2017年10月17日(火) 「FRB議長人事を巡る報道でドル高に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は米経済指標や、次期FRB議長人事を巡る思惑からドルが買われ、一時112円29銭までドル高が進む。長期金利も上昇し、ドルが買われる材料が並んだが、北朝鮮問題などが重石に。
- ユーロドルは反落し、1.1786まで売られる。オーストリア選挙で極右が台頭し、スペイン・カタルーニャ州の独立問題などと共に、政治的リスクが意識された。
- 株式市場は上昇。NY連銀製造業景況指数が予想を上回る高水準だったことを好感しダウは85ドル高と、2万3000ドル目前まで上昇。
- 債券相場は反落。イエレン議長が講演で、インフレが低水準であっても利上げが正当化されると発言したことが材料に。長期金利は2.30%台まで上昇。
- 金は反落し、原油価格は続伸。
10月NY連銀製造業景気指数 → 30.2
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| ドル/円 | 111.66 〜 112.29 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1786 〜 1.1820 |
| ユーロ/円 | 131.71 〜 132.37 |
| NYダウ | +85.24 → 22,956.96 |
| GOLD | −1.64 → 1,303.00ドル |
| WTI | +0.42 → 51.87 |
| 米10年国債 | +0.030 → 2.303% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA議事録
- 独 独10月ZEW景況感指数
- 欧 ユーロ圏9月消費者物価指数(速報値)
- 英 英9月物価統計
- 米 9月鉱工業生産
- 米 10月NAHB住宅市場指数
- 米 9月設備稼動率
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 企業決算 → ジョンソン&ジョンソン、モルガン・スタンレー、ゴールドマン、IBM
日米共に株価の上昇が続き、昨日は日経平均が10日連騰し、実に2年4カ月ぶりの記録でした。一方昨日のNY株式市場でも株価は堅調に推移し、ダウは上昇。2万3000ドルの大台に4ドル強と迫る最高値を更新し、S&P500も負けじと最高値を更新しています。ドル円は112円台を回復したものの、上値は112円30銭前後で抑えられて取引を終えています。
ドル円の上値が重いのは、北朝鮮問題が常にリスク要因として意識されていることはもちろんですが、米国の長期金利がなかなか上昇して来ないことが大きな要因だと考えられます。ドル円と米金利の相関については、この欄でも何度も紹介していますが、長期金利は昨日の引け値では2.30%台でした。因みに、今年6月末の金利水準もほぼ同レベルでしたが、この時のドル円は111円台後半から112円台前半で推移し、足元の水準とほぼ同じです。つまり、ドル円と米長期金利の相関関係は機能しており、違和感はないということになります。
株価が連日最高値を更新し、今後さらに株価が上昇すると予想するなら、大量の資金が債券から株にシフトします。その結果、株価は大きく上昇し、債券が大きく売られることで金利が上昇し、ドル高を誘引することになります。しかしこのところの動きでは、株価は順調に上昇してはいるものの、金利は2.2%台から2.3%台で一進一退です。市場は、金利は今後も大幅には上昇しないと予想していることが背景です。昨日のイエレン議長の「インフレが低水準でも段階的な利上げが正当化される」との発言は、この予想に一石を投じたことになりましたが、それでも長期金利は2.303%止まりでした。株式と債券が同時に買われるという「適温相場」が続いているわけですが、このままさらに長期間続くということはありません。株が買われすぎなのか、債券が買われすぎなのか、「調整」あるいは「修正」はいずれ来るはずです。
ブルームバーグは、次期FRB議長候補の一人である、スタンフォード大学のジョン・テイラー教授が、トランプ大統領とFRB議長職に関する面談で、大統領に好印象を与えたと、複数の関係者の証言として報じました。この報道がドル円を112円台へと押し上げたようですが、早ければ今月中にも決定される次期FRB議長に誰が指名されるのか、その報道が徐々に相場へも影響を与えるようになっています。最も有力だと予想している、ウオーシュ元FRB理事が議長職に指名される見込みは薄れた、とブルームバーグは伝えています。
本日のドル円レンジは111円70銭〜112円70銭程度を予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/3 | マティス・国防長官 | 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 | 円高、株安が進行 |
| 9/5 | ブレーナ−ド・FRB理事 | 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 | ドル円109円台から108円台半ばへ |
| 9/7 | ドラギ・ECB総裁 | 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 | ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇 |
| 9/11 | クーレ・ECB理事 | 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 | -------- |
| 9/20 | イエレン・FRB議長 | 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 | ドル円111円台から112円台半ばへ |
| 9/22 | 金正恩・北朝鮮労働党委員長 | 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 | ドル円112円台半ばから111円60銭台へ |
| 9/25 | マクマスター・大統領補佐官(国家安全保障担当) | 「われわれが望んでいるのは戦争を回避することだが、その可能性を考慮しないわけにはいかない」 | -------- |
| 9/26 | イエレン・FRB議長 | 「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」講演で。 | ドル円111円台から112円台半ばへ |
| 10/11 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 | 債券価格が上昇し、金利は低下 |
| 10/12 | プラ−ト・ECB理事 | 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 | -------- |
| 10/14 | イエレン・FRB議長 | 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 | -------- |
| 10/14 | ドラギ・ECB総裁 | 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 | -------- |



