今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年10月16日(月) 「ドル円2週間ぶりに111円台半ばへ」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はCPIなど、米経済指標が予想を下回ったことや、長期金利の低下を手掛かりに111円台半ばまで売られる。9月のCPIは+0.5%と、予想を下回ったことで利上げのペースが遅れるとの見方から111円69銭までドル安が進む。
  • ユーロドルは1.18台で小じっかり。ドルが軟調になると1. 1875までユーロが上昇したが、依然としてECBの政策発表を待つ姿勢が続く。
  • 株式市場は反発。ミシガン大学消費者マインドが13年ぶりの高水準だったことで楽観論が浮上。ダウは30ドル上昇。
  • 債券相場は大幅に上昇。CPIが予想に届かなかったことで、買い物を集める。長期金利は2.273%台と、約2週間ぶりに2.3%台を割り込む。
  • 金は続伸し1300ドル台を回復。原油価格も上昇し51ドル台に。
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 9月消費者物価指数 → +0.5%
 9月小売売上高 → +1.6%
 10月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 101.10
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ドル/円 111.69 〜 112.30
ユーロ/ドル 1.1805 〜 1.1875
ユーロ/円 132.11 〜 132.71
NYダウ +30.71 → 22,871.72
GOLD +8.10 → 1,304.60ドル
WTI +0.85 → 51.45
米10年国債 −0.045 → 2.273%

本日の注目イベント

  • 日 8月鉱工業生産(確定値)
  • 中 中国 9月消費者物価指数
  • 中 中国 9月生産者物価指数
  • 欧 ユーロ圏8月貿易収支
  • 米 10月NY連銀製造業景気指数
  • 米 企業決算 → ネットフリックス

先週末に発表された米9月の消費者物価指数(CPI)は+0.5%で、食品、エネルギーを除くコア指数も+0.1%と、いずれも市場予想を下回っていました。米経済は雇用を中心に緩やかに拡大はしているものの、インフレ率だけが「悩みの種」になっている状況が鮮明です。

このインフレ率について、ワシントンで開催されていた「G20」で、イエレン議長は「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私の最も有力な見方だ」と述べ、低調なインフレ統計に関して「こうした低調な統計は長続きしないと想定」し、「景気の継続した強さが漸進的な利上げを裏付けるだろう」と語っています。(ブルームバーグ)足元では、12月利上げの確率は高く、今年3回目の利上げはあるだろうと予想していますが、今後のインフレ率の水準によって、来年も3回の利上げが見込まれているこの想定に、影響を及ぼすことになります。

「G20」会合後にはドラギECB総裁も、インフレ目標達成には自信を示す発言を行っています。総裁は、「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的でECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確信している」と述べ、「そうした自信とともに、それには時間を要するため、われわれは辛抱強くなる必要がある」と語っています。来週26日にはECB理事会が開催され、金融政策の変更に言及するとの見方が根強くありますが、上記の言葉からはその可能性はやや低下した印象もあります。

ドル円は先週末のNY市場では約2週間ぶりに111円台半ばまでドル売りが進み、112−113円のレンジを下放れた印象もありますが、これは長期金利の低下が急だったことに反応したものと理解しています。週明けのオセアニア市場では112円近辺までドルが反発する場面もあり、まだどんどん下値を探りに行く展開ではありません。

本日も日本株は堅調に推移しそうです。ただ先週の株と為替の関係を見ると、むしろ「逆相関」を見せており、株高からドル高を連想しにくくなっていることには注意が必要です。本日は111円40銭〜112円40銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
9/20 イエレン・FRB議長 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
9/22 金正恩・北朝鮮労働党委員長 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 ドル円112円台半ばから111円60銭台へ
9/25 マクマスター・大統領補佐官(国家安全保障担当) 「われわれが望んでいるのは戦争を回避することだが、その可能性を考慮しないわけにはいかない」 --------
9/26 イエレン・FRB議長 「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」講演で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
10/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 債券価格が上昇し、金利は低下
10/12 プラ−ト・ECB理事 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 --------
10/14 イエレン・FRB議長 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 --------
10/14 ドラギ・ECB総裁 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和