今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年10月30日(月) 「ドル円114円半ばから反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は米7−9月期GDPを受け続伸し、114円45銭までドル高が進む。午後に入ると、次期FRB議長にパウエルFRB理事が有力との報道にドルは下落。長期金利の低下もあり、113円65銭までドルが売られ、ほぼこの日の安値圏で越週。
  • ドル高が進んだことや、スペイン・ラホイ首相がカタルーニャ州議会を解散し、選挙を実施する方針を示したことでユーロ売りが加速。1.16台を割り込み、1.1574までユーロ安が進む。
  • 株式市場は続伸。アマゾンなどの好決算を受けてIT株が買われ、ナスダック指数は昨年3月以来最大の上げを演じる。ダウも33ドル上昇し、最高値に迫る。
  • 債券相場は反発。次期FRB議長を巡る観測を手掛かりに買いが優勢に。長期金利は2.40%台へと低下。
  • 金は小幅に反発。原油価格は産油国の減産が延長されるとの見方から大幅に買われ54ドル台に乗せる。
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 7−9月GDP(速報値) → +3.0%
 10月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 100.7
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ドル/円 113.65 〜 114.45
ユーロ/ドル 1.1574 〜 1.1624
ユーロ/円 131.33 〜 132.69
NYダウ +33.33 → 23,434.19
GOLD +2.20 → 1,271.80ドル
WTI +1.55 → 54.19
米10年国債 −0.054 → 2.406%

本日の注目イベント

  • 独 独10月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月消費者信頼感(確報値
  • 欧 スペイン7−9月期GDP(速報値)
  • 英 英9月消費者信用残高
  • 米 9月個人所得
  • 米 9月個人支出
  • 米 9月PCEコア・デフレータ

先週末のドル円は米GDP速報値を受け、114円45銭までドル高が進みましたが、この水準は、今年7月11日に直近の高値を記録した水準でもあり、結局抜けずに押し戻されています。約3カ月ぶりの水準であり、輸出企業を中心にドル売り注文が集まりやすいレベルであったこともあり、113円台半ばまでドル売りが進みました。

ドルの上昇は予想通りと言ってもいい展開でしたが、113円台半ばまで押し戻されたのは想定外でした。これはブルームバーグが伝えた次期FRB議長を巡る報道が材料でした。報道では「トランプ大統領はFRB次期議長にジェローム・パウエルFRB理事を指名する方向に傾いている。事情に詳しい関係者3人が明らかにした」と報じました。

まだ最終的な決断は下されていないようですが、トランプ氏は5日に日本を訪れることになっており、それまでには決める予定であることから、今週中には次期FRB議長が決まるようです。パウエル現FRB議長は、ハト派として知られていますが、現在進められている出口戦略が変更になるわけではなく、タカ派のテイラー氏が副議長に就任する可能性も残されているとすれば、それ程大きなドル売り材料にはならないと思われます。好調な米景気を背景に緩やかな金利引き上げの流れは変わらないと考えます。

ドル円は114円台半ばが意識され、一旦は上昇を抑えられました。仮に次期FRB議長がパウエル氏に決まったとしても、今後の予想レンジは111−115円程度かと思われ、場合によっては112−115円かもしれません。出遅れていた日本株の上昇が、機関投資家の運用方針にも影響を与え始めたようで、外債投資に伴う「ヘッジ外し」も考えられているようです。加えて、輸出企業も105円−110円の社内設定レートから円安方向に振れてきたため「余裕」をもって臨める状況になってきました。

テクニカルでもドル上昇を示しており、114円台半ばから115円にかけてが新しいレジスタンスゾーンにはなると思いますが、時間をかけながら、売りオーダーをこなして行く展開を予想しています。ユーロドルの動きも重要です。先週末には1.1574までユーロが反落し、7月17日以来のユーロ安をつけてきました。1.15が目先の心理的なサポートと思われますが、逆に1.17台に戻すようだと、ドル円の113円割れもないとは言えません。本日の予想レンジは113円30銭〜114円30銭程度とします。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
9/20 イエレン・FRB議長 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
9/22 金正恩・北朝鮮労働党委員長 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 ドル円112円台半ばから111円60銭台へ
9/25 マクマスター・大統領補佐官(国家安全保障担当) 「われわれが望んでいるのは戦争を回避することだが、その可能性を考慮しないわけにはいかない」 --------
9/26 イエレン・FRB議長 「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」講演で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
10/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 債券価格が上昇し、金利は低下
10/12 プラ−ト・ECB理事 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 --------
10/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「市場は高い確率でわれわれが12月に利上げを実施するとみている。これは現在得ている情報から適切なようだ。」 --------
10/14 イエレン・FRB議長 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 --------
10/14 ドラギ・ECB総裁 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 --------
10/26 ドラギ・ECB総裁 「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」「(購入を)突然終了することはない」量的緩和縮小を決めた後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.16台半ばへ急落
10/26 ライアン・米下院議長 「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」2018年度の連邦政府予算決議案可決後に --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和