2017年9月27日(水) 「ドル円再び112円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は反発。イエレン議長が講演で利上げに前向きな発言をしたことを材料に112円49銭まで上昇。ただ112円台半ばを抜けきれずにその後は112円台前半まで押し戻される。
- ドル高が進み、ユーロドルは1.1758まで売られ、約1カ月ぶりのユーロ安水準まで下落。
- 株式市場は朝方は上昇で始まったものの、ダウは小幅安で引ける。S&P500は小幅に上昇したものの、イエレン議長の発言がやや重石に。
- イエレン議長の発言を受けて債券は小幅に反発。長期金利は2.23%台とやや上昇。
- 金と原油はともに反落。
7月ケース・シラ−住宅価格指数 → +5.81%
8月新築住宅販売件数 → 56.0万件
9月消費者信頼感指数 → 119.8
9月リッチモンド連銀製造業指数 → 19
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| ドル/円 | 111.92 〜 112.49 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1758 〜 1.1810 |
| ユーロ/円 | 131.75 〜 132.59 |
| NYダウ | −11.77 → 22,284.32 |
| GOLD | −9.80 → 1,301.70ドル |
| WTI | −0.34 → 51.88 |
| 米10年国債 | +0.016 → 2.236% |
本日の注目イベント
- 中 中国 8月工業利益
- 欧 ユーロ圏8月マネーサプライ
- 米 8月耐久財受注
- 米 8月中古住宅販売成約指数
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
昨日111円台半ばまで売られたドル円は一転して112円49銭まで反発し、1日でセンチメントが変わる、やりにくい展開です。FRBのイエレン議長が講演を行い、その中で、「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」と発言し、緩やか過ぎるペースでの利上げに当局は注意すべきだとの認識を示したことがドルを押し上げました。
ドル円は112円台半ばまで買われましたが、このレベルは先日の高値でもあり、投資家はここからのドル買いには慎重になっていると見え、このレベルからは反落しています。北朝鮮問題では北朝鮮側からコメントが出るたびにドルが売られますが、一方で先週20日のFOMC以降、12月の利上げ観測がドルの下落を抑える構図になっており、この日のイエレン議長の発言で、12月に利上げをしたいというイエレン議長の「悲願」が伝わってくるような気もしました。
イエレン氏は来年2月に任期を終える予定で、その後継続するのかどうかはわかりませんが、自身の健康上の理由もあり、個人的には仮に再任を要請されても辞退するのではないかと予想しています。そうだとすれば、12月か来年1月のFOMCの2回しか、在任中での利上げのチャンスは残っていません。任期中に出来るだけ金融政策のフリーハンドを得るために、通常の金利水準に戻したいのは、もはや「悲願」と言ってもいいのではないでしょうか。
この日のドルの上昇はこの発言だけではなかったようです。アトランタ連銀のボスティック総裁も「12月の段階で金利を変更しようという考えについて、現時点で極めて満足している」と述べています。また本日にはトランプ政権の柱の一つである税制改革の概要が明らかになることもドルにとってはプラスに作用しています。ただ、税率が15%になるのか20%台のどこに決まるのかによっては、失望のドル売りにつながらないとも言えません。
ドル円は112円台半ばがやや上値の壁になりつつあります。先週のFOMC以降111円割れは示現しておらず、底堅い動きを見せていますが、これは「日足の雲」がドルをサポートしていると見られます。一方上値の方は、112円59銭がドルの天井になっており、昨日もそうですが、112円台半ばを抜く力はないように見えます。北朝鮮問題が常に意識の中にあり、武力衝突の可能性は低いと言っても、言葉のトーンを聞く限りエスカレートしているのも事実です。このような状況下では、短期的にはドル高トレンドだとしても、さらなるドル買い材料が出ないと115円方向に持っていくのは簡単ではありません。
ユーロドルが1カ月ぶりに1.17台まで下落したことを考えると、ユーロの上昇にやや天井感が出たのではないかと同時に、ドル高傾向が維持されていると感じます。次のインパクトのある材料までは112円台半ばより上ではドル売りで、111円台半ばより下ではドルを買うスタンスが機能しそうです。本日は111円70銭〜112円70銭程度を予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/2 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 | -------- |
| 8/2 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 | ドル円下落。 |
| 8/2 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 | ドル円下落。 |
| 8/7 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 | -------- |
| 8/8 | トランプ・米大統領 | 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 | ドル円下落。 |
| 8/14 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 | ドル高が進む。 |
| 8/15 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 | -------- |
| 8/29 | トランプ・米大統領 | 「全ての選択肢がテーブルの上にある」北朝鮮の度重なるミサイル発射に対して。 | 発言が穏健的だったことでドル円急反発108円台→109円台後半に |
| 8/31 | ムニューシン・財務長官 | 「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」 | ドル円下落 |
| 9/3 | マティス・国防長官 | 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 | 円高、株安が進行 |
| 9/5 | ブレーナ−ド・FRB理事 | 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 | ドル円109円台から108円台半ばへ |
| 9/7 | ドラギ・ECB総裁 | 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 | ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇 |
| 9/11 | クーレ・ECB理事 | 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 | -------- |
| 9/20 | イエレン・FRB議長 | 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 | ドル円111円台から112円台半ばへ |
| 9/22 | 金正恩・北朝鮮労働党委員長 | 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 | ドル円112円台半ばから111円60銭台へ |
| 9/25 | マクマスター・大統領補佐官(国家安全保障担当) | 「われわれが望んでいるのは戦争を回避することだが、その可能性を考慮しないわけにはいかない」 | -------- |
| 9/26 | イエレン・FRB議長 | 「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」講演で。 | ドル円111円台から112円台半ばへ |



