今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年9月20日(水) 「ドル円112円に迫る」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京時間に111円88銭まで上昇したドル円は、NY市場では一旦下げる場面があったものの、その後は堅調に推移。111円82銭まで買われ、111円50−60銭で引ける。
  • ユーロドルは1.12台に乗せたが勢いは続かず。ユーロ円の先高感がユーロ買いにつながった。安値は1.1961。
  • 株式市場は続伸。ダウは39ドル上昇し、これで8日続伸し、6日連続で最高値を更新する。FOMCを控えて小動きだったものの、依然として資金が株式市場に向かった。
  • 債券相場は3日続落。長期金利は小幅に上昇し、2.24%台に乗せる。
  • 金は続落し、原油も小幅に反落。
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 8月住宅着工件数 → 118.0万件
 8月建設許可件数 → 130.0万件
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ドル/円 111.21 〜 111.82
ユーロ/ドル 1.1961 〜 1.2006
ユーロ/円 133.26 〜 133.89
NYダウ +39.45 → 22,370.80
GOLD −0.20 → 1,310.60ドル
WTI −0.43 → 49.48
米10年国債 +0.016 → 2.245%

本日の注目イベント

  • 日 8月貿易収支
  • 独 独8月生産者物価指数
  • 英 英8月小売売上高
  • 米 FOMC 政策金利発表
  • 米 イエレン議長記者会見
  • 米 8月中古住宅販売件数

急速に円安が進み、NY株が連日の最高値を更新するなか、さすがの日本株も昨日は急騰しました。午後には、一時410円を超える上昇を見せ、同時にドル円はそのタイミングで111円88銭を記録しました。112円が見えてきた印象ですが、NYではこの水準を抜けずに、一旦は利食いに押され、111円20銭前後まで下げる場面もありましたが、株高と金利高に支えられ111円台半ばで戻っています。

NYダウはこれで8営業日連続の上昇を見せた一方で、安全資産の債券は連日売られて、長期金利は2.24%台まで上昇してきました。投資家が「リスクオン」を加速させていると見られますが、事実「VIX指数」も昨日は「10」を下回る場面もありました。依然として北朝鮮問題では緊張が続いているものの、多くの投資家が戦争はないと読んでいることの表れということのようです。

個人的にはそう簡単にこの問題を楽観視できないと思っています。昨日、国連総会の一般演説でトランプ大統領が演説を行い「米国と同盟国を守ることを迫られれば、北朝鮮を完全に破壊する以外の選択はない」と述べ、これまでよりさらに強いトーンで北朝鮮を批判しました。北朝鮮に対して「完全に破壊」という言葉を使ったのは今回が初めてですが、これを単なる脅しと見るのか、あるいは強い警告とみるのか、いずれ歴史が教えてくれますが、今度北朝鮮が核実験などを強行した場合には、米国も行動を起こすことは十分考えられると思います。

ドル円は昨日の東京市場で111円88銭まで上昇しましたが、「雲抜け」を完成するには至っていません。現在はその雲を抜け切るかどうかの瀬戸際にいますが、ここをしっかりと抜ければ112円にも手が届くかと思います。もし112円台に届けば、久しぶりの水準でもあることから、輸出企業を中心に相当なドル売り注文が並ぶことは想像に難くないでしょう。それらのオーダーをこなして上昇できるかどうかも注目されますが、112円25銭前後には「200日線」もあり、極めて重要なレベルと言えます。

本日はFOMCとイエレン議長の記者会見が予定されています。昨日ここで述べたように、ハリケーンなどの影響を考慮して「ハト派的」なコメントや「ドット・チャート」が示されれば、ドルの上値は重いと見られますが、その逆もないとは言えません。個人的にはドル下落のリスクのほうがやや大きいと予想していますが、どうでしょうか。本日のレンジはややワイドに、110円70銭〜112円程度と予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
8/2 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 --------
8/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 ドル円下落。
8/2 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 ドル円下落。
8/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 --------
8/8 トランプ・米大統領 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 ドル円下落。
8/14 ダドリー・NY連銀総裁 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 ドル高が進む。
8/15 カプラン・ダラス連銀総裁 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 --------
8/29 トランプ・米大統領 「全ての選択肢がテーブルの上にある」北朝鮮の度重なるミサイル発射に対して。 発言が穏健的だったことでドル円急反発108円台→109円台後半に
8/31 ムニューシン・財務長官 「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」 ドル円下落
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和