今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年10月11日(水) 「ユーロドル1.18台を回復」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はユーロ高に引っ張られる形で下落。一時は111円99銭まで売られたが、その後株高、金利高が進み、112円40−50銭まで戻して引ける。
  • ユーロドルは急反発。スペイン・カタルーニャ州のプチデモン首相が独立に関して柔軟な姿勢を見せたことで1.1825までユーロ高が進む。
  • 株式市場は続伸。消費関連株やエネルギー株が上昇し、ダウは69ドル高と3営業日ぶりに最高値を更新。
  • 債券相場は前日とほぼ変わらず。長期金利は2.36%台に乗せ、小幅に上昇。
  • 金は3日続伸。原油価格はサウジが減産の意向を示したことで大幅に上昇し50ドル台を回復。
ドル/円 111.99 〜 112.47
ユーロ/ドル 1.1782 〜 1.1825
ユーロ/円 132.24 〜 132.87
NYダウ +69.61 → 22,830.68
GOLD +8.80 → 1,293.80ドル
WTI +1.34 → 50.92
米10年国債 +0.002 → 2.361%

本日の注目イベント

  • 米 FOMC議事録(9月19、20日分)
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米 企業決算 → ブラックロック

ドル円はNY市場の朝方、米金利低下に伴いドル売りが進み、一時は112円を割り込む水準までドル安が進みました。ただこの下落はユーロドルで、急速に「ドル安ユーロ高」が進んだ影響が強く、ユーロに引っ張られた側面が強かったと思われます。ドル円はその後株高と、金利水準も戻ったことから112円台半ばまで値を戻してNYでの取り引きを終えています。

スペイン・カタルーニャ州のプチデモン首相は、住民投票結果の発効を「数週間」停止し、「対話の期間」を設けることを、議会演説で提案しました。この報道を手がかりに、このところ軟調に推移していたユーロドルが急伸。先月末以来となる1.18台に乗せ、1.1825まで買われています。ドル円もこの動きに連動したものと思われます。

懸念された北朝鮮からの挑発行為は結局ありませんでしたが、引き続き何らかの動きがあると予想され、ドル円の上昇を抑制することになりますが、金融市場全体を観ると、株高が一段と進み、米金利も高水準で安定しています。これらを見る限りドルの急落は考えにくい状況かと思います。

懸念されるのは、何らかの理由で米株式市場が急落する事態です。NYダウは昨日も続伸して、2万2830ドル台で引けており、2万3000ドルも視野に入ってきました。9月11日に2万2000ドルの大台に乗せたばかりで、調整のないまま既に800ドル強も上昇したことになります。米企業の成長力といえばその通りですが、それでも今後金利が緩やかに上昇していくことを考えると、やはりスピードが早過ぎると思われます。仮に大幅の調整があれば、1日で500ド程度下げることもありえるのではないかと思いますが、それでも上昇を続ける株価に戸惑いも感じます。

足元のドル円は米長期金利の動きに連動しており、株価との相関はやや崩れています。米長期金利は昨日2.36%台で引けており、この水準は7月11日以来となり、ちょうど3カ月ぶりの高水準です。因みに、この時のドル円は113円台から114円台半ばまでドルが上昇し、その原動力となったのが、「金利高」でした。金利水準からすればドル円の現在の位置がやや円高方向なのは、『北朝鮮リスク』が主な原因だと考えられます。

「北朝鮮問題」を除けば、市場が予想するリスクが少ないことは「VIX指数」が端的に示しています。歴史的な低水準の「VIX指数」を中心に見れば、株価が上昇するのは理解できなくもありませんが、いつまで足元の低水準が続くのかというところです。本日のレンジは111円80銭〜112円80銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
9/20 イエレン・FRB議長 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
9/22 金正恩・北朝鮮労働党委員長 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 ドル円112円台半ばから111円60銭台へ
9/25 マクマスター・大統領補佐官(国家安全保障担当) 「われわれが望んでいるのは戦争を回避することだが、その可能性を考慮しないわけにはいかない」 --------
9/26 イエレン・FRB議長 「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」講演で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和