2017年9月26日(火) 「ドル円北朝鮮リスクで反落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京時間に112円53銭まで上昇したドル円はNYでは反落。北朝鮮が米国に対して挑発的な姿勢を示したことで円買いが強まり111円47銭までドル安が進行。
- ユーロドルも続落。NYでは1.1832まで売られ、1.19台には届かない展開。ユーロ円の売りもユーロドルの上昇を抑え、ユーロ円は131円91銭前後まで下落。
- 株式市場は続落。北朝鮮リスクが高まりダウは53ドル下落し、これで3日続落。その他の主要指数も軒並み下げる。
- 債券相場は続伸。北朝鮮の挑発的な姿勢に安全資産の債券が買われた。長期金利は2.22%台へ低下。
- 金は14ドル上昇し、1300ドル台を回復。原油価格は1ドルを超える大幅高となり、4カ月ぶりに52ドル台まで上昇。
| ドル/円 | 111.47 〜 112.33 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1832 〜 1.1890 |
| ユーロ/円 | 131.91 〜 133.46 |
| NYダウ | −53.50 → 22,296.09 |
| GOLD | +14.00 → 1,311.50ドル |
| WTI | +1.56 → 52.22 |
| 米10年国債 | −0.030 → 2.220% |
本日の注目イベント
- 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(7月19日、20日分)
- 米 7月ケース・シラ−住宅価格指数
- 米 8月新築住宅販売件数
- 米 9月消費者信頼感指数
- 米 9月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 イエレン・FRB議長講演
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
昨日の東京タイムには112円台半ばを超える場面もあったドル円でしたが、再び北朝鮮リスクが高まり、株安、金利低下と相まって、111円台半ばまで押し戻されています。米朝間では挑発的な言葉の応酬が続き、昨日は北朝鮮の外務大臣の発言に緊張が高まりました。
北朝鮮の李容浩外相は昨日、北朝鮮には国連憲章によって認められた自衛権として、国際空域で米国の戦略機を撃墜する権利があると発言しました。「国連憲章は加盟国に自衛権を認めている」とした上で、「米国が戦線布告した以上、戦略爆撃機が北朝鮮の領域に入らなくても任意の時点で撃墜することを含め、われわれはあらゆる権利に基づいて自衛に動く」と述べています。(ブルームバーグ)これに対し、米国の国家安全保障会議(NSC)の報道官は、米国は宣戦布告しておらず、引き続き平和的な方法で朝鮮半島の非核化を模索すると述べていますが、北朝鮮外相の発言はトランプ大統領が「北朝鮮の先は長くない」とツイートしたことに対して発せされた発言だと考えられ、再びトランプ大統領がどのような発言を行うのか注意が必要です。この種の言葉の応酬にも市場は徐々に慣れてきますが、さらにエスカレートした際には緊張が高まることになります。
昨日は発言で円買いが強まり111円台半ばまでドル安が進みましたが、ドイツの連邦議会選挙の結果もユーロ円の売りという形で、円高につながりました。メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は第1党を確保したものの、得票率が1949年以来の最低に落ち込んだようです。議席数を減らしたことでメルケル首に対する信任が低下していると見られます。ユ−ロ円は10日ぶりに131円台半ばまで下落しました。
ドル円は111円台半ばまで落ちてきましたが、ここは「日足」の雲の入り口にあたり、先週金曜日にもドルが下げた時にサポートされたレベルです。北朝鮮問題がこのまま言葉の応酬に留まっているという前提にはなりますが、この水準から110円台半ばでは、どこかでドルを拾っておいてもいいのではないかと考えます。米景気の安定と、それに伴う利上げ。あるいは税制改革などもドルのサポート材料になると思われます。一方で113円〜115円に向かうには、新たなドル買い材料が必要なのも事実ではないでしょうか。本日のレンジは111円20銭〜112円20銭程度を予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/2 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 | -------- |
| 8/2 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 | ドル円下落。 |
| 8/2 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 | ドル円下落。 |
| 8/7 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 | -------- |
| 8/8 | トランプ・米大統領 | 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 | ドル円下落。 |
| 8/14 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 | ドル高が進む。 |
| 8/15 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 | -------- |
| 8/29 | トランプ・米大統領 | 「全ての選択肢がテーブルの上にある」北朝鮮の度重なるミサイル発射に対して。 | 発言が穏健的だったことでドル円急反発108円台→109円台後半に |
| 8/31 | ムニューシン・財務長官 | 「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」 | ドル円下落 |
| 9/3 | マティス・国防長官 | 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 | 円高、株安が進行 |
| 9/5 | ブレーナ−ド・FRB理事 | 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 | ドル円109円台から108円台半ばへ |
| 9/7 | ドラギ・ECB総裁 | 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 | ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇 |
| 9/11 | クーレ・ECB理事 | 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 | -------- |
| 9/20 | イエレン・FRB議長 | 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 | ドル円111円台から112円台半ばへ |
| 9/22 | 金正恩・北朝鮮労働党委員長 | 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 | ドル円112円台半ばから111円60銭台へ |



