2017年11月16日(木) 「ドル円急落し112円台半ばへ」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は大幅に下落。日米共に株価の調整が見られたことで、朝方には112円47銭までドル売りが進む。その後小売売上高が予想を上回ったことで113円台まで戻すが引けにかけては再び112円台後半まで売られる。
- ユーロドルは続伸。1.1862まで買われ、3週間ぶりの高値をつけたが、その後1.17台半ばに押し戻される。
- 株式市場は続落。日本株が大きく売られたことで、エネルギーや素材関連株の売りが膨らむ。ダウは138ドル下落し、2万3200ドル台に。
- リスク回避の流れが強まり債券相場は上昇。10年債利回りは2.32%台へと低下。
- 金は反落し、原油は続落。
10月消費者物価指数 → +0.1%
11月NY連銀製造業景気指数 → 19.40
10月小売売上高 → +0.2%
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| ドル/円 | 112.47 〜 113.19 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1789 〜 1.1862 |
| ユーロ/円 | 132.97〜 133.53 |
| NYダウ | −138.19 → 23,271.28 |
| GOLD | −5.20 → 1,277.70ドル |
| WTI | −0.37 → 55.33 |
| 米10年国債 | −0.050 → 2.322% |
本日の注目イベント
- 豪 豪10月雇用統計
- 欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(改定値)
- 英 英10月小売売上高
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 11月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 10月鉱工業生産
- 米 10月設備稼動率
- 米 11月NAHB住宅市場指数
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
- 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 米 企業決算 → ウォルマート、ギャップ、ベストバイ
ドル円は昨日の東京時間に株価が大きく値下がりしたことを受け113円03銭まで売られ、10月末以来約2週間ぶりの円高水準をつけました。この欄で何度も述べたように、株価とドル円の連動性が崩れ、株価が上昇した際には円安には振れなかったものの、株安には素直に連動して「円高」に振れやすいと指摘しましたが、昨日の動きは正にその通りでした。連日高騰を続けていた日経平均株価は26年ぶりとなる、2万3000円台まで一気に上昇しましたが、昨日は前日比351円安と、今回の上昇局面では最大の下落となっています。
ドル円はそのままの流れを引継ぎ、NY市場では朝方に112円47銭までドル安が進みました。113−114円の狭いレンジを一気に下方に抜けた感じです。その後113円台まで戻す局面もありましたが、結局112円台後半で戻って来ました。ダウは138ドル下げ、調整局面入りの様相を強めており、それに呼応するかのように、米長期金利が低下し始めています。昨日は2.32%台まで低下し、約1カ月ぶりの低水準を記録したことでドル売りを誘っています。
ただ金融市場を取り巻く環境自体が特に変わったわけではなく、これまで積み上げたものの清算に動いた側面が強いと思われます。どこまで調整が続くかは定かではありませんが、「ドル高、株高」の流れが変わったと考えるのは早計だと思います。ヘッジファンドの「45日ルール」が主因だという説明もありますが、為替も株もシステム売買が盛んで、相場が上がればさらに買えという指示が出て、下がればもっと売れという支持が出ることで、相場のブレが大きくなるのは事実のようです。
ドル円は9月8日に北朝鮮の水爆実験と、大型ハリケーンの被害から107円32銭まで売られ、その後11月6日には次期FRB議長の人事や、税制改革への期待から114円73銭まで上昇し、この間の上げ幅である7円41銭をフィボナッチ・リトレースメントを使って下値のメドを確認してみます。38.2%戻しが111円90銭にあたりますが、この近辺が当面の下値のメドと予想されます。この下方には、重要な「120日線」や「200日線」も集まっており、この点からも注目されるレベルです。
本日はやはり日本株の行方次第でしょう。日経下落→NYダウ下落→再び日経下落という『キャッチボール』になるのか。あるいは、どちらかでこの連鎖を止められるのかというところが焦点になります。また、仮に日経平均株価が続落した際に、昨日のNY市場の安値である112円47銭を下回るのかどうかにも注目です。予想レンジは112円20銭〜113円20銭程度とみます。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/11 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 | 債券価格が上昇し、金利は低下 |
| 10/12 | プラ−ト・ECB理事 | 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 | -------- |
| 10/12 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「市場は高い確率でわれわれが12月に利上げを実施するとみている。これは現在得ている情報から適切なようだ。」 | -------- |
| 10/14 | イエレン・FRB議長 | 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 | -------- |
| 10/14 | ドラギ・ECB総裁 | 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 | -------- |
| 10/26 | ドラギ・ECB総裁 | 「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」「(購入を)突然終了することはない」量的緩和縮小を決めた後の記者会見で。 | ユーロドル1.18台から1.16台半ばへ急落 |
| 10/26 | ライアン・米下院議長 | 「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」2018年度の連邦政府予算決議案可決後に | -------- |
| 11/8 | 本田悦朗・スイス大使 | 「黒田総裁ら執行部は任期終了をもって退任すべきだ。デフレ脱却への成果が出ておらず、日銀執行部の退任は当然」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 11/9 | トランプ・米大統領 | 「私は中国を非難しない。私は中国を強く評価する」「現在の貿易赤字は持続可能ではない」北京でのイベントの中で。 | -------- |
| 11/13 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「年内最後となるもう1回に利上げは『軽く書き留めた』状態だ」都内の講演で。 | -------- |



