2017年9月28日(木) 「ドル円1カ月半ぶりに113円台に乗せる」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はトランプ税制改革のメドがたったことで続伸。一時は7月13日以来となる113円26銭までドル高が進んだが、税制改革の枠組みに関して反対論が出たことで上げ幅を縮小。
- ユーロドルは小幅に続落。1.1717前後まで売られ、ドル高傾向を強める。
- 税制改革で法人税率が20%で決着したことを好感し株価は反発。ダウは56ドル上昇し、5日ぶりに上昇。金融やテクノロジー株が上昇を牽引。
- 債券相場は大幅に続落。税制改革に伴い国債の増発が予想されることから大きく売られる。長期金利は1カ月ぶりに2.31%台まで上昇し、ドル高に弾みを。
- 金は続落。原油は反発し52ドル台に。
8月耐久財受注 → +1.7%
8月中古住宅販売成約指数 → −2.6%
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| ドル/円 | 112.38 〜 113.26 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1717 〜 1.1776 |
| ユーロ/円 | 132.08 〜 132.74 |
| NYダウ | +56.29 → 22,340.71 |
| GOLD | −13.90 → 1,287.80ドル |
| WTI | +0.26 → 52.41 |
| 米10年国債 | +0.075 → 2.310% |
本日の注目イベント
- 中 中国 4−6経常易収支
- 独 独9月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏9月景況感指数
- 欧 ユーロ圏9月消費者信頼感(確報値)
- 米 4−6月GDP(確定値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 フィッシャー・FRB副議長講演
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
トランプ税制で、法人税が20%で決着したことを受けてドル円は約1カ月半ぶりに113円台に乗せてきました。トランプ氏は公約で法人税を15%に引き下げると主張してきましたが、20%で決着したことについて「完璧な数字だ」と述べ、これまで15%への減税を主張していたのは、議会との交渉で最終的に20%で決着させることが狙いだったと説明しています。(ブルームバーグ)
もっとも、この税制改革案は今後議会で承認される必要がありますが、トランプ税制は同時に個人所得税の簡素化にも着手してますが、こちらは税率の適用区分がまだ決まっておらず、全体の税の枠組みを巡る反対論も早速出ているようです。
現在7段階に区分されている所得税を、12%、25%、35%の3段階にしようというものですが、どこまでの所得を3段階に分けるのかはまだ決まっていません。現行では最高税率が39.6%になっていますが、富裕層を優遇するとの批判もあるようで、今後議会で議論されることになります。
また米企業が海外で稼いだ資金の多くが税率の安い、いわゆるタックスヘイブンに滞留していますが、この資金を米国に還流される際の税率の優遇も検討されています。問題はその財源です。トランプ大統領はその財源を「国境税」などに求めていましたが、こちらの実現は難しそうで、国債を増発して財源を確保する可能性が高まっています。そのため昨日の米国債市場では国債が大きく売られ、長期金利は1カ月ぶりに2.31%台に急上昇し、ドル高を牽引しています。
ドル円は113円台まで買われたことで、これまでの107円台−112円台のレンジは上放れた可能性があります。北朝鮮問題は常に目の前にぶら下がってはいるものの、武力衝突の可能性がそれほど高くないとすれば、今回の税制改革の実施で、企業収益と雇用の増大が米景気を一段と上昇させるシナリオも想定されます。年末にかけてドルがさらに上昇するには、もう1つの政策の柱であるインフラ投資のメドも必要になります。この政策の骨子が見えてくれば、ドルの一段高も無理な話ではないと考えます。
今朝の日経新聞一面には「FXのレバレッジ引き下げ」の記事が掲載されています。金融庁が現行25倍のレバレッジの上限を10倍程度にする案を検討していると報じています。来年の実施を目指しているようですが、個人投資家にとっては気になるところです。本日のレンジは112円50銭〜113円50銭程度を予想しています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/2 | ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 | -------- |
| 8/2 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 | ドル円下落。 |
| 8/2 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 | ドル円下落。 |
| 8/7 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 | -------- |
| 8/8 | トランプ・米大統領 | 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 | ドル円下落。 |
| 8/14 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 | ドル高が進む。 |
| 8/15 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 | -------- |
| 8/29 | トランプ・米大統領 | 「全ての選択肢がテーブルの上にある」北朝鮮の度重なるミサイル発射に対して。 | 発言が穏健的だったことでドル円急反発108円台→109円台後半に |
| 8/31 | ムニューシン・財務長官 | 「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」 | ドル円下落 |
| 9/3 | マティス・国防長官 | 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 | 円高、株安が進行 |
| 9/5 | ブレーナ−ド・FRB理事 | 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 | ドル円109円台から108円台半ばへ |
| 9/7 | ドラギ・ECB総裁 | 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 | ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇 |
| 9/11 | クーレ・ECB理事 | 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 | -------- |
| 9/20 | イエレン・FRB議長 | 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 | ドル円111円台から112円台半ばへ |
| 9/22 | 金正恩・北朝鮮労働党委員長 | 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 | ドル円112円台半ばから111円60銭台へ |
| 9/25 | マクマスター・大統領補佐官(国家安全保障担当) | 「われわれが望んでいるのは戦争を回避することだが、その可能性を考慮しないわけにはいかない」 | -------- |
| 9/26 | イエレン・FRB議長 | 「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」講演で。 | ドル円111円台から112円台半ばへ |



