今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年8月28日(月) 「ジャクソンホールからのヒントは無し」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は注目されたイエレン議長の講演で、金融政策に関する発言が特になかったことで円買いドル売りが進む。一時は109円11銭までドル安が進み、ユーロが買われたことも円買いにつながった。
  • ジャクソンホールで行われたドラギ総裁の講演では、量的緩和に関する発言はなかったものの、景気に関して強気な発言がユーロ買いを促した。ユーロドルは1.1941まで買われ、2年7カ月ぶりのユーロ高を記録。
  • 株式市場はまちまち。ダウは30ドル高と続伸したものの、ナスダックは5ポイント反落。
  • 債券相場は反発。イエレン議長が政策見通しへの見解を示さなかったことで債券が買われた。長期金利は2.16%台まで低下。
  • 金と原油はともに反発。
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 7月耐久財受注 → −6.8%
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ドル/円 109.11 〜 109.85
ユーロ/ドル 1.1815 〜 1.1941
ユーロ/円 129.39 〜 130.43
NYダウ +30.27 → 21,813.67
GOLD +5.90 → 1,297.90ドル
WTI +0.43 → 47.86
米10年国債 −0.028 → 2.166%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏7月マネーサプライ
  • 英 英株式市場は祝日(サマーバンクホリデー)のため休場

ジャクソンホールで行われたイエレン議長とドラギ総裁の講演が注目の的でしたが、両氏は共に金融政策の見通しについては言及を避け、一部市場で予想されたとおりの結果になりました。それでも市場は、イエレン議長が利上げに関してヒントを与えなかったことで円買いドル売りで反応し、ドル円は109円11銭まで売られ、ユーロドルもドラギ総裁がユーロ高をけん制しなかったことで、ユーロ買いが加速し、1.1941まで上昇しました。

ユーロドルは1.19台半ばまで買われたことで、1.20が視野に入って来ました。ユーロは対円でも130円台半ばまで上昇し、こちらも2週間ぶりのユーロ高水準です。先週は1.17前後まで売られたユーロドルでしたが、再びユーロ買いが再燃しており、市場参加者もユーロに強気になってきたと思われます。ただこのままユーロ高がさらに進むと、回復基調にあるユーロ圏の景気に水をさすことになるため、この先ドラギ総裁からユーロ高をけん制する発言が出て来ることは十分考えられます。注意も必要かと思います。

予想外だったのは土曜日の早朝、北朝鮮がまたミサイルを発射したことです。米韓共同軍事演習に対しての挑発行為だと見られますが、金委員長が米国の様子を見守ると発言したことに、トランプ大統領も「賢明な判断だ」と応じ、しばらくにらみ合いが続くと思われていた状況でのミサイル発射でした。ティラーソン米国務大臣は「FOXニュース・サンデー」で、「これまで説明したように、朝鮮半島と北朝鮮の異なる将来に関する対話開始を視野に、同盟国や中国とも協力して、北朝鮮を交渉のテーブルに着かせることができないかわれわれは平和的な圧力の動きを続ける」と述べています。(ブルームバーグ)米国は北朝鮮の挑発行為に対して、ひとまず冷静な対応を示しています。

ドル円は週明けの今朝はやや『窓明け』で取引が始まっていますが、今のところ大きな動きはありません。この先さらに北朝鮮が挑発行為を繰り返すようだと、米国もそれに対応することも考えられ、引き続き予断は許さずドルの上値を抑えることになりそうです。本日は特にサプライズがなければ108円70銭〜109円70銭程度のレンジを予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
7/6 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「景気回復の持続が金融政策正常化の展望を開く」 ユーロドル1.13台から1.1425に。米独の債券は下落。
7/8 メルケル・ドイツ首相 「不一致の分野があったことを隠すべきではない。首脳宣言に合意が成立しなかった分野を反映させる必要がある」G20後の記者会見で。 --------
7/12 イエレン・FRB議長 「経済見通しは常に、相当な不確実性が伴う。例として、インフレがいつ、そしてどの程度、リソース活用の引き締まりに反応するかを巡る不確実性が挙げられる」「向こう数年間に2%のインフレ率を達成する軌道にないという判断を下すのは時期尚早だ。FOMCは向こう数ヶ月、インフレの動向を注視していく」下院での議会証言で。 ドル売り円買いが強まり、株価と債券価格は急上昇。
7/20 ドラギ・ECB総裁 「しっかりとした景気回復がついに訪れた。あとは賃金と物価がこれに追随するのを待つばかりだ」「粘り強さと忍耐、慎重さが必要だ。まだそこまでに至っていないからだ」理事会後の記者会見で ユーロドル1.14台から1.1659に。
7/23 シューマー・民主党上院院内総務 トランプ大統領が特別検察官を解任したり、自身に恩赦した場合、極めて重要な法律違反の一つになると同時に、民主主義の本質に関する伝統的な民主的規範にも反することになる。ワシントンは激震に見舞われるだろう。 --------
7/25 IMF 「インフレの道筋がECBの物価安定目標に向けて持続的な上昇を見せるまで、金融政策はしっかりと緩和的な状態を維持すべきだ」レポートで。 ユーロドル1.1712から1.1645まで急落。
7/31 フィッシャー・FRB副議長 「ヘルスケアや規制、税制、貿易の政策に先行き不透明感がある。政治的な不透明感は経済成長を損なう」 --------
8/2 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 --------
8/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 ドル円下落。
8/2 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 ドル円下落。
8/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 --------
8/8 トランプ・米大統領 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 ドル円下落。
8/14 ダドリー・NY連銀総裁 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 ドル高が進む。
8/15 カプラン・ダラス連銀総裁 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和