今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年9月14日(木) 「ドル、対円対ユーロで上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は続伸し、110円69銭までドル高が進む。米長期金利が一時2.20%台に乗せたことでドルを買い戻す動きにつながった。税制改革への期待もドル買いを側面から支援。
  • ユーロドルは続落し、1週間ぶりに1.19を割る局面も。
  • 株式市場は続伸。エネルギー株が買われ、ダウは連日の最高値を更新。S&P500も1.8ポイント上昇し、最高値を更新。
  • 債券相場は4日続落。株価の上昇が続き、債券の利益確定の売りが出易い状況。長期金利は一時2.20台へ上昇し、約1カ月ぶりの高水準をつける。
  • 金は続落し、原油は3日続伸。
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 8月生産者物価指数 → +0.2%
 8月財政収支 → −1077億ドル
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ドル/円 109.95 〜 110.69
ユーロ/ドル 1.1873 〜 1.1990
ユーロ/円 131.25 〜 131.93
NYダウ +39.32 → 22,158.18
GOLD −4.70 → 1,328.00ドル
WTI +1.07 → 49.30
米10年国債 +0.021 → 2.188%

本日の注目イベント

  • 豪 豪8月雇用統計
  • 日 7月鉱工業生産(確定値)
  • 中 中国 8月小売売上高
  • 中 中国 8月工業生産
  • 英 BOE金融政策発表
  • 英 BOE議事録
  • 米 8月消費者物価指数
  • 米 新規失業保険申請件数

ドル円は110円台をキープし、NY市場では長期金利の上昇を手掛かりに110円69銭までドル高が進む場面もありました。これで、北朝鮮が核実験を行いドルが急落した下げ幅を埋めた格好になり、もしかしたら110円を挟み、109−112円のレンジに戻ってきたのかもしれません。

110円69銭まで買われたドル円は、8月末の水準まで値を戻した格好ですが、まだその水準は抜けておらず、110円60−80銭辺りが目先のレジスタンス・ゾーンと見られます。ここからは依然として上値は重いと見られますが、それにしてもドル買いが断続的に入っているようです。昨日は株価が上昇し、原油価格も上昇してドルを支えていましたが、長期金利の上昇が最大の貢献者でした。

米10年国債は、利上げ観測が徐々に後退する中、低下傾向が続き、先週7日には2.03%台まで低下(価格は上昇)しました。昨日は一時2.2%台に乗せるなど、ここ4営業日で17bpと急上昇です。この動きはドル円の動きとほぼ一緒で、ドル円も107円32銭を底値に既に3円以上ものドル高が進んでいます。米長期金利の動きにドル円が連動して動くことが鮮明になっています。ハリケーンと北朝鮮のリスクが後退したとはいえ、やや想定外のドルと金利の反発です。

先週末に記録した107円32銭が直近の底値だとすれば、再び110円を中心にもみ合う展開のようにも思えますが、周りを見渡してもドル買い材料はそれほどありません。唯一挙げるとすれば、税制改革が年内にも実施されるとの見通しが強まったことです。ムニューシン財務長官は、税制改革の年内実施に楽観的な見方を示していますが、税率については当初トランプ大統領が主張していた15%ではなく、財源の問題から20%台で落ち着きそうは気配です。このところの株式市場の高騰はこの辺りの動きを先取りしたものとも言えるのではないでしょうか。

本日のドル円は、前述のように、ここからの上値は重いと見ていますが、一方でドルを売ってもなかなか利益が取れない状況になっているのも事実です。打診買い、打診売りを繰り返しながら、方向性を探っていく他なさそうです。予想レンジは110円〜111円程度にしたいと思います。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
8/2 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 --------
8/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 ドル円下落。
8/2 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 ドル円下落。
8/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 --------
8/8 トランプ・米大統領 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 ドル円下落。
8/14 ダドリー・NY連銀総裁 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 ドル高が進む。
8/15 カプラン・ダラス連銀総裁 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 --------
8/29 トランプ・米大統領 「全ての選択肢がテーブルの上にある」北朝鮮の度重なるミサイル発射に対して。 発言が穏健的だったことでドル円急反発108円台→109円台後半に
8/31 ムニューシン・財務長官 「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」 ドル円下落
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和