今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年9月22日(金) 「ユーロ円134円台半ばへ」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は112円台の半ばから上値がやや重くなってきたものの、112円台は維持。フィラデルフィア連銀製造業景況指数が上振れしたことで112円59銭まで上昇したが伸びきれず。
  • ユーロドルはドル高を背景に上値が重くなってきたものの、下値も限定的。日銀が緩和政策を継続することで金融政策の差から円が売られ、ユーロ円は134円37銭まで上昇。
  • 株式市場は反落。利益確定の売りが優勢となり、ダウは10日ぶりに下落し、連騰が止まる。
  • 債券相場は小幅ながら続落。長期金利も1カ月半ぶりに2.27%台まで上昇。
  • 金は大幅に続落し1300ドル台を割り込む。原油も小幅に反落。
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 新規失業保険申請件数  → 25.9万件
 9月フィラデルフィア連銀景況指数 → 23.8
 7月FHFA住宅価格指数 → +0.2%
 8月景気先行指標総合指数 → 0.4%
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ドル/円 112.41 〜 112.59
ユーロ/ドル 1.1898 〜 1.1954
ユーロ/円 133.73 〜 134.37
NYダウ −53.36 → 22,359.23
GOLD −21.60 → 1,294.80ドル
WTI −0.14 → 50.55
米10年国債 +0.009 → 2.276%

本日の注目イベント

  • 独 独9月製造業PMI(速報値)
  • 独 独9月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏9月総合PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏9月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏9月サービス業PMI(速報値)
  • 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
  • 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 加 カナダ7月消費者物価指数
  • 加 カナダ7月小売売上高

ドル円は112円台で堅調に推移しています。昨日は112円72銭前後までドル高が進む場面もありましたが、ここからさらに上値を試す勢いはなく、上昇機運も一服といったところです。しかしドルが売られても112円10銭前後では下げ止まり、底堅い動きを見せています。

昨日、日銀は金融政策決定会合で金融緩和の維持を決め、会合後の記者会見では黒田総裁が、強力な緩和を進めていくと述べました。今回の会合では金融調節方針の維持を8人が賛成しましたが、1人が反対しています。新しく審議委員に就任した片岡委員が、現在の緩和は「不十分」として反対票を投じました。2019年度ごろに2%の物価上昇率を達成するには、現在の緩和では不十分というのがその理由でした。

考えてみれば、今年、2017年の相場展開を予想した時、日米欧で最も顕著な違いは中銀の金融スタンスの方向性でした。そのため2017年度末にかけては「ドル高円安」をメインシナリオにおいていましたが、北朝鮮やハリケーン、あるいは中国リスクに混乱させられ、今月始めには107円台前半までドルが売られたことは記憶に新しいところです。ここに来て、市場は再び中銀の金融政策の違いに着目してきたと言えます。

FRBは10月からバランスシートの縮小開始を決め、ECBは10月にも緩和政策から舵を切りなおすことも予想されます。またBOEも早明ければ11月にも利上げがあることを示唆しており、RBAも利上げはそれほど遠い先の話ではないと思います。カナダ中銀は既に利上げを実施しており、先進国で日銀だけが、いわば「蚊帳の外」で出口は見えていません。黒田総裁は昨日の会見で「必要があればさらなる緩和も辞さない」姿勢を見せていました。このような状況を勘案すれば円が売られるのも理解できます。ただ為替は金融政策の違いだけで動くものでもなく、この辺りが個人投資家にとって難しいところです。

本日は政策会合も終わり、「ブラックアウト」期間も終了し、地区連銀総裁の講演が多く予定されています。ドラギECB総裁の講演も予定されていることから、「要人発言」には注意したいところです。上値は112円台後半を超えられるのかどうか。下値では112円台を割り込めるかどうかが注目点です。そのため、予想レンジは112−113円程度に落ち着きそうです。


今週国連で演説を行ったトランプ大統領は、核実験を実施し、ミサイル発射を止めない北朝鮮を厳しく非難しました。「完全に破壊する」という過激なことばを初めて用いて北朝鮮に圧力をかけたと見られます。また金委員長を「ロケットマン」と揶揄し、自分自身とその体制に対する自殺行為に及んでいると切り捨てました。今のところこの演説に対する北朝鮮からの反応はなく、昨日外務大臣がトランプ氏のことを「吠えてる犬」と呼んでいましたが、「ロケットマン」と呼ばれた金委員長はトランプ氏のことを何て表現するのでしょうか。興味のあるところです。良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
8/2 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 --------
8/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 ドル円下落。
8/2 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 ドル円下落。
8/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 --------
8/8 トランプ・米大統領 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 ドル円下落。
8/14 ダドリー・NY連銀総裁 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 ドル高が進む。
8/15 カプラン・ダラス連銀総裁 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 --------
8/29 トランプ・米大統領 「全ての選択肢がテーブルの上にある」北朝鮮の度重なるミサイル発射に対して。 発言が穏健的だったことでドル円急反発108円台→109円台後半に
8/31 ムニューシン・財務長官 「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」 ドル円下落
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
9/20 イエレン・FRB議長 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和