今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年8月21日(月) 「ドル円108円台半ばまで下落後反発」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は軟調な流れが続き、108円61銭まで下落したが、ホワイトハウスがバノン主席戦略官・上級顧問の解任を発表すると急反発。109円60銭までドルが買い戻され、109円15−25銭で越週。
  • ユーロドルは小動き。1.1730から半ばで推移し、値幅は37ポイントに留まる。今週ジャクソンホールでのドラギ総裁の講演待ち。
  • 株式市場は続落。ダウは一時100ドルを超える下げを見せていたが、バノン氏辞任が発表されると急反発しプラス圏に。引けにかけては再度売られ、76ドル安で引ける。
  • 債券相場は続伸して始まったが、その後上げ幅を縮め、結局小幅安で引ける。長期金利は2.19%台に上昇。
  • 金は小幅安。原油価格は続伸し、48ドル台を回復。
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 8月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 97.6
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ドル/円 108.61 〜 109.60
ユーロ/ドル 1.1730 〜 1.1767
ユーロ/円 127.59 〜 128.41
NYダウ −76.22 → 21,674.51
GOLD −0.80 → 1,291.60ドル
WTI +1.64 → 48.73
米10年国債 +0.009 → 2.194%

本日の注目イベント

  • 韓 米韓合同軍事演習開始
  • 欧 OPECとOPEC非加盟の主要産油国の合同専門委員会会合(ウイーン)

北朝鮮問題とトランプ政権に対する不安が広がり、ドル円は一時108円台半ばまで売られました。6月に記録した108円88銭を下回り、108円の前半を試す勢いでしたがホワイトハウスが、バノン主席戦略官・上級顧問が退任すると発表するとドル円は急反発し、それに伴って株価も持ち直し、上昇していた債券も売られる展開に変わりました。バノン氏は、それまでホワイトハウス内では他の主要メンバーとの間で意見の対立があり、辞任したことが政権維持にとってはプラスに働くとの思惑からドルが買い戻されたものと思われます。

そうは言っても、相次ぐ側近の辞任でトランプ政権の先行きは極めて厳しい運営が予想されます。白人至上主義と反対派との衝突を巡る発言でも、ボストンで大規模な抗議デモが起きており、もはや政策どころではなくなったような印象です。また北朝鮮問題でも、本日から韓国との合同軍事演習が予定されており、北朝鮮側は「火に油を注ぐ行為」と非難しており、予定通り実施されれば、北朝鮮側から新たな報復行為があるかもしれません。

さらにスペインでは2ヶ所でテロが発生しており、円が選好される状況が続いていると言えます。先週末に発表された8月のミシガン大学消費者マインドは「97.6」と、7カ月ぶりの高水準でした。米経済指標は比較的好調な内容を示すものが多く、ファンダメンタルズ的には9月のバランスシート縮小開始のアナウンスと、12月の、今年3回目となる利上げは十分可能だと思われますが、トランプリスクが今後どのようにFRBの政策に影響を与えてくるのかが焦点の一つになりそうです。逆に言えば、FRBがトランプ政権の政治的リスクを考慮しないで政策判断を下すのかどうかが注目されます。

本日は経済指標もないため、注目すべきイベントは上述のように、米韓合同軍事演習です。予想レンジは108円50銭から109円70銭程度と見ています。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
7/6 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「景気回復の持続が金融政策正常化の展望を開く」 ユーロドル1.13台から1.1425に。米独の債券は下落。
7/8 メルケル・ドイツ首相 「不一致の分野があったことを隠すべきではない。首脳宣言に合意が成立しなかった分野を反映させる必要がある」G20後の記者会見で。 --------
7/12 イエレン・FRB議長 「経済見通しは常に、相当な不確実性が伴う。例として、インフレがいつ、そしてどの程度、リソース活用の引き締まりに反応するかを巡る不確実性が挙げられる」「向こう数年間に2%のインフレ率を達成する軌道にないという判断を下すのは時期尚早だ。FOMCは向こう数ヶ月、インフレの動向を注視していく」下院での議会証言で。 ドル売り円買いが強まり、株価と債券価格は急上昇。
7/20 ドラギ・ECB総裁 「しっかりとした景気回復がついに訪れた。あとは賃金と物価がこれに追随するのを待つばかりだ」「粘り強さと忍耐、慎重さが必要だ。まだそこまでに至っていないからだ」理事会後の記者会見で ユーロドル1.14台から1.1659に。
7/23 シューマー・民主党上院院内総務 トランプ大統領が特別検察官を解任したり、自身に恩赦した場合、極めて重要な法律違反の一つになると同時に、民主主義の本質に関する伝統的な民主的規範にも反することになる。ワシントンは激震に見舞われるだろう。 --------
7/25 IMF 「インフレの道筋がECBの物価安定目標に向けて持続的な上昇を見せるまで、金融政策はしっかりと緩和的な状態を維持すべきだ」レポートで。 ユーロドル1.1712から1.1645まで急落。
7/31 フィッシャー・FRB副議長 「ヘルスケアや規制、税制、貿易の政策に先行き不透明感がある。政治的な不透明感は経済成長を損なう」 --------
8/2 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 --------
8/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 ドル円下落。
8/2 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 ドル円下落。
8/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 --------
8/8 トランプ・米大統領 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 ドル円下落。
8/14 ダドリー・NY連銀総裁 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 ドル高が進む。
8/15 カプラン・ダラス連銀総裁 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和