今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年9月21日(木) 「ドル円FOMCを受け112円台を回復」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はFOMC声明文とイエレン議長の会見を受け乱高下。政策金利据え置きで111円12銭まで売られたが、その後は一気に112円台半ばまで急騰。年内もう一度の利上げが維持されたことでドル買いが加速した。
  • ユーロドルも同じような荒っぽい動きから1.2035まで上昇した後、1.18台半ばまで売られる。
  • 株式市場は指数によってはまちまちながら、ダウは41ドル上昇し、これで9連騰。引け値で2万2400ドル台に乗せ、最高値を更新中。
  • 債券相場は続落。長期金利も連日上昇し、2.26%台に乗せる。
  • 金は4日ぶりに反発。原油は続伸し50ドル台を回復。
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 8月中古住宅販売件数 → 535万件
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ドル/円 111.12 〜 112.53
ユーロ/ドル 1.1861 〜 1.2035
ユーロ/円 133.25 〜 134.11
NYダウ +41.79 → 22,412.59
GOLD +5.80 → 1,316.40ドル
WTI +0.93 → 50.41
米10年国債 +0.023 → 2.268%

本日の注目イベント

  • 日 日銀金融政策決定会合
  • 日 黒田日銀総裁記者会見
  • 欧 ECB経済報告
  • 欧 ユーロ圏9月消費者信頼感(速報値)
  • 欧 ドラギ・ECB総裁講演
  • 英 英8月財政収支
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 9月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米 7月FHFA住宅価格指数
  • 米 8月景気先行指標総合指数

注目されたFOMCとその後のイエレン議長の記者会見を受け、ドル円は上下に乱高下する荒っぽい動きを見せました。政策金利が据え置かれたことで111円台前半まで売られたドル円は、イエレン議長のややタカ派的な発言に112円台半ばまで反発し、この間の値幅も1円40銭程に拡大しました。年内にもう1回の利上げが維持されたこともドルを押し上げています。

FOMCは声明で、4兆5000億ドル規模の保有証券の縮小を10月から開始する方針を示し、ハリケーンの経済への悪影響は一時的なものになるとの見方を示しました。利上げについても年内あと1回、来年3回の利上げ予測を維持しています。

声明は「ハリケーン『ハ−ビー』、『イルマ』、『マリア』は多くの地域に大きな打撃を与え、厳しい苦難をもたらした。ハリケーンに関連した混乱や再建は短期的には経済活動に影響を与えるが、過去の経験から判断すると、これらハリケーンが中期的に米経済の軌道を大きく変える可能性は低いことが示唆される」と述べています。(ブルームバーグ)

また会合後の記者会見でイエレン議長は、「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」と発言しています。さらに今年のインフレ率が上昇しないことについては「不可解」と表現しました。(ブルームバーグ)この発言から、ハリケーンの影響は一時的であり、今年3回目の利上げについても思っていたよりも前向きな姿勢が維持されたことで、市場はドル買いで反応し、株式市場も緩やかな金利上昇を受け入れたような反応でした。

ドル円は112円53銭まで上昇したことで、「日足」の雲抜けを完成し、その上にある「200日線」も一時的には越えて、約2カ月ぶりのドル高水準を記録しています。今後は7月の高値である114円50銭がターゲットになりますが、「日足」の移動平均線を見ると、まだ上昇トレンドは完成されていません。この辺りが少し気になるところですが、FRBが楽観的な見方を維持しているインフレ率が、どこまで目標の2%に近付いていくのかを見極める展開になると思われます。これで、北朝鮮が核実験を行った後に記録した107円32銭が、当面の底値である可能性が高いと考えます。本日のドル円は111円80銭〜113円程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
8/2 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 --------
8/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 ドル円下落。
8/2 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 ドル円下落。
8/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 --------
8/8 トランプ・米大統領 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 ドル円下落。
8/14 ダドリー・NY連銀総裁 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 ドル高が進む。
8/15 カプラン・ダラス連銀総裁 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 --------
8/29 トランプ・米大統領 「全ての選択肢がテーブルの上にある」北朝鮮の度重なるミサイル発射に対して。 発言が穏健的だったことでドル円急反発108円台→109円台後半に
8/31 ムニューシン・財務長官 「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」 ドル円下落
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和