今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年9月25日(月) 「ドル円112円台で始まる」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は小動き。112円を挟んでもみ合ったが、週末でもあり、北朝鮮リスクから取引を手控える雰囲気に。112円18銭を上値に、下値も111円86銭前後に収まる。
  • ユーロドルは1.19台で推移。1.1937を底値に上昇したが、1.20台には届かず。
  • ダウは小幅ながら続落。北朝鮮が米国に対する姿勢を一段と強めたことを受け、軟調な展開に。前日比9ドル下落。
  • 債券相場は反発。安全資産に見直し買いが入り、長期金利は2.25%台へと低下。
  • 金と原油は共に反発。
ドル/円 111.86 〜 112.18
ユーロ/ドル 1.1937 〜 1.1983
ユーロ/円 133.78 〜 134.23
NYダウ −9.64 → 22,349.59
GOLD +2.70 → 1,297.50ドル
WTI +0.11 → 50.66
米10年国債 −0.027 → 2.250%

本日の注目イベント

  • 独 独9月ifo景況感指数
  • 欧 ドラギ・ECB総裁議会で証言
  • 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演

トランプ大統領と北朝鮮の金委員長との「舌戦」は留まるところを知らず、一段とエスカレートしています。発せられた言葉を聞く限り、いつ武力衝突が起きてもおかしくない状況です。「ロケットマン」と揶揄されたことに対し、北朝鮮は太平洋上での核実験の可能性に言及し、同国の外務大臣は「先制攻撃」もあり得ると述べています。これに対してトランプ大統領は「ちびのロケットマンの考えを繰り返すなら、彼らの先は長くない」とツイートしています。

言葉の応酬がさらに過激化したことから、先週末のNY市場ではドル円は、土日を挟んで何らかの行動があるのではとの見方から上値が重い展開でした。前日には112円72銭まで買われたドル円でしたが、この日は利益確定のドル売りが優勢の流れでした。

米朝の緊張が高まっている中、ドル円は107円台から112円台後半まで急速にドル高が進みましたが、背景は米金利の先高感と、懸案事項だった税制改革にメドがたってきたことが挙げられます。当初トランプ大統領は連邦法人税を現行の35%から15%へ引き下げることを主張していましたが、財源の問題もあり20%台で落ち着きそうな気配です。今朝の報道によれば、トランプ大統領は依然として15%にこだわっているようですが、ムニューシン財務長官は20%台のどこかで落ち着くとの見方を示しています。

週明けのオセアニア市場では、週を挟んで北朝鮮からの特段の動きはなかったことで、ドルがやや上昇して取引が始まっています。このところの動きを見ると、ドルが上昇したがっているようにも見えます。米朝の緊張が「舌戦」に留まっているかぎり、ドル円は113円方向に向かっていくのではないかと思われます。先週のFOMCでは、米景気の先行きには楽観的な見方が示され、年内もう一度の利上げ観測も維持されました。さらに来年も3回の利上げが見込まれています。

一方で日銀は必要ならさらに追加の緩和策を講じるとの姿勢も示しており、先週は「中銀の金融政策の方向性」にも注目が集まり、円はドルに対し売られただけではなく、主要通貨に対しては全面安の展開でした。本日は再び112円台前半までドルが買われていることで、日本株も堅調に推移すると予想されます。ドル円も再び上値を試す展開を予想しており、レンジは111円80銭〜112円80銭程度と見ています。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
8/2 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 --------
8/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 ドル円下落。
8/2 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 ドル円下落。
8/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 --------
8/8 トランプ・米大統領 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 ドル円下落。
8/14 ダドリー・NY連銀総裁 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 ドル高が進む。
8/15 カプラン・ダラス連銀総裁 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 --------
8/29 トランプ・米大統領 「全ての選択肢がテーブルの上にある」北朝鮮の度重なるミサイル発射に対して。 発言が穏健的だったことでドル円急反発108円台→109円台後半に
8/31 ムニューシン・財務長官 「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」 ドル円下落
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
9/20 イエレン・FRB議長 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
9/22 金正恩・北朝鮮労働党委員長 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 ドル円112円台半ばから111円60銭台へ
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和