派の衝突に関して「双方に非がある」と発言したことが、共和党内からも非難の声が上がっており、今朝のメディアは「トランプ氏孤立も」との見出しを掲げています。またトランプ氏は自身が創設した「製造業諮問委員会と戦略・政策フォーラム」からメンバー脱退が続出したことで「メンバーである企業経営者らに圧力をかけるくらいなら、私は両組織とも解散する。みなさんありがとう!」とツィートし、解散を決めています。この会合からは世界最大の資産運用会社ブラック・ロックのフィンクスCEOなど、有力メンバーが脱退しています。

まさにトランプ氏にとっては「内憂外患」という文字がピタリとあてはまる状況です。北朝鮮リスクがやや後退したものの、一方でトランプリスクは着実に拡大しているように思えると言ったら、言いすぎでしょうか。

ドル円は再び下値を試す展開を強めてきましたが、先週末に記録した108円台後半を下抜けするほど事態は悪化していないと思っています。引き続き北朝鮮の動向から目が離せませんが、特段の動きがなければ本日の予想レンジは109円60銭〜110円60銭程度でしょうか。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
7/6 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「景気回復の持続が金融政策正常化の展望を開く」 ユーロドル1.13台から1.1425に。米独の債券は下落。
7/8 メルケル・ドイツ首相 「不一致の分野があったことを隠すべきではない。首脳宣言に合意が成立しなかった分野を反映させる必要がある」G20後の記者会見で。 --------
7/12 イエレン・FRB議長 「経済見通しは常に、相当な不確実性が伴う。例として、インフレがいつ、そしてどの程度、リソース活用の引き締まりに反応するかを巡る不確実性が挙げられる」「向こう数年間に2%のインフレ率を達成する軌道にないという判断を下すのは時期尚早だ。FOMCは向こう数ヶ月、インフレの動向を注視していく」下院での議会証言で。 ドル売り円買いが強まり、株価と債券価格は急上昇。
7/20 ドラギ・ECB総裁 「しっかりとした景気回復がついに訪れた。あとは賃金と物価がこれに追随するのを待つばかりだ」「粘り強さと忍耐、慎重さが必要だ。まだそこまでに至っていないからだ」理事会後の記者会見で ユーロドル1.14台から1.1659に。
7/23 シューマー・民主党上院院内総務 トランプ大統領が特別検察官を解任したり、自身に恩赦した場合、極めて重要な法律違反の一つになると同時に、民主主義の本質に関する伝統的な民主的規範にも反することになる。ワシントンは激震に見舞われるだろう。 --------
7/25 IMF 「インフレの道筋がECBの物価安定目標に向けて持続的な上昇を見せるまで、金融政策はしっかりと緩和的な状態を維持すべきだ」レポートで。 ユーロドル1.1712から1.1645まで急落。
7/31 フィッシャー・FRB副議長 「ヘルスケアや規制、税制、貿易の政策に先行き不透明感がある。政治的な不透明感は経済成長を損なう」 --------
8/2 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 --------
8/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 ドル円下落。
8/2 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 ドル円下落。
8/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 --------
8/8 トランプ・米大統領 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 ドル円下落。
8/14 ダドリー・NY連銀総裁 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 ドル高が進む。
8/15 カプラン・ダラス連銀総裁 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和