今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年11月8日(水) 「ユ−ロドル7月以来となる1.15台半ばへ下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 日本株の大幅高を背景にドル円は114円台を回復し、欧州時間には114円34銭まで上昇。NYでは長期金利の低下を手掛かりにドルが徐々に下落。113円82銭まで売られた後、114円近辺まで戻して引ける。
  • ユーロドルは終始軟調に推移し、この日は1.16台には届かず。一時は1.15台半ばまで売られ、7月20日以来の安値をつける。
  • 株式市場はまちまち。金融株が売られたがダウは8ドル高。一方ナスダックは18ポイント下げた。市場は財政政策に焦点を移している。
  • 債券相場は小動き。材料もない中小幅に買われ、長期金利は2.31%台へとやや低下。
  • 金は反落。原油価格は利喰いの売りに押され4日ぶりに下落。
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 9月消費者信用残高 → 208.3億ドル
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ドル/円 113.82 〜 114.29
ユーロ/ドル 1.1558 〜 1.1592
ユーロ/円 131.84 〜 132.30
NYダウ +8.81 → 23,557.23
GOLD −5.80 → 1,275.23ドル
WTI −0.15 → 57.20
米10年国債 −0.004 → 2.313%

本日の注目イベント

  • 中 中国 10月貿易収支
  • 加 カナダ10月住宅着工件数
  • 加 カナダ9月建設許可件数

ドル円は再び114円台を回復し、前日の下げを埋めたものの、米金利の低下から114円台維持はかなわず、113円台後半で引けています。商品相場が下落し、原油価格も反落したことで資源国通貨に売りが出たものの、市場は引き続き税制改革の行方と、トランプ大統領のツイートに注目しているようです。

そのトランプ大統領は昨日、韓国の文大統領と会談し、共同記者会見に臨みました。これまでの北朝鮮に対する強硬な態度を軟化させる姿勢を見せました。「北朝鮮が交渉の席に合意することは理にかなっているし、北朝鮮国民と全世界の市民にとってよいことだと強く信じている」と語っています。また、「動きが見られるが、何が起こっているか見守ろう」とも述べています。(ブルームバーグ)これまで、北朝鮮の金委員長との交渉は時間の無駄とも述べていたトランプ大統領は、姿勢を大きく軟化させ、金政権との関与も排除しない姿勢を見せました。

ドル円は114円台では押し戻される展開が続いており、一気に115円を抜ける勢いはありませんが、足元の動きは113円台を固めているものと思われます。米長期金利も2.46%台まで上昇した後はやや軟調な展開となっており、金利面からの支援はありません。その割には底堅い動きを見せていると言ってもいいと思います。ただここから一段のドル高を見るには、米金利の上昇は欠かせず、日米株価の上昇だけでは十分とは言えません。米国では良好な経済指標が確認されており、今後個人消費などが伸びてくれば、足元の原油価格の上昇もあり、インフレ率も緩やかに上昇してくるものと思われます。その結果2018年の利上げ観測も、FRBの金利水準見通しに合致してくる可能性が高まり、ひいてはドル高をサポートするのではないかと予想しています。

もっとも、まだ手放しで相場観をドル高にシフトしていい状況でもありません。何かのきっかけで113円を割り込み、112円程度までの円高局面もあるかもしれません。さすがに9月に記録した107円32銭を割り込むことは、年内残りひと月半ではないと思われますが、114円を挟んでもみ合いが続くと予想されるため、113円台半ば前後から下方でロングを仕込み、114円台で手放すなど、小まめに回転させる手法が有効かと思われます。114円台が定着するにはまだ時間がかかるということです。

本日のレンジは113円20銭〜114円20銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
9/3 マティス・国防長官 「大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応をとる。われわれには多くの軍事的選択肢がある。」北朝鮮の核実験を受け、大統領らとの会合後に。 円高、株安が進行
9/5 ブレーナ−ド・FRB理事 「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」講演で。 ドル円109円台から108円台半ばへ
9/7 ドラギ・ECB総裁 「決定の大きな部分は10月に下されるだろう。最近のボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドルの一旦1.90台前半まで売られた後、1.2060前後まで上昇
9/11 クーレ・ECB理事 「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」直近のユーロ高に関連して。 --------
9/20 イエレン・FRB議長 「健全な労働市場を維持し、インフレを当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」FOMC後の会見で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
9/22 金正恩・北朝鮮労働党委員長 「われわれはこれに呼応する歴史上最も強硬な対抗措置の行使を真剣に検討するだろう」国連でのトランプ大統領の演説に対して。 ドル円112円台半ばから111円60銭台へ
9/25 マクマスター・大統領補佐官(国家安全保障担当) 「われわれが望んでいるのは戦争を回避することだが、その可能性を考慮しないわけにはいかない」 --------
9/26 イエレン・FRB議長 「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」講演で。 ドル円111円台から112円台半ばへ
10/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 債券価格が上昇し、金利は低下
10/12 プラ−ト・ECB理事 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 --------
10/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「市場は高い確率でわれわれが12月に利上げを実施するとみている。これは現在得ている情報から適切なようだ。」 --------
10/14 イエレン・FRB議長 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 --------
10/14 ドラギ・ECB総裁 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 --------
10/26 ドラギ・ECB総裁 「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」「(購入を)突然終了することはない」量的緩和縮小を決めた後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.16台半ばへ急落
10/26 ライアン・米下院議長 「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」2018年度の連邦政府予算決議案可決後に --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和