今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年10月2日(月) 「ドル円112円台でもみ合い」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は112円台で推移。ミシガン大学消費者マインドが予想を大きく上回りドル買いが進んだものの、112円77銭で頭打ち。その後やや値を下げ112円台半ばで越週。
  • ユーロドルは1.18台を回復し、1.1833まで上昇。ひとまず1.17台を割り込まなかったことで、買い安心感も。
  • 株式市場は続伸。トランプ大統領が次期FRB議長候補のウオーシュ元FRB理事と会談したことなどが好感された。ダウは23ドル上昇し、3日続伸。
  • 債券相場は反発。タカ派のウオーシュ元FRB理事が次期議長に就任するのではとの観測が重石に、長期金利は2.334%台に上昇。
  • 金は反落し、原油は反発。
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 8月個人所得 → +0.2%
 8月個人支出 → +0.1%
 8月PCEコアデフレータ → +1.3%
 9月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 65.2
 9月シカゴ購買部協会景気指数 → 95.1
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ドル/円 112.22 〜 112.74
ユーロ/ドル 1.1792 〜 1.1833
ユーロ/円 132.74 〜 133.11
NYダウ +23.89 → 22,405.09
GOLD −3.90 → 1,284.80ドル
WTI +0.08 → 51.64
米10年国債 +0.025 → 2.334%

本日の注目イベント

  • 日 9月日銀短観
  • 欧 ユーロ圏9月製造業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏8月失業率
  • 英 英9月製造業PMI
  • 米 9月ISM製造業景況指数
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演

ドル円は堅調に推移し先週末のNY市場では112円台を割り込まない、展開になっています。113円台ではドル売り需要も強く、上値を抑えられる状況ですが、下値は111円台を固め、足元では112円台が底堅くなりつつあります。

トランプ大統領は次期FRB議長候補の一人であるウオーシュ元FRB理事と面談をし、「3〜4週間以内には結論を出す」と述べ、いよいよ次期FRB議長の人事も佳境を迎えそうです。もともとは、コーエン国家経済委員会(NEC)委員長が次期FRB議長の最有力候補でしたが、トランプ大統領との意見の違いからその可能性はなくなり、足元ではウオーシュ氏が最有力候補のようです。

同氏は、史上最年少でFRB理事に就任しており、「タカ派」の論客として知られています。仮に同氏が次期議長に就任した場合、利上げのペースが早まるのではないかと見られています。もっとも、このところ「イエレン議長を尊敬している」と、トランプ大統領は述べており、イエレン氏の再任の可能性もないわけではありません。ただ、イエレン氏自身の健康上の問題もある上、トランプ氏は昨年の大統領選の最中に、「大統領になったら、イエレン議長を代える」と述べていたこともあり、個人的には再任はないと見ています。

FRBが最も注目しているインフレ指標が発表されましたが、前月よりも低下していました。8月のPCEデフレータは年率で1.4%、コアデフレータは1.3%でした。いずれも市場予想を下回っていました。イエレン議長は、たとえ2%を下回っていても、長期間低金利を続けることは賢明ではないと述べていましたが、このまま低下傾向が続くようだと利上げ観測にも影響が出てくる可能性もあります。

ドル円は堅調に推移していますが、依然として円高に振れるリスクを抱えながらの動きです。北朝鮮問題でトランプ氏は「私はティラーソン長官に、小さなロケットマンと交渉しようとすることで時間を無駄にしていると語った」とツイッターで明らかにし、政権内でも北朝鮮問題の解決に関して相違があることが判明しています。(ブルームバーグ)一方で、北朝鮮も再びミサイル発射の準備を行っているとの報道もあります。

またスペインでは、カタルーニャ州指導者が独立宣言を示唆しており、選挙を阻止させようとする警察との間で数百人の負傷者がでているようです。同州のプチデモン首相は、数日以内に州議会に住民投票の結果を知らせ、通告から48時間以内に独立を宣言する公算があるとブルームバーグは伝えています。このように、地政学的リスクの高まりから再び円買いが再燃することも考えられますが、今週は週末に雇用統計を控えていることから、先ずはこちらが目先の材料になろうかと思います。本日はやはり112円台での推移が予想され、レンジも112−113円程度かと思われます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
8/2 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「9月にバランスシート縮小開始を発表することはプランの変更はないだろう」講演後記者団に。 --------
8/2 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレ見通しを考慮すれば、私は近い時期のさらなる行動は支持しない、インフレ見通しは2017年に悪化した」講演で。 ドル円下落。
8/2 メスター・クリーブランド連銀総裁 「インフレを誘発する失業率の想定値を引き下げた」講演で。 ドル円下落。
8/7 ブラード・セントルイス連銀総裁 「(バランスシート縮小開始について)9月に発表する用意ができている。他の当局者が同意するかどうかは分からない。政策金利を現行水準で維持するのが最も適切な金融政策だろう」講演で。 --------
8/8 トランプ・米大統領 「米国に危機が及べば、北朝鮮は、世界がこれまで経験したことがない怒りと炎に見舞われるだろう」 ドル円下落。
8/14 ダドリー・NY連銀総裁 「金融当局が9月にバランスシート縮小計画を発表するとの見方は不合理ではない。年内もう一度の利上げを支持するだろう」AP通信とのインタビューで。 ドル高が進む。
8/15 カプラン・ダラス連銀総裁 「バランスシートを縮小させるプロセスをまもなく開始すべきだ。今の情勢を考えれば、現時点では辛抱強くあることが適切だ」講演で。 --------
8/29 トランプ・米大統領 「全ての選択肢がテーブルの上にある」北朝鮮の度重なるミサイル発射に対して。 発言が穏健的だったことでドル円急反発108円台→109円台後半に
8/31 ムニューシン・財務長官 「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」 ドル円下落
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
9/20 イエレン・FRB議長 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
9/22 金正恩・北朝鮮労働党委員長 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 ドル円112円台半ばから111円60銭台へ
9/25 マクマスター・大統領補佐官(国家安全保障担当) 「われわれが望んでいるのは戦争を回避することだが、その可能性を考慮しないわけにはいかない」 --------
9/26 イエレン・FRB議長 「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」講演で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和