今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年10月24日(火) 「ドル円114円台示現後は反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京時間朝方に114円台を付けたドル円は、海外市場では緩やかに下落。NYでは株安と長期金利の下落もあり、113円25銭まで売られる。
  • ユーロドルは軟調。スペインを始め、イタリアやチェコでの政治的リスクが意識され売られた。1.1725まで売られたが、それでもレンジの下限は維持された格好。
  • 株式市場は反落。ダウは7日ぶりに54ドル下げる。特段理由はなかったものの、利益を確定する動きに反応。ナスダック指数なども揃って下落。
  • 債券相場は小幅に反発。長期金利は2.36%台へと下落。
  • 金は反発し、原油も小幅に続伸。
ドル/円 113.25 〜 113.87
ユーロ/ドル 1.1725 〜 1.1763
ユーロ/円 133.10 〜 133.68
NYダウ −54.67 → 23,273.96
GOLD +0.40 → 1,280.90ドル
WTI +0.06 → 51.90
米10年国債 −0.018 → 2.366%

本日の注目イベント

  • 独 独10月製造業PMI(速報値)
  • 独 独10月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月総合PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月サービス業PMI(速報値)
  • 米 10月リッチモンド連銀製造業指数
  • 米 企業決算 → GM、3M、キャタピラー、マクドナルド、AT&T

ドル円は昨日の朝方に一時、3カ月半ぶりとなる114円10銭まで買われ、いよいよ115円方向への足がかりを構築したかに見えましたが、その後は海外市場も含め114円への上昇は見られませんでした。衆院選で自民党が大勝し、これを好感して日経平均株価が急騰したことでドル買いが活発になりましたが、久しぶりの水準だったこともあり、ドル売りに押し戻された格好でした。

ただ昨日の114円台示現で、テクニカル的にも上昇傾向が示唆されており長く続いた、111円台から113円台のレンジが上方修正された可能性が高いと考えています。「週足」までのチャートでは、全てが雲抜けを完成させており、短期の動きを示す「1時間足」では崩れてはいるものの、「調整」と位置づけています。このまま直ぐに115円台に乗せることはないにしろ、時間をかけながら115円方向を目指すのではないでしょうか。従って、今週の予想レンジは112−115円程度を予想しますが、鍵になるのがFRB議長人事の行方です。

FRB議長候補については5人いましたが、現在は3人に絞られたようです。スタンフォード大学のジョン・テーラー教授と現FRB理事のジェローム・パウエル氏。それに、イエレン現FRB議長のようです。トランプ大統領は昨日、(人事発表は)「極めて近い」と発言しており、アジアへの歴訪前に発表されるものと見られます。言うまでもなく、テーラー教授ならドル高、パウエル氏ならややドル安、そしてイエレン氏続投ならそれほど変化はないものと、市場は予想しているようです。

ユーロがスペインのカタルーニャ州の独立問題を巡り上昇を抑えられる展開になっています。スペイン政府がカタルーニャ州の自治権を停止し、政府の武力行使を阻止するため、カタルーニャ州の独立派は「人間の盾」となる市民を集めていると報じられています。今週26日にはECB理事会が開催され、量的緩和縮小の概要が発表される可能性もあるため、ユーロの先高感があるものの、政治的リスクとの綱引き状態になっているようです。

ドル円は大きな下げは予想しにくいと思われますが、本日は日経平均株価もさすがに「16連騰」とは行かないでしょう。ただ日本株の「割安感」を背景に、「下がったら買いたい」という向きは増えているようです。下落するにしても大きな下落はないと思え、50円〜150円程度の下げで収まるのではないかと予想しています。そのため、ドル円も112円90銭〜113円90銭程度のレンジを予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
9/20 イエレン・FRB議長 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
9/22 金正恩・北朝鮮労働党委員長 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 ドル円112円台半ばから111円60銭台へ
9/25 マクマスター・大統領補佐官(国家安全保障担当) 「われわれが望んでいるのは戦争を回避することだが、その可能性を考慮しないわけにはいかない」 --------
9/26 イエレン・FRB議長 「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」講演で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
10/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 債券価格が上昇し、金利は低下
10/12 プラ−ト・ECB理事 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 --------
10/14 イエレン・FRB議長 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 --------
10/14 ドラギ・ECB総裁 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和