2017年9月7日(木) 「ドル円109円台に反発」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア市場の108円50銭を底値に反発。米国債のデフォルトの可能性が後退したことや、長期金利の上昇を手掛かりに109円39銭までドルが買われる。
- ユーロドルは本日のECB理事会を前に小動き。1.19台前半から半ばで推移。
- カナダ中銀が利上げを決めたことで、キャンドルは対円、対ドルで上昇。
- 株式市場は反発。トランプ大統領が議会指導部と債務上限の3カ月適用停止で合意したことを好感。ダウは54ドル上昇し、他の主要指数も前日の大幅安から買い戻される。
- 債券相場は反落。債務上限問題がひとまずクリアされたことで利益確定の売りが優勢に。長期金利は2.10%台を回復。
- ドルが買い戻されたことで金は4営業日ぶりに反落。原油は続伸し49ドル台に乗せる。
7月貿易収支 → 437.0億ドルの赤字
8月ISM非製造業景況指数 → 55.3
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| ドル/円 | 108.71 〜 109.39 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1908 〜 1.1950 |
| ユーロ/円 | 129.62 〜 130.39 |
| NYダウ | +54.33 → 21,807.64 |
| GOLD | −5.50 → 1,339.00ドル |
| WTI | +0.50 → 49.16 |
| 米10年国債 | +0.045 → 2.105% |
本日の注目イベント
- 豪 豪7月小売売上高
- 豪 豪7月貿易収支
- 中 中国 8月外貨準備高
- 独 独7月鉱工業生産
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
- 米 ジョージ・カンザスシティ連銀総裁講演
- 加 カナダ7月建設許可件数
ドル円は前日のNY株の大幅安や金利低下を受け、昨日の朝方に108円50銭まで売られましたが、今回も108円割れを試すことなく109円台へと反発しています。北朝鮮リスクなど、ドル売り材料が目白押しの中、108円台を割り込まない状況に意外感を感じます。
昨日は、トランプ大統領と民主党が、債務上限の3カ月適用停止で合意したとの報道でリスクオフが後退し、ひとまずドルや株を買う動きや、買われていた債券を手放す動きが強まり、ドル円は109円台半ばまで反発しました。一方で、FRBのフィシャー副議長が10月中旬で辞任するとの報道もあり、ドルの上値を抑えることにもなっています。
フィッシャー副議長の任期は来年6月まででしたが、トランプ大統領に辞表を提出し、10月13日もしくは同日前後をもって辞任する意向を示しています。(ブルームバーグ)辞任の理由は「一身上の都合」だとしていますが、来年2月にはイエレン議長の任期も迫っており、このタイミングで辞任することで、今後FRBの金融政策が不透明になることが懸念されます。今月19−20日にはFOMCが開催され、バランスシートの縮小やその後の利上げなど、FRBにとっても難しい金融政策の舵とりを迫られている時期です。仮に来年2月にイエレン議長が退任すれば、経験豊富な議長、副議長がいなくなることになり、FRBの体制にも影響が出そうです。
絶妙なタイミングというべきか、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は現在、次期FRB議長候補で最も有力なコーン国家経済会議委員長を、トランプ大統領は指名しないだろうと、報じています。コーン委員長は白人至上主義を掲げるトランプ大統領とは意見を異にしており、トランプ批判をしていることで、トランプ氏からは嫌われているようです。
昨日は米中首脳会談が電話で行われましたが、北朝鮮への制裁を巡っては必ずしも一致しておらず、北朝鮮への石油輸出を停止させようとするトランプ大統領に対し、あくまでも平和的に解決をすべきという習金平主席との間には溝がありました。本日の安保理で北朝鮮への石油輸出停止を含む制裁決議が採択されるのかが焦点になります。
ドル円は109円台を回復してはいますが、引き続き上値が重い状況は変わりません。今週土曜日の北朝鮮の建国記念日、ハリケーン「イルマ」の存在、そして今回のフィッシャーFRB副議長の辞任問題など、相変わらずドル売り材料が湧き出てきます。それでもドル円が112円方向に行くのかどうか注目されます。本日は108円60銭〜109円60銭程度を予想します。109円65銭辺りを抜ければ、「雲抜け」と「120日線抜け」(1時間足)を完成させることから、こちらにも注目しています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/2 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 | -------- |
| 8/2 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 | ドル円下落。 |
| 8/2 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 | ドル円下落。 |
| 8/7 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 | -------- |
| 8/8 | トランプ・米大統領 | 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 | ドル円下落。 |
| 8/14 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 | ドル高が進む。 |
| 8/15 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 | -------- |
| 8/29 | トランプ・米大統領 | 「全ての選択肢がテーブルの上にある」北朝鮮の度重なるミサイル発射に対して。 | 発言が穏健的だったことでドル円急反発108円台→109円台後半に |
| 8/31 | ムニューシン・財務長官 | 「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」 | ドル円下落 |
| 9/3 | マティス・国防長官 | 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 | 円高、株安が進行 |
| 9/5 | ブレーナ−ド・FRB理事 | 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 | ドル円109円台から108円台半ばへ |



