今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年11月7日(火) 「ドル円114円台後半から反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は114円台を維持できず反落。東京タイムに114円73銭までドル高が進んだものの、海外市場に入ると緩やかに下落し、NYでは長期金利の低下を材料に113円70銭まで売られる。
  • ユーロドルは小動き。1.15台では底堅い動きを見せるものの、徐々に上値を切り下げる展開。
  • 株式市場は小幅ながら上昇。通信株が軟調だったが、主要指数は揃って上昇し最高値を更新。
  • 債券相場は特段材料がない中小幅に上昇。長期金利は2.31%台へと低下。
  • ドルが下落したことで金は反発。原油価格は続伸し、2年4カ月ぶりとなる57ドル台前半で取引を終える。サウジの内政の混乱や減産強化観測が買いにつながった。
ドル/円 113.70 〜 114.20
ユーロ/ドル 1.1580 〜 1.1616
ユーロ/円 132.00 〜 132.34
NYダウ +9.23 → 23,548.42
GOLD 12.40 → 1,281.42ドル
WTI +1.71 → 57.35
米10年国債 −0.014 → 2.316%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 中 中国 10月外貨準備高
  • 独 独9月鉱工業生産
  • 欧 ユーロ圏9月小売売上高
  • 米 9月消費者信用残高

ドル円は昨日の朝方に114円73銭まで上昇しましたが、その後はじり安となり、NY市場では114円を割り込み、113円70銭まで反落しました。これまで何度もテストし、抜けきれずに押し戻されていた114円台半ばを抜けたことで、ドルの先高感が台頭していましたが、海外ではドル売りに押され元の水準に戻った形です。

昨日の日米首脳会談では北朝鮮問題が主要議題でしたが、貿易問題も話し合われました。北朝鮮問題では同国への圧力を最大限まで高めることで一致し、貿易不均衡については、「互恵的な貿易は私にとっては極めて重要」とトランプ大統領は述べ、「米国は貿易で非常に強力な行動を取るだろう」と、明言しました。(ブルームバーグ)具体的な行動は不明ですが、日本からの輸入に対して関税を大きく引き上げることを示唆しているのかもしれません。安倍首相は「日米経済対話で議論したい」と、首脳会談での議論は避けていましたが、トランプ大統領は貿易問題と、北朝鮮問題は別と考えているようです。ただ、この問題の為替市場への影響は今のところありません。

今朝の話題の中心は久しぶりに「WTI原油価格」です。上昇を続けている原油価格は、昨日も1ドル71セントの大幅高となり、2年4カ月ぶりに57ドル台前半まで上昇しました。サウジアラビアは、イランがリヤドの国際空港にミサイル攻撃を試みたことは戦争行為とみなし得るとして非難したことや、汚職を理由に複数の王族や政府要職者が一斉に逮捕されたことなどが材料になっています。(ブルームバーグ)またOPECと非OPEC産油国との間で、減産合意が延長されるとの見方もあるようです。原油価格の上昇は米国株の上昇につながる傾向があり、ドルにとっては支援材料になります。

ドル円は再び113円台後半で推移しています。今週は重要な経済指標の発表も少なく、やはり材料はトランプ外交の行方ということになります。トランプ大統領は本日日本を発ち、韓国と中国に向かいます。本日のドル円は113円20銭〜114円20銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
9/20 イエレン・FRB議長 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
9/22 金正恩・北朝鮮労働党委員長 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 ドル円112円台半ばから111円60銭台へ
9/25 マクマスター・大統領補佐官(国家安全保障担当) 「われわれが望んでいるのは戦争を回避することだが、その可能性を考慮しないわけにはいかない」 --------
9/26 イエレン・FRB議長 「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」講演で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
10/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 債券価格が上昇し、金利は低下
10/12 プラ−ト・ECB理事 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 --------
10/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「市場は高い確率でわれわれが12月に利上げを実施するとみている。これは現在得ている情報から適切なようだ。」 --------
10/14 イエレン・FRB議長 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 --------
10/14 ドラギ・ECB総裁 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 --------
10/26 ドラギ・ECB総裁 「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」「(購入を)突然終了することはない」量的緩和縮小を決めた後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.16台半ばへ急落
10/26 ライアン・米下院議長 「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」2018年度の連邦政府予算決議案可決後に --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和