2017年10月27日(金) 「ECBの政策発表を受けユーロ急落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は再び114円台に。ECBの政策発表を受けてドル高が進み、114円08銭まで買われた。次期FRB議長にタカ派のテイラー氏が有力との見方もドルを支える。
- ユーロドルは大きく下落。ECBが量的緩和の縮小を決めたが、予想よりやや「ハト派的」だったことでユーロ売りドル買いが膨らむ。ユーロドルは1.1641まで売られ、3カ月ぶりのユーロ安水準を示現。
- 株式市場は反発したが、ナスダック指数は小幅に下落。引き続き企業の好決算が相場の上昇を牽引し、ダウは71ドル高で取引を終える。
- 債券相場は続伸。10年債利回りは2.46%台に上昇。
- ドル高を背景に金は下落。原油価格は上昇。
新規失業保険申請件数 → 23.3万件
9月中古住宅販売成約指数 → 0.0%
**********************
| ドル/円 | 113.62 〜 114.08 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1641 〜 1.1785 |
| ユーロ/円 | 132.65〜 133.97 |
| NYダウ | +71.40 → 23,400.86 |
| GOLD | −9.40 → 1,269.60ドル |
| WTI | +0.46 → 52.64 |
| 米10年国債 | +0.029 → 2.461% |
本日の注目イベント
- 豪 豪第3四半期生産者物価指数
- 日 9月消費者物価指数
- 中 中国 9月工業利益
- 米 7−9月GDP(速報値)
- 米 10月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
ドル円は再び上昇して、114円台に乗せる場面があり、NY市場の引け値でも114円近辺で取引を終えました。これまで3度ほど114円台前半までドルが買われてきましたが、いずれも113円台半ば近辺まで押し戻されて東京市場に戻ってきました。今回は114円前後と、これまでとはやや水準が異なっています。昨日の動きはECBの政策発表で、ドルが買われユーロが売られた影響が大きく、対円でもドルが買われたものと思われます。
ECBは昨日の理事会で量的緩和の縮小を決め、「出口」に向け一歩歩みを進めました。今年12月までの、月間債券購入額600億ユーロ(約8兆円)を300億ユーロに減額し、実施期間を2018年1月から9月までとしました。この決定はほぼ市場予想に沿ったものでしたが、声明文で、9月以降も必要に応じ、規模と期間を拡大・延長できるとの文言を維持したことが「ハト派的」と受け止められ、ドル買いユーロ売りが加速しました。ユーロドルはそれまで買われていた反動もあり、1.1641まで売られ、約3カ月ぶりのユーロ安を記録しています。ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」と述べ、「(購入を)突然終了することはない」と強調しています。
声明文で、今後も緩和規模を元に戻すこともありうるとの文言を残したECBでしたが、背景には、依然として賃金の上昇やインフレ率に不透明な部分があり、今後の景気拡大にはまだ自信が持てないことの表れではないかと思われます。景気の底を確認し、量的緩和の効果から順調に回復基調にあるユーロ圏の景気を、ここで量的緩和を終了させ、再び逆戻りさせてはならないとの配慮と見られます。結局、「出口」へは急がないという意思表示だったと受けとめています。
ドル円は依然として114円台が重い展開ですが、その割には下値を試すふうでもありません。近々発表される次期FRB議長には、最新の情報ではパウエルFRB理事が最有力のようですが、テイラー氏の可能性が消えたわけではありません。仮にパウエル氏が議長に指名されても、今月、フィッシャー副議長が辞任しており、その後任にテイラー氏が就任する可能性もあります。副議長として「執行部入り」することになれば、テイラー氏の政策理念が今後のFRBの政策決定に大きな影響を与えることも考えられ、このあたりがドルが底堅い一因にもなっているようです。また米下院での可決が懸念されていた2018年度の連邦政府予算決議案が昨日可決したことで、「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」(ブルームバーグ)と、ライアン米下院議長が述べているように、税制改革の実現でも一歩前進しています。
ドル円はNY市場では114円前後で引け、今朝は114円台で推移しています。上述の理由に加え、米長期金利の上昇傾向もドルを支える構図になっています。本日は東京時間内で114円台が維持できるかどうかという点と、仮に押し戻されても113円台後半で踏ん張りきれるのかが注目されます。本日の予想レンジは、やや上目線で見ていることから113円70銭〜114円70銭程度と、あえてドルの上昇を想定してみました。米第3四半期GDP速報値がドル高を牽引してくれればいいと思っていますが、ここはあくまでも個人的な予想にすぎません。
10月も残すところあと4日・・・。1年で一番いい季節の秋も、今年は雨が多く、関東地方では快晴の秋晴れはほとんどありませんでした。北海道は紅葉真っ盛りだとか。「紅葉前線」は急速に南下しており、例年より冬の訪れが早く感じられそうです。明日の週末が雨ならば、10月の週末は全て雨だった気がします。雨であっても、良い週末を・・・・・。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/3 | マティス・国防長官 | 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 | 円高、株安が進行 |
| 9/5 | ブレーナ−ド・FRB理事 | 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 | ドル円109円台から108円台半ばへ |
| 9/7 | ドラギ・ECB総裁 | 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 | ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇 |
| 9/11 | クーレ・ECB理事 | 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 | -------- |
| 9/20 | イエレン・FRB議長 | 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 | ドル円111円台から112円台半ばへ |
| 9/22 | 金正恩・北朝鮮労働党委員長 | 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 | ドル円112円台半ばから111円60銭台へ |
| 9/25 | マクマスター・大統領補佐官(国家安全保障担当) | 「われわれが望んでいるのは戦争を回避することだが、その可能性を考慮しないわけにはいかない」 | -------- |
| 9/26 | イエレン・FRB議長 | 「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」講演で。 | ドル円111円台から112円台半ばへ |
| 10/11 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 | 債券価格が上昇し、金利は低下 |
| 10/12 | プラ−ト・ECB理事 | 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 | -------- |
| 10/12 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「市場は高い確率でわれわれが12月に利上げを実施するとみている。これは現在得ている情報から適切なようだ。」 | -------- |
| 10/14 | イエレン・FRB議長 | 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 | -------- |
| 10/14 | ドラギ・ECB総裁 | 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 | -------- |
| 10/26 | ドラギ・ECB総裁 | 「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」「(購入を)突然終了することはない」量的緩和縮小を決めた後の記者会見で。 | ユーロドル1.18台から1.16台半ばへ急落 |
| 10/26 | ライアン・米下院議長 | 「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」2018年度の連邦政府予算決議案可決後に | -------- |



